カテゴリー: 【樹の家への途】

樹の家への途(番外編)@白老ポロトコタン

ツリーハウスへの憧れや想いは日に日に募っている。縄文土偶探訪のように「見て感動する」といった受動的な興味ではなく、八ヶ岳の建設予定地にどんなツリーハウスを自分の手で建てようかという極めて「能動的な欲求」である。

これまで見学した計9軒のツリーハウスは、それらの造形(外見の美)を楽しむだけで、どれも中に入る事は出来なかった。そのため、実際にツリーハウスを建築するための知見を得るという観点からは、ほとんど成果は無し。何事も目的適合性に重きを置く私は「見て楽しむためだけにツリーハウスを訪問するのは意味がない!」という結論に早々と至ったのである。そんなわけで、今回の役員慰安旅行については、ツリーハウス関連の予定はまったく組まなかった。

だが、旅行3日目(9月8日)に「白老ポロトコタン アイヌ民族博物館」を訪れた際に、ちょっと心惹かれる構造物に偶然出会ってしまったのだ。敷地内に建てられていた「プ(食料庫)」「ヘペレセツ(熊檻)」である。遠目に見た時は、「ん? 低い位置にあるツリーハウスか?」と思った。

向かって右側が食料庫の「プ」、左側が熊の檻となる「ヘペレセツ」である。遠目に見た時は、低い位置に2軒のツリーハウスが並んでいるのかと思った。実際は、4本のカットした丸太を足(基礎)とする「高床式構造物」であった。

近付くと、4本の丸太を足とした「高床式構造物」である事がわかった。ツリーハウスの「定義」は様々だが、一般的には「生きた樹木を建築上の基礎として活用する構造物(人用の家屋)」とされている。色々な文献を調べてみると、この「生きた樹木」という部分が重要であるらしい。

「プ」も「ヘペレセツ」も丸太をカットして基礎としているので、この定義に照らし合わせればツリーハウスではない。これまでに見学した中では「空飛ぶ泥舟http://triglav-research.com/?p=18772)」もツリーハウスには該当しない事になる。

でも、私からすれば「定義」なんて実はあまり重要ではない。要は、建設予定地である約100坪の三角地の樹木を上手く活かして、お洒落な小屋を建てる事が出来れば良いのだ。そして、その中でノンビリと読書や昼寝が出来て、ちょっと高い位置から八ヶ岳本宅&オフィス敷地内を珈琲でも飲みながら眺める事が出来れば大満足である。

本宅とオフィスという2軒のログハウスを構えているので、寝泊まりする気などは毛頭ない。「ゲゲゲの鬼太郎の家(ゲゲゲハウス?)をシンプルにした茶室みたいなのがいいなぁ~」なんて事を考えていたので、高床式構造物とは言え、ツリーハウスの趣を漂わせた「プ」と「ヘペレセツ」の清々しいシンプルさにグッときたのである。

「プ」の外観。ゲゲゲの鬼太郎の家をさらにシンプルにしたイメージ。近付いて構造をジックリと観察する事が出来た。

ゲゲゲハウスに似たのは「プ」の方であるが、「ヘペレセツ」の方も単純で力強い造形に心惹かれる。ヘペレセツのように隙間のある外壁を4X4材や2X6材等で六角形に組んで行くとお洒落かなぁ…などと思わずイメージしてしまった。

こちらは熊の檻となる「ヘペレセツ」。武骨で荒々しいが、私はお洒落だと感じた。だが、私がこの中にいたら、社主さまは「性格の悪い熊が檻に閉じ込められている」と言ってからかうに違いない!

ん? 隙間のある外郭。そうか、小諸ツリーハウスプロジェクトのお気に入りである『間』もそんな構造だったな。ヘペレセツの「武骨な荒々しさ」に対して、『間』は「洗練された優雅さ」が魅力だが、建物としての根っこの部分には同じような思想があるように感じる。

こちらは小諸ツリーハウスプロジェクトにおけるお気に入りの『間』である。スマートで洗練された本当に美しい造形だ。ヘベレセツとは対極的なツリーハウスであるが「隙間の美」という意味では、相通ずるモノがある。

トリグラフ・リサーチのツリーハウスも「隙間の美学」に挑戦しようかな… 業務多忙でツリーハウスの建築に時間を割く余裕などないのだが、こんな具合に構想だけは着々と進んで行く。

『又庵』@小諸ツリーハウスプロジェクト への途

小諸ツリーハウスプロジェクトの見学・鑑賞ツアーは、いよいよ最後(7軒目)の『又庵(ゆうあん)』を残すのみとなった。

『間』起点とし、時計回りにツリーハウスが点在するスペースをほぼ1周した場所に又庵はあった。デザイナーは「古谷誠章」氏である。

小諸ツリーハウスプロジェクト全般に言える事だが、ツリーハウスの設置場所はあまり高くない。メジャーを持参して計測したわけではないが、bird-apartmentを除けば、地面から2~3.5m程の高さにハウスの床部分があるように思う。空を見上げるような位置にある「空飛ぶ泥舟」や「高過庵」とはこの点が大きく異なる。

私は重度の「高所恐怖症」なので、『間』や『チーズハウス』程度の高さであれば恐怖感を覚えずに「樹の家」の雰囲気を楽しめるなと感じていた。

遠目に『又庵』を眺めた。『間』よりもやや高度はありそうだ。もしかすると、この位の高さが、私にはちょうど良いのかもしれないな…

遠目に見た『又庵(ゆうあん)』。複数の広葉樹に包まれるようにして、周囲の風景に自然に溶け込んでいた。床の高さは、高所恐怖症の私がちょうど耐えられる位だろうか…私がツリーハウスを作成するなら、高さはこの程度が良さそうだ。

近付いて下から鑑賞。ん? これはもしかすると日本酒や醤油を醸造する樽の再利用部材かなと思った。だが、底(床)板の形状が複雑な曲線を描いているのにすぐに気付いた。このツリーハウスも凝った作りである。

下から見上げた「又庵」。最初は、醸造用の酒樽とか醤油樽を利用しているのかと思った。だが床板は優美な曲線を描いており、凝った作りである。

脇に回って構造を見た。複数の広葉樹に包まれるようにハウスの筐体がフィットしている事がわかった。これが周辺の樹木との一体感を生み出している。

複数の広葉樹に「包まれている」という表現がピッタリだ。この樹皮と葉の形状の特色は「欅」かな? 『又庵』の部材は針葉樹っぽいが、もし部材も欅だったら、高級なツリーハウスだな…

ところでこの樹は何だ? bird-apartmentのブナ(勝手に判定)によく似ているが、樹皮の剥がれが目立つし、葉先の尖りが目立つので「欅(ケヤキ)」のような気がするぞ…

出入り口を下から覗く。ステップはしっかりした作りで安定感がある。ハウスの荷重を支えるために周辺の広葉樹を挟み込む形で金属製の黒い支柱が何本も通っている。武骨な作りなのだが、不思議と違和感はない。

ステップと出入り口を撮影。支柱は黒い金属製で武骨だが、不思議と違和感はない。出入り口の開口部を除くと、床板部分の正味面積はかなり狭そうだ。

ステップの下部の支柱を詳しく観察。広葉樹の幹にやや食い込んでいるのは。ハウス設置後に樹が生長したためであろうか?

樹木に食い込んでいる金属製の支柱。幹に穴を開けてボルトを通して挟み込んでいるのかと思ったのだが、それらしいモノが見当たらない。どう固定しているんだろう?? 『又庵』は不思議で奥の深そうなツリーハウスである。

樹の幹に穴を開けて、ボルトを通して2本の支柱で挟み込んでいるのかと予想したのだが、ボルトらしきモノが見当たらない。どうやって支柱を固定しているんだ? 考えたが答は見つからなかった。

『又庵』は色々な意味で「不思議なツリーハウス」である。そもそもコンセプトは何なのだろう?

Webの解説文には「又庵は、樹齢 130 年の吉野杉原木から製材された杉の柾目材を使い、人々が手塩のかけた豊かな森と食の世界を結び合わすためにデザインされました。 床面の広さはちょうど一畳台目の茶室に等しく、都会の喧噪を離れた清々しい緑の中で、ひととき樹上にたゆたう『木漏れ日の茶事』を開いて、遠来の客人をもてなせるように構想しています。」と記されていた。ああ、茶室が基本コンセプトなんだ。恥ずかしながらやっと気が付いた。

さらに「名前の由来は、株立ちの欅の木の又に結んだ庵 (いおり) であり、人が又再びここを訪れたいと思ってくれるようにと考えたものです。さらには、利休好みの名茶室である京都上京の『又隠 (ゆういん)』へのオマージュでもあります。」とも書かれていた。う~ん、欅の見立ては合っていたが、「又隠」なんて知らないぞ。まだまだ教養不足だなと反省した。

こうして、「ツリーハウスへの途 小諸ツリーハウスプロジェクト編」は7軒すべての見学を終えたのである。

【縄文土偶探訪記】の土偶さんとの出会いは、純粋な感動とパワー(元気)をもたらしてくれるが、ツリーハウスの見学・鑑賞は、私の感性や知性が試されるようで、また違った楽しみがある。

『稿房通信』の主要なコンテンツのひとつ(柱)として継続的に情報配信する価値は十分にあると確信した!

『NEST』@小諸ツリーハウスプロジェクト への途

小諸ツリーハウスプロジェクトでこれまで見学を終えたのは5軒。どれもデザイナーさんの想いが込められた素晴らしい出来映えの作品だった。が、敢えて私のお気に入りを2軒示すとしたら『間』と『BEV』である。この2軒については甲乙付けがたい。

さて、残り2軒もじっくりと鑑賞しよう。次なるツリーハウスは『NEST』である。つまり「巣」だ。

BEVから少し離れた場所にあるのだが、見学用の小径らしきモノを見つける事が出来ない。仕方ないので地図を頼りに林の中を歩いて進むと、やがて「白い網」が空中に浮遊しているような構造物が視野に入ってきた。これが『NEST』だった。デザインは「ENERGY MEET」さん。

BEVから林の中を進むと右手に白い網状の構造物が現れた。第一印象は「巨大なハンモック」。見ようによっては強大な蝶の「繭」といった感じがしないでもない。いずれにせよ、ツリーハウスとしては異色の形状である。

さらに近付いてみる。「巨大なハンモックみたいだな…」と最初に感じた。最近、八ヶ岳本宅で使っていたハンモックをオフィスに移して、仕事に疲れると、そこで本を読んだり昼寝をしている。「網構造」の持つ優しさを体感しているのだ。

これまで見てきたツリーハウスの中では、床面積(?)は最大、重量は網なので最軽量であろう。そして、支柱となる樹木への負担は最小(最良)である事は間違いない。でもこれ「ハウス」って言えるのかなとも思った。

Web検索の解説には「ツリーハウスは、自然の中に作る人の手による人のための居場所です。風景の美しい小諸のこの大自然の中で、ありのままに自然の恩恵を最大限に受けることのできる居場所を作りたいと考えました。人工物として自然の中には決して存在しないような形でありながら、仕組みは自然の中にあるような在り方で、かつ木々にできるだけ負担をかけないものを構想し、極めて軽量なツリーハウスをつくりました。その仕組みはクモの巣のようであり、6本の木に樹脂製のネットを張り巡らせる構造としています。」と記されていた。

自分で言うのも何だが、私のツリーハウスの鑑識眼はそれなりのレベルであるらしい。ただし、仕組みは「クモの巣(のよう)」であるとは気が付かなかった。「優しい」だけではなく「強靱」な構造なのであろう。

NESTの周囲を歩いて様々な角度から写真を撮影した。だが、確かにクモの巣のようであり、あまり見た目に変化はない。むしろ網の底部の汚れのようなものが目立った。

角度を変えて下方から仰ぎ見たが、見た目はあまり変わらない。網だけで作られた構造なので、当たり前ではある。作成当初は真っ白であった事がWebの写真から確認できたが、現状、底部は汚れており、透明感がやや損なわれている。

Webには純白の美しいNESTの写真がされている。新品の頃の「透明感」のようなものが伝わってこないのが少し残念だ。ツリーハウスを作成する際には、経年変化後も想定した上での材質や色の選定が重要だと感じた。

NEST本体にばかり気を取られていたのだが、Webには、「六角形の太陽光パネルを開発し、それが木に咲く花のような姿で発電をしています」と記されていた。んっ? そんなのあったかなと思い、私が撮影した写真を改めてじっくり見たら確かにそれらしきものが…

下の写真でオレンジ色の丸を付したのが、六角形のパネルであろう。こういうところにも細かい「おこだわり」を持ったデザイナーさんなのだなと感心した。

撮影した写真を改めて確認したら、六角形の太陽光パネル(オレンジ色の丸部分)が周辺に取り付けられている事がわかった。細部までの「おこだわり」をデザイナーさんが有していた事が伝わってくる。新品の時のNESTは、森の中で独特の「優しい存在感」を発していたに違いない!

NESTは、ツリーハウスととしては異色であるが、色々な意味で『優しい』作品だと思う。アンドレ・ギャニオンの『明日(ドラマ「優しい時間」の挿入曲)』をBGMに、NESTに包まれて読書をしたいな…そんな思いが頭をよぎった。

さあ、いよいよ次は最後のツリーハウス「又庵」の見学だ…

『Birds Eye View』@小諸ツリーハウスプロジェクト への途

次に目指したツリーハウスは『Birds Eye View』である。地図で見ると「チーズハウス」からの距離はかなりある。

見学用の小径を歩いて行くと目の前に広場のようなスペースが開け、その左手奥にグリーンとイエローのグラデーションの構造物が見えてきた。Birds Eye Viewは、日本語訳すると『鳥瞰(図)』

チーズハウスから見学用の小径を少し歩くと、広場のようなスペースに辿り着いた。その左手奥に見えるグリーンとイエローのグラデーションをなす構造物が目指すツリーハウス「Birds Eye View(BEV)」である。

弊社が銀行業界のマクロ分析レポート『銀行業界鳥瞰図』を無料配信していた頃、私の名刺(旧版)の裏側には「Bird’s-eye View on Japanese Banking Industry」と記してレポートの紹介をしていた。ゆえに、とても愛着のある言葉だ。

当時、「鳥瞰図」の部分は「BEV」と略して表現していたので、このツリーハウスもそう表記する。ちなみに『BEV』のデザイナーは、Noma Barである。

BEVに向かって歩を進める。直線と曲線が混ざり合った優美なデザインであり、グリーンとイエローのグラデーションが周辺の樹木の色に上手く馴染んでいる。

後方から近付く。この時点では「BEV」が鳥さんをモチーフとしたツリーハウスである事にはまだ気が付かなかった。

下方に突き出したウッドカラーの部分はステップであろうか。さらに近付いて後ろに回る。予想通り凝った造形のステップであり、かなり頑丈に作られているのがわかった。

さらに近付いて後から写真撮影、なんてお洒落なステップなんだ。この構造は「舟(ボート)」をイメージしているのかな?と思ったのだが、Web解説文で「葉」がモチーフである事を知った、ナルホド。確かに「葉っぱ」だ。

この段階では、BEVの全体的な構造はまだよくわからない。脇に回って感動。最上部に「頭と目、嘴」がある。鳥さんじゃないか!! そして、まるで鳥さんの足のように支柱となる樹木が筐体の荷重を斜めに支えている。

右脇に回って見て感動。頭と目に嘴。そして、足となる樹木の支柱。ステップは「尾羽」。そう、BEVは「鳥さん」だったのだ。野鳥好きの私は、ここでまず感動!

さらに、この大きな鳥さんが見つめる先には、浅間山(だと思う)が悠然と佇んでいる。文字通り「鳥瞰」しているツリーハウスなのだ。

鳥さんの頭の側に展望用スペースがあるに違いないと確信し、正面から写真撮影するために、頭の前に回り込もうと試みた。だが、急傾斜地であり無理だった。

構造とロケーションからして、ツリーハウス内部が「展望台」となっている事は明らかだ。展望スペースを正面から写真撮影したかったのだが、BEV前面は急な斜面で無理だった。残念…展望スペースの手摺りらしきモノだけ、かろうじて写っているのみで、満足できる写真は得られなかった。

他のツリーハウス同様、BEVもハウスの内部は立ち入り禁止なので、勿論、絶景を堪能する事も出来ない。うーん、せめてBEVだけは、有料でも構わないから展望可能として欲しい!本気でそう感じた(それだけ気に入ったのだ)。

さて、見学・鑑賞後のWebチェック。デザイナーさんの解説文には「Treehouseのアイディアを考えていたある朝、偶然地面に落ちていた2枚の葉を見つけました。手に取りよく見てみると、その2枚の葉が重なりあった形が、まるで鳥のように見えたのです。葉の、はらはらと落ちたり、風に舞ったり上下に動く双対性を、飛行するオブジェクトに変換。」とか「内部の天井、床、手すりは葉と葉脈の形にしています。」と記されている。

BEVは「葉」で構成された「鳥」さんなんだ。再び感動である。

さらに、私が撮影したかったアングルからの「垂涎の1枚の写真」も掲載されていた。当『TRI稿房通信』に掲載している写真は、八ヶ岳の四季の様子や縄文土偶さん達を中心にそのほとんどは私が撮影したモノだが、例外的にBEVのこの写真は使用させていただく事とした。それ程、BEVの素晴らしさが伝わってくる素晴らしい写真なのだ。

WebにBEVの素晴らしさを伝えてくれる最高のショットが掲載されていた(http://momofukucenter.jp/treehouse/treehouse_birdsEyeView.html)。BEV、本当にイイなぁ…

それにしても「葉」と「鳥」で形作ったツリーハウス 兼 展望台か… プロのデザイナーの感性ってのは本当に凄いと思う。

よく考えたら「弊社のロゴ・マーク」でも感心したんだ。「Triglav(3つの山)」をモチーフに作成を依頼したら「Triglav 兼 八ヶ岳」に仕上げていただいた上に(http://triglav-research.com/?page_id=289)、トリグラフカラーの3色も修正なしでイメージ通りに作ってくれたのだ。

建築家さんとかデザイナーさんという職種(人種)の人達は、きっと神様から特別な才能を授けてもらったんだろうな…

さてと、小諸ツリーハウスプロジェクトで紹介するツリーハウスも残すところ2軒だ。

『チーズハウス』@小諸ツリーハウスプロジェクト への途

オオムラサキのツリーハウスの脇にある見学用の小径らしきものを歩いて行くと、周囲の木々とは明らかに色合いの異なる「黄色の筐体」が視界に入ってきた。

オオムラサキのツリーハウスの脇にある小径に沿って歩くと、林の中に鮮やかな黄色の筐体が視界に入ってきた。ぱっと見は長方形の箱かと思ったのだが…

次なる鑑賞ターゲットである『チーズハウス』である。デザイナーは『プレイセットプロダクツ』さんだ。

さらに近付くと、それが巨大な丸いチーズを三角にカットした意匠である事がわかる。そして、脇には、出入り用ステップの支柱である「フォーク」が並び立つ。咄嗟に『トムとジェリー』に出てくる「エメンタールチーズ」を思い浮かべるのは私だけではないだろう。

近付いてみると「トムとジェリー」に出てくるような「エメンタールチーズ」をモチーフとしたツリーハウスである事が判明。ステップの支柱は「フォーク」の形状をしていてお洒落です!

「チーズアイ」が窓の役割を果たしているんだな…これは子供が喜びそうなツリーハウスだ!なんて事が頭に浮かんだ。

見学後にWebでコンセプトを調べると「戦利品であるチーズは奪われないように木の上に設置し、食べながらチーズの中に入って暮らしている。大きなチーズなので、しばらく暮らせそうなチーズの家」と記されていた。

おそらく、チーズハウスの内部にもなんらかの工夫(おこだわり)が凝らされているのであろうが、残念ながら確認する事は出来なかった。

脇に回って出入り口を確認。フォークを巻くようにして出入り口に続くステップはお洒落であると同時に、しっかりとした作りだ。私がツリーハウスを作る際にも、ステップは固定型で頑丈、かつ、あまり目立たない作りにしたいなと思う。

チーズハウスの出入り口とステップを撮影した写真。【間】と比較するとかなり小ぶりである。この位のサイズもありだよな。それにしても周辺の木々が鬱蒼としていて、折角の鮮やかな黄色が映えないなぁ…

写真を撮影して感じたのだが、チーズハウスの周辺の樹木は、他のツリーハウスに比して密生度合いが高い。よりストレートに表現すると「鬱蒼」としているので暗いのだ。鮮やかな黄色が、周辺の樹木に遮られてしまい、その美しさが減殺されてしまう。

支柱となる樹木とハウス本体の接合方法を確認しようと写真撮影したが、残念ながら外部からはわからなかった。

支柱となる樹木とツリーハウスの接合部。やっぱり内部を見る事が出来ないと、どう支えているかはわからない。

「やっぱりツリーハウスの見学・鑑賞は内部に入れないとあまり意味は無いな…」と改めて感じたのが、この「チーズハウス」であった。

7軒すべてのツリーハウスの見学を終えた後に、遠景のベストショットが残せないか、別のアングルからの撮影を試みた。

7軒のツリーハウス見学を終えた後に、遠景のベストショットを撮影しようと様々なアングルで試したのだが、やはり周辺の木々に遮られてしまう。ちょっと勿体ないな…

だが、残念ながらチーズハウスは、どの角度から見てもやっぱり樹木に囲まれて(埋もれて)いる。う~ん、勿体ない。チーズハウスはもっと「開放空間」で自己主張すべきなのにな…

ツリーハウスは支柱が樹木となるし、その周辺も木々で囲まれる事になる。そして、樹木は生長する。ツリーハウス建築の際には、四季折々の周辺の様子や建築後に樹木が大きく育った状況を想定した上で、造形や材質を決める事が必要だな。

こんな具合に知見は蓄積されて行く。さあ、次のツリーハウスはどこだ?

『オオムラサキのツリーハウス』@小諸ツリーハウスプロジェクト への途

次に向かったのが、baird-apartmentから、ほぼ真っ直ぐに山を登った位置にある『オオムラサキのツリーハウス』だ。デザインはKANIKAPILA DESIGN Inc. (代表:姉川 たく氏)」さんによる。

オオムラサキと聞いて「ああ、日本の国蝶だな。」とすぐにピンとくる人は、それなりの「教養人」と言えるだろう。

TRI稿房通信の読者層は、「趣味人」「文化人」が多そうなので、細かい解説は不要と思う。まあでも参考までに「オオムラサキ(大紫)」の写真を1枚だけ掲載しておこう。実物を見たい方は、弊社オフィスが所在する富士見町の隣町「北杜市」の「オオムラサキセンター(http://oomurasaki.net/)」の見学をお勧めする。

日本の国蝶「オオムラサキ」。TRI稿房通信の読者だったら、この程度は一般教養のはずだから、余計なお世話かな??

さて、ツリーハウスの鑑賞に移ろう。下方からちょっと遠目に見上げると、正に「蝶が羽ばたく」姿である。名称にはツリーハウスと付されているが、密閉型の筐体ではなく「開放型」の構造だ。

『オオムラサキのツリーハウス』のコンセプトは「蝶に乗る」である。「絶妙な空中浮遊感」を醸し出す優美なツリーハウスなのだが、周辺樹木の枝葉が遮ってしまい、その浮遊感が減じられてしまっている。見学するなら落ち葉が舞い散るような時期がベストかな? 或いは、新緑の時期だろうか。

さらに近付いて見学。蝶の羽の部分から8本のカラーのスチールパイプが伸びて2つの円形のステップ(見学台)をジョイントし、ゴンドラを形成している。随分と細いけれど、この8本のパイプの材質は何だろう? ゴンドラ部分の積載荷重はどの程度あるのかな? なんて事が気になった。

ルーフ下のゴンドラを形成するパイプはわずか8本。かなり細いパイプなので、どんな材質なのか興味が湧いた。密閉型ではなく開放型のツリーハウスなので、ハウスと言うよりも「森の展望スペース」的な存在である。それから、後で気が付いたのだが、この写真で、ツリーハウス本体が「吊られている事」がよくわかる!

蝶の羽の横に移動して、下から眺める。「ああ、やっぱりこの屋根の姿がお洒落なんだな…」。見学後、Wedでコンセプトを確認すると、冒頭に『「蝶に乗る」がコンセプトのフォトジェニックなツリーハウス。蝶に乗って、空を飛ぶ。』と記されていた。

「蝶に乗って空を飛ぶ」か。ナルホドね!デザイナーさんの想いを見事に具現化したツリーハウスである。

この蝶の羽の部分(屋根)が優美なんだよな… デザイナーさんは「バタフライルーフ」と表現しているので、やはり「おこだわり」の部分なのだろう。ただし、屋根の色合いは、実物のオオムラサキとはかなり異なる。

Webの解説文では、蝶の羽の部分を「バタフライルーフ」と表現していた。やっぱりここが「おこだわり」部分なんだな。

支柱となっている広葉樹(ナラ系)とツリーハウスのジョイント構造を写真撮影。随分ガッチリと樹を挟み込んでいるな。まあ強度を確保する上では、この程度の構造は必要だろうな…

支柱となる広葉樹とのジョイント構造を学ぼうとして写真撮影。オイオイ、ツリーハウス本体とは繋がっていないじゃないか… と言う事は、ハウス本体は周辺の樹から吊っているんだ!!驚愕の瞬間だった。

あれっ?? ここで驚愕。このジョイント部材は、ツリーハウスに出入りするためのステップを支えるものであり、オオムラサキの姿をイメージしたハウスとの接点は何もない。と言う事は… ツリーハウスは、バタフライルーフを周辺の太い樹から「吊っている」んだ。

『空飛ぶ泥舟(http://triglav-research.com/?p=18772)』と同じように「ハンギングタイプ」のツリーハウスである事に漸く気が付いた。

この構造が、絶妙な「空中浮遊感」を醸し出しているのであろう。このツリーハウス、ぱっと見以上に凝ってるなぁ~

このシンプルで優雅な形状を周辺の緑濃く茂った葉が覆い隠してしまうのが、ちょっと勿体ない。このツリーハウスは、紅葉期、それも広葉樹の落ち葉がハラハラと舞い散るような時期に見学するのがベストだろうな。いや、新緑の時期かな… 思わずそんな事を考えてしまった。

さあ、次はどのツリーハウスを鑑賞しようか…

『bird-apartment』@小諸ツリーハウスプロジェクト への途

次なる鑑賞対象となったツリーハウスの名称は『bird-apartment』、野鳥さんのアパートである。

駐車場側から見ると『間』の左手やや手前に位置する。デザイナーは「オフィス nendo(代表:佐藤オオキ氏)」さんだ。

このツリーハウス、山の側から見ると「巨大な野鳥の巣箱」である。

傾斜の上(山の側)から眺めた「bird-apartment」。正に「巨大な白い巣箱」である。『間』と比べると設置高度が高い。

下から見上げても、やっぱり巣箱だ。

下から撮影。底部に出入り口は無いので、巨大な巣穴に梯子か何かを掛けて人間は出入りするのだろう。

日本野鳥の会会員であり、お手製の巣箱で貸家業を営む私(http://triglav-research.com/?p=2517)が言うのだから間違いない。

底面には入り口がないので、人間は梯子を掛けて、この大きな巣箱の穴から出入りするのであろう。人間が野鳥になった雰囲気を味わうためのツリーハウスだとしたらシンプルでわかりやすいコンセプトだ。

だが、駐車場側から眺めると印象は一変する。遠くから見ると小さな穴が沢山開いており、飾りや模様のように見える。

駐車場側から見るとまったく異なったイメージの外観だ。小さな穴が沢山開いており、凝った装飾なのかと最初は思えた。

近付いて凝視すると、それが「巣箱の集合体(壁)」である事に驚く。

駐車場側から近付いていくと、こちら側の壁は複数の巣箱の集合体である事がわかる。総戸数は60戸程度だろうか?だだの装飾と思ったのだが、実際に独立した巣箱で、裏側から営巣した野鳥さん達を観察できるそうである。

巣箱の数を数えてみた。30戸(個)位まで数えたところで目が痛くなりそうなのでカウントをやめた。おそらく60戸程度の集合住宅であろう。そう、正に「bird-apartment」なのだ。

一戸一戸の距離が近すぎるし、巣箱に開けた穴の大きさも野鳥さん達には大き過ぎるように思えるので、実は、ただの「装飾」なのだろうとその場では考えた。

だが、見学後に、小諸ツリーハウスプロジェクトのWebで確認して感動。どれもが独立した巣箱で、巣箱の入り口の反対側の壁に取り付けたドアスコープから営巣した野鳥の様子を観察する仕組みとなっているのだそうだ。

たくさんの鳥たち」と「1人の人間」がひとつ屋根の下で共に過ごすための小さなツリーハウスなのです。』とのデザイナーさんの解説文が添えられている。そう、とても「優しい」コンセプトのツリーハウスなのである。

ツリーハウス見学の際の私の興味は、支柱となる樹木がいかにハウスの荷重を支えているかを知る事にある。が、『間』の紹介の際に記したように「小諸ツリーハウスプロジェクト」においては、ツリーハウス内に立ち入る事が出来ないので、残念ながらよくわからなかった。

仕方ないので支柱となっている樹木の「樹種判定」を試みた。灰白色の樹皮、楕円形に互生する葉等々の特徴から「橅(ブナ)」系であろう。

支柱となっている樹木。灰白色の樹皮や葉の形状から、現地では「橅系」と樹種判定したのだが、改めて写真を見ると、ん? ちょっと違うかな.. まっ、イイか

難関「森林インストラクター」試験の合格者である私が言うのだから間違いない(かな?)。

ところでこの「bird-apartment」、建設に要するコストを、銀行さんが力を入れる「アパートローン」で借り入れする事が出来るだろうか?

巣箱間の距離が近過ぎるため、プライバシーに拘りが強い野鳥さん達に高い入居率を求めるのは難しいだろう。それに、そもそも野鳥さん達が家賃を払ってくれるとは思えないので、収益物件とは言えない。アパロン組むのは無理だな…

むしろ、野鳥愛好家を対象に「クラウドファンディング」で資金を募り、全国各地に設置なんて方が実現可能性が高いように思える。

来年で銀行アナリスト歴30年を迎える私が言うのだから間違いない。

ツリーハウスひとつ見学するのにしても、野鳥の会会員、森林インストラクター、銀行アナリスト、そして、ログハウスビルダーとしての知見がカルテットを奏でようとする。

「伊達と酔狂」の社是の下、どうでもイイ教養を無節操に積み上げてきた成果なのかもしれない…

『間』 @小諸ツリーハウスプロジェクト への途

東西南北すら示されていない簡単な地図を頼りに最初に訪れた(近付いた)ツリーハウスの名称は『間』。デザイナーは有名な「佐藤可士和」氏である。

実は地図など無くとも、D4を置いた駐車場から見ると最も目立ち、かつ、近いのがこのツリーハウスなので、勝手にプロジェクトの「看板ツリーハウス」なのかなと想像してしまう。

駐車場から見上げた『間』の外観。周辺に馴染む木の素材であり、色もナチュラルウッド色で本来は目立たないはずなのだが、私は、UFO(或いは、未来人のタイムマシン)が、いきなり森の中にワープしてきたかのような鮮烈な印象を受けた。

Webのツリーハウスのコンセプト紹介の冒頭には、『緑美しい森の中に突如として現れる「間」。それは手すりも壁もない板の間が、樹々の中の空間を切り取って出現した世界。登ってみてそこに佇めば、きっと非日常の感覚との出会いがあることでしょう』と記されている。

「非日常の感覚との出会い」というフレーズはグッとくる。私がツリーハウスに求めるのは、正にそんなワクワク感なのである。

ツリーハウスが点在する山の傾斜上側から遠景を撮影。こういう角度で撮影すると、部材と部材の隙間効果は抜群で、後方が透けて見える。そして支柱となる右側の広葉樹がツリーハウスの上部に突き抜けているため、まるで「空中浮遊」しているかのような雰囲気を醸し出すのだ。

それにしても、この『間』、かなりの体積を有しているのだが、遠目に見ると重量感を感じさせない。UFO(或いは、未来人のタイムマシン)が、静かな森の中に忽然と現れたような「浮遊感」と「透明感」を有しており、何とも言えない「不思議な存在感」を醸し出しているのだ。

さらに近付いて撮影。遠くから見るよりも厚みが感じられる。中に入ってみたいのだが、残念ながら受付で「見学・鑑賞のみ可。ツリーハウス内部に入るのは不可。」と念を押されている…

今回は緑濃きタイミングでの訪問となったが、新緑、紅葉、そして雪景色の中では、まったく異なった雰囲気が味わえるように思う。

下方から見上げた『間』の底部。ピラミッドの上部を切断して逆さまに樹に差し込んだような構造である事が確認できる。この写真で右側の支柱(針葉樹かな?)は、上部に突き抜けていないので、おそらく支柱としての役割がメインなのだろう…

支柱の構造が外部からは見えないために、どのように荷重を支えているかは不明であるが、ツリーハウス筐体については、比較的シンプルな構造のように思える。すき「間」が多いという事は、重量の軽減にも繋がるし、対風設計上も有利なはずだ。

上の写真の右側支柱と底部の接合部分の写真。内部でどのように『間』の荷重を支えているのか、その構造を是非知りたいのだが、残念ながら外からではよくわからなかった。

こんな感じで「サイコロ状」のツリーハウスを作って、サイコロの目の部分を窓のようにくり抜いたり、厚いアクリル板を嵌め込むなんてのは十分にありかな? と、そんな事を考えつつ、次なるツリーハウスに歩を進めた。

『樹の家への途(みち)』新路線で再スタート!

「楽しいか?」と問われれば自信を持って「超楽しい」日々を送っていると答えられるのだが、一方で、ウンザリする程慌ただしい日常であるのも確かだ。

昨晩は中央道の渋滞を避けるために午後10時に八ヶ岳オフィスを発ち、12時ちょっと前に川崎自宅に戻った。何なんだ!? この蒸し暑さは… 今日も朝から仕事かよ…

最近、反省している事がある。もう75本以上も配信した【縄文土偶探訪記】を暇な時に、サラッと見返した。趣味の情報配信なのに、あまりにも忙(せわ)しない内容だ。

全国講演や旅行の隙間時間を有効的に使って博物館巡りをしているので仕方ないのだが、博物館への到着時間や滞在時間に入館料等、やたらと数字が並んでいる。最初に博物館の外観写真を配するなど、見る人が見れば掲載写真にも一定のルールがある事がわかるだろう。

何事もマニュアル化して、システマティックに処理する癖が身に付いているので、それがコンテンツに滲み出ている。実は、博物館の目玉的な存在の土偶さんを撮影する際には「どの角度から何カット撮影するか」等々、より細かいルール(しきたり)が定めてある。「これじゃあ趣味の風情がないよなぁ~」 まあ『求道者』とはそういうものか…

でも、趣味の情報配信は、時間を気にせずにまったりとした雰囲気で、One day in summer…なんて出だしで綴り始めるのがお洒落だよな。と言うわけで、新コンテンツ「樹の家への途(風と樹の家より改題)」は、配信わずか3本目にして、まったり路線で行く事に決めた(改めた)。

講演の合間に全国各地のツリーハウスを訪ねるなどという「無粋」な事はしないと心に誓った。ツリーハウスを見学・鑑賞する際には、時間を気にせずに済むようなスケジュールを組もう!

さらに、日付や時間等々、定量的データの記載は極力排除。写真撮影も【縄文土偶探訪記】の携帯性重視のコンデジから、デジタル一眼に変更し、色々な交換レンズを使うぞ。「高過庵」や「空飛ぶ泥舟」のように、1回で2軒のツリーハウスを紹介するのはやめて、1軒1軒じっくりと味わいながら丁寧に紹介しよう。

さあ「樹の家への途」は仕切り直し、『TRI稿房通信』唯一のまったり癒やし系コンテンツとして再スタートだ。
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夏のある日、私は三男と一緒に八ヶ岳西南麓を中心としたドライブを楽しんだ。社会人2年目を迎えた三男は夏休みで八ヶ岳本宅に滞在中。リフレッシュのための温泉巡りと八ヶ岳周辺の食材を味わう旅を私がアレンジしたのである。

そして、メイン企画として「安藤百福センター」『小諸ツリーハウス プロジェクト(http://momofukucenter.jp/treehouse/)』見学を組み込んだ。

安藤百福センターの建物そのものが、隈研吾氏設計による正に「アート」であり、周囲の自然環境に見事に溶け込んでいる。様々な角度から眺めて、その造形美を堪能できるのだ!

隈研吾氏設計による「安藤百福センター」。内装・外装に共に自然木をふんだんに使用し、周囲の自然環境と見事に調和している。

駐車場裏手のツリーハウスが点在する小山から撮影した「安藤百福センター」。センターは、インスタントラーメンの発明者である安藤百福(1910〜2007)氏の生誕100年を記念し、“子どもたちに自然体験活動を教える指導者”を育てる「上級指導者」の養成と、指導カリキュラムの研究・開発を目的として設立された。

様々なアーティストが作ったツリーハウスは、センター駐車場裏手の山の中に点在している。センターの受付で、住所氏名を記入して、簡単なアンケートに記入すると、ツリーハウスの所在地を記したマップがもらえる。1、2、3...全部で7軒(戸かな?)。

受付で、住所氏名やアンケート記入後にもらえるツリーハウスのマップ。ツリーハウスは全部で7軒。『樹の家への途』の新コンセプトに従って、まったり&ゆったりと見学・鑑賞する事にした!

さあ、ツリーハウス鑑賞の開始である!

樹の家への途 -『空飛ぶ泥舟』と『高過庵』(長野県茅野市)

7月14日昼過ぎにバリ島から川崎自宅に戻ったその日の内に八ヶ岳オフィスに出社したのは、翌15日(土)に長野で何件か所用があったためだ。勿論、最重要案件は、平原綾香サマの「縄文アートプロジェクト2017」のライブチケットを入手する事だ。茅野市民館内「友の会事務局」で午後1時からの販売開始に余裕で間に合うように、朝から綿密な行動計画を組んだ。

午前10時から長坂での所用を済ませ、そのまま中央道で長坂ICから諏訪ICへ移動。諏訪ICを11時から11時15分の間に降りて、茅野市民館に遅くとも12時半には着く。この間の空き時間をいかに有効活用すべきか? 答はすぐに出た。「そうだ、アートプロジェクトのリーフレットに載っていたツリー・ハウスを見に行こう!」

所在地を地図で調べたら、諏訪ICから自動車で5分程の場所である事が判明。「神長官守矢史料館」の裏手である。3連休のためか諏訪ICを降りた後の道が渋滞しており、結局、史料館着は11時40分になってしまった。ツリー・ハウス鑑賞の前に史料館を見学し、そこで、史料館建物の基本設計者は藤森照信先生である事を知った(ツリーハウスと同じである)。

資料館裏手の山を数分歩くと、まずは『空飛ぶ泥舟』が視野に入ってきた。さらに進むと、その奥には『高過庵』が垣間見える。【縄文土偶探訪記】とは違い、まだツリー・ハウスとの出会いとその感動をどう表現してよいのかわからない。初回なので、とりあえず写真だけを掲載し、徐々にコンテンツとしての完成度を高めていこうと思う。

こちらが『空飛ぶ泥舟』。樹上ではなく、柱からワイヤーで吊されているので、厳密には「ツリー・ハウス」とは言えないような気もするが… しかしまあ、遊び心を刺激する斬新なデザインである。

別の角度から見上げた『空飛ぶ泥舟』。ああ、吊り橋のような構造でバランスとっているんだ。でも思ったより、柱(吊り橋では橋脚に相当)の幅が狭いな。強度や安全性の確保が難しそうだな…プロの建築家の設計だからこそ可能な作品だよな。

下から見上げた『空飛ぶ泥舟』。材質は上部は木、下部は泥で覆われているようだ。この時点でようやく「泥舟」は「沈みやすい(不安定な)舟」という意味ではなく、材質を示しているのだなと気が付いた。

『高過庵』は『空飛ぶ泥舟』よりも高い場所にある。距離的にはそう離れていないのだが、直行する道がないため遠回りして歩いて行く事になる。全景が見えてきた。1本の木を支柱とする正に「ツリー・ハウス」である。

『高過庵』を見上げて撮影。家そのものを支える木の幹と枝は、私が予想していたよりもはるかに細く、ちょっと驚いた。庵の材質は『空飛ぶ泥舟』と同じであるらしい事が近付いてみてわかった。

『高過庵』よりもさらに一段高い場所から撮影した写真。改めて見ると「お洒落な家」だ。「中に入ってみたいな…」そう思ったのだが、梯子らしきものは設置されておらず、普段は見学オンリーのようだ。

見学を終えて駐車場に戻る途中、後を振り返ったみたら、2ショットが可能なスポットがある事を発見。早速、記念撮影。やはりプロの建築家が設計しただけあって、風景にも見事に溶け込む造形である。

滞在時間は約35分。12時15分に史料館駐車場を後にした。こうして、私の初めての「ツリー・ハウスへの旅路」は無事に終了

茅野市市民館の駐車場に着いたのは12時半ちょっと前。チケットの先行販売は1時開始なので、友の会の事務局の様子を見に行く事にした。「えっ、30分も前なのに行列が出来ているぞ!」最後尾の方に確認すると、綾香サマのチケット販売の行列待ちだという。慌てて私も並ぶ。数えてみたら18番目だった。その後もどんどん行列は伸びて行く。

私は嫌いなものが多いが、その中でも人間行動が引き起こす現象として嫌悪する「3大忌避項目」がある。『(自動車の)渋滞』『人混み』そして『行列待ち』である。何かを並んで待つなんて行為は、私の行動原理に反するのだが、綾香サマのコンサートチケット入手となれば話は別である。行列待ちの人達のイライラ感を言葉と態度で高め、暴動を誘発するといった類の反社会的行為は、この日は慎む事とした。

結局、家内と2人分、ほぼ希望要件を満たすシートをゲット。10月22日(日)17:30開演のライブ・コンサートが今から待ち遠しい!それまでに、何体の土偶さんに対面し、ツリー・ハウスを何軒見学出来るだろうか?

トリグラフ・リサーチ 稿房主【樹の家への途】

新コンテンツ【樹の家への途】スタート!

昨日は八ヶ岳オフィスにしては珍しく、1日愚図ついた天気だった。今日は朝から雨も上がり、オフィス周辺は柔らかな陽がさしている。朝から庭を散策。空を見上げて決めた。そうだ、今日から、「稿房通信」の新コンテンツ【樹の家への途】を正式にスタートさせよう!

新コンテンツの根幹は文字通り「樹の家(ツリーハウス)」である。既に、トリグラフ・リサーチの次期DIYプロジェクトとして、正式決定はしているのだが、着工時期は「未定」。業務多忙で時間がないし、「ツリーハウス作り」の基本的知識や技能の蓄積もない。

今後3~4年は、ジックリと、①全国のツリーハウスの実物を見て回る ②その間に、DIYのためのスキルを磨く事 に専念しようと思う。あせらずとも、既にツリーハウスの建設予定地は確保済みである。本宅メインウッドデッキ、オフィスウッドデッキから共に見下ろす事が出来る約100坪の三角地だ。

本宅メインウッドデッキのロッキングチェアから撮影した「ツリーハウス建設予定地」。縁台スペースの奥の一段低い「三角地」スペースであり、かつては、鬱蒼とした手入れの行き届いていない財産区林といった風情であった。

八ヶ岳の敷地の西側に位置し、元々は、松や広葉樹が密生しており、一見すると「手入れのされていない財産区林」といった感じのスペースであった。そこを思い切って大量に木を伐採し、下草を整理し、数年かけて、ツリーハウス向けの土地に仕立て上げてきたのである。

こちらはオフィスウッドデッキから見下ろした「ツリーハウス建設予定地」。写真中央の一段低いスペースだ。樹木の本数は半分以下に伐採。下草等(というか雑木)を根気強く伐採し、ツリーハウス向けの敷地へと仕立て上げた。

そもそも、八ヶ岳オフィスの敷地約600坪は、本宅敷地の300坪を購入した後に、まずは、主に庭(の拡張)となる200坪、次にこの三角地の大半をなす100坪と、2回に分けて追加購入し、現在の姿となっている。最後の100坪の購入は「ツリーハウス」のためと言っても過言ではない。

ツリーハウス建設予定の樹間中央に立って、空を見上げた。周辺の樹木がドームのような雰囲気を形成する中、樹間から青空を垣間見る事が出来る。私は、こういうスペースが欲しいのだ!

建設予定地の樹間から空を見上げたビュー。ツリーハウスでなければこういう雰囲気は楽しめないはずだ。

周辺には、敷地内のこのエリアのシンボルツリーとするために、既に紅葉の美しい「シュガーメイプル」「ニセアカシア」も植えてある。実際は、こんな具合に「ツリーハウス・プロジェクト」は既に動き出しているのである。

新しい事を始める際には「まずは『本』から入って、徹底的に事前リサーチする」というのが、私の嗜みである。これまでツリーハウス関連で精読(精見かな?)した書籍は7冊。どれも素晴らしい造形のツリーハウスの写真が盛り沢山で、憧れは募る一方だ。この中から、着工までに何棟位を見て回る事が出来るだろうか…

ツリーハウス関連の書籍。本当に素晴らしい造形のツリーハウスが沢山掲載されている。国内で見学可能な先は訪れてみたいと思う!

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【樹の家への途】

Great synchronicity 増幅—ツリーハウスまで加わった…

東京でのプレゼンを中心とした仕事が続いており、ちょっと疲れ気味だ。7月は逆に、地方&海外でほとんど予定が埋まっている。嫌になる程、多忙である。

To Doリストに従って、締め切りのある仕事や優先順位の高い案件を着実に捌いてきた。だが、『八ヶ岳JOMONライフフェスティバルの平原綾香さまコンサートチケットの確保』という超重要案件がリストのトップに急遽加わった。

そこで、昨晩は帰宅後にチケット早期入手の最善の方法は何かをリサーチした。その結果「茅野市民館 友の会」なるものに、まずは入会する事が近道であるらしい事がわかったのだ。次回、八ヶ岳オフィス出社時に早速対応する事に決めたのは言うまでもない。

こういう時の私は「伊達と酔狂」のアッテンボローではなく、「疾風ウォルフ」に変貌する(こういうネタは、知性と教養が備わっている一部の読者にだけ伝わればよい。中国地区某行の頭取さんはわかっていただけるだろう…)。

「友の会」の情報に辿り着くまでのプロセスで、「縄文アートプロジェクト2017」のWebをあちらこちらクリックした。リーフレットを何気なく眺める… ん? 異様に好奇心がそそられる表紙だ。これはもしかしてツリーハウスの一種か???

縄文アートプロジェクト2017のリーフレット表紙(http://www.chinoshiminkan.jp/jomon/)。中央に浮かぶ小型箱船のような構造物を見て、背筋に電流が走った。「こっ、これはもしかしてツリーハウスか?」

さらに関係ありそうなページをクリックする。ビンゴだ! リーフレットに描かれていたのは「空飛ぶ泥船」、さらにもうひとつ「高過庵」という建物(正にツリーハウス)のある事が判明。共に茅野市出身の建築史家・建築家「藤森照信(東京大学名誉教授)」先生の作品である。

さらに「縄文アートプロジェクト」の関連ページをクリックすると「藤森照信」先生のワークショップ案内ページに辿り着いた(http://www.chinoshiminkan.jp/jomon/hikusugian/)。手前のリーフレットの宙吊り建物は「空飛ぶ泥舟」、後方のツリーハウスは「高過庵」である事が判明。アバンギャルドなネーミングにも感動した。

藤森先生は、今回の縄文アートプロジェクトでは、竪穴式茶室「低過庵」の制作にワークショップ方式で取り組むとの事。「ワークショップに参加したい。でも講演のスケジュールがギッシリ埋まっている。全部参加するなんて到底無理だ。さすがにタイミングが悪すぎる。だが、スケジュール調整すれば何とかなるかもしれない…」苦悩と葛藤の波が押し寄せた。

昨年9月のオフィスウッドデッキ工事完工後(http://triglav-research.com/?page_id=18197)、すぐに次なる「ツリーハウス・プロジェクト」に向けて研究を開始。既に、ツリーハウス関連の書籍を5~6冊読み終えている。縄文土偶の探訪に加え、全国各地の有名ツリーハウスも、将来のセルフビルドのために見学して回ろうかなと考えていた矢先の「空飛ぶ泥舟」&「高過庵」との衝撃的出会いである。

「八ヶ岳JOMONライフフェスティバル」に「平原綾香さまのライブ公演」が重なっただけでも驚きだったのに、これにさらに「ツリーハウス」まで加わってしまった。どうやら既に「Great synchronicity」の増幅が始まっているようだ。

これは「もうそろそろ銀行関連の仕事を卒業して、趣味(の仕事?)に専念しなさい」という啓示にも思えてきた。とりあえずは、7月から『稿房通信』のコンテンツを見直す事から始めよう!

トリグラフ・リサーチ 稿房主
【鳥と樹の家】