「欧州役員慰安&視察旅行 2025」6日目—トレド周遊と「ゲルニカ」鑑賞の日

「もし1日しかスペインに滞在できないのなら迷わずトレドへ行け!」という言葉を耳にしたのは、某旅系YouTuberの世界遺産の都市「トレド」紹介動画であったように思う。

今回の旅行でのスペイン滞在日数は移動日も含めて8日とタップリあった。

私がスペインを訪れるのは今回で4回目だったと思うが、これまでの3回はすべてビジネス出張で、観光での滞在は、今回が初めて。

旅行計画の当初から、当然ながら「トレド周遊」はメイン目的のひとつとして組み込み済みである。
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今回の旅行では、「ヨーロッパ高速鉄道の旅」も楽しむ予定であり、マドリードからトレドへの往復はスペイン国鉄「Renfe」の高速列車「AVE」の予約が入れてあった。

6日目となるこの日は、往路:アトーチャ駅発 午前8時15分 トレド着 8時49分、復路:トレド発 午後3時25分 アトーチャ駅着 3時59分の短めの高速鉄道の旅をベースに予定が組んであった。

早朝のアトーチャ駅はまだ閑散としていた。スペインの人は朝は遅くスタートするようだ。これが「朝イチ時間予約」戦術の有効性を高めてくれた。

RenfeのAVEの運行時間の正確さは有名で、この日も往路・復路共に時間ピッタリの発着だった。

今回の旅では、高速列車移動の旅を企画。トレドの往復はMax時速310kmのRenfe AVEに乗車。日本で言えば新幹線である。

3月下旬の関西出張では、新幹線の車両故障・遅延でひどい目にあったばかりなので、Renfeの運行の正確さがより際立った。

ちなみに、今回の旅行では至るところで「日本の国力低下」を実感する事になる。
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まだ薄暗かったアトーチャ駅を出発し、定刻通りにトレド着。

Renfe AVEの車輌。日本に新幹線よりも「芋虫」ぽくて可愛かった。Renfeの運行時間の正確さは折り紙付きなのだそうだ。

トレド駅のお洒落な外観にまずは(°0°)。

まるで美術館のような「トレド駅舎」。AVEを降りて、駅の外に出てこの光景を目にした際にトレドの街の美しさが想像できた。

その後、歩いてトレド旧市街へと向かった。

有名なアルカンタラ橋が見えてくる辺りまで歩いた後は、トレドの美しい街並みに感動の連続。

トレド駅から緩やかな上り坂を歩いて行くと右手にトレドの旧市街地が見えてきた。ここからはトレドの街の美しさに感動の連続だった。
アルカンタラ橋の近くまで歩いてくると、目の前に一際大きなアルカサルの建物が見えてきた。
テージョ川の上にかかる有名な「アルカンタラ橋」を渡ってトレド旧市街地へと向かった。

これだけ美しいと、街の歴史がどうのこうのなんて蘊蓄はまったくの不要だな…

今回の旅行で感じたのは「事前準備の知識よりも、シンプルに見て接した時の感動が何よりも大切」という事だ。

その感動を補うための「記録」が十分であれば、あとは「記憶」への昇華作業の過程で、「知識」は事後的にインプットできる。

トレド旧市街は街歩きに最適な街だった。車が少なく、街全体が「歩行者の天国」って感じだったな。
トレド旧市街地の中心部「コソドベール広場」。観光トロッコ「ソコトレン」のチケットはここで購入。

事前の知識詰め込み型で慌ただしかった【縄文土偶探訪記】への反省をベースに、良い方向に路線修正出来たように思う。
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トレド周遊は、街歩きが中心で、訪れた観光施設は「トレド大聖堂」と広大な「軍事博物館」のみ。

トレド大聖堂外観。
トレド大聖堂内部。
しかしまあ、今回の旅で訪れた大聖堂(カテドラル)の彫刻って、どこも素晴らしかったな…
広大な軍事博物館は「アルカサル(かつての宮殿・要塞)」の中にあり、エントランスはここだった。
軍事博物館内部には実際の要塞跡が残されている。
軍事博物館の展示品数は膨大だった。私が気に入ったのは西洋の鎧のコレクションと軍隊のミニチュア模型だった。
こんな重そうな鎧をまとって、西洋の騎士は本当に闘えたのだろうか?
こちらが軍隊のミニチュア模型。この他にもものすごい数の展示作品があり、正に圧倒された。

市街地を一通り歩いた後で、観光トロッコ(ソコトレン)に乗車して、約45分で旧市街を外から1周して見学。

ああっ、トレドはその街中を歩いても、外から眺めても本当に美しいな…

ソコトレンは、周遊中、旧市街地の撮影スポットで1回だけ停車する。旧市街地を一望する上で最高の撮影ポイントだ。
こちらがソコトレンが停車した撮影スポットの別アングル写真。アルカサルの建物の壮大さが確認できる。
トレドの旧市街地を守るのは、U字型に蛇行するテージョ川。トレドは天然の要塞都市なのだ。
ソコトレンで旧市街を1周、外から回ると、街歩きでは撮影できないような光景に出会うことが出来た。

その後、旧市街地に再び戻ってランチ。

午後2時半頃までには、トレド観光も色々な意味で「満腹状態」となった。

「トレド観光は6時間もあれば十分」とプランを組んだ社主さまの判断は、今回も正しかった。
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実は、この日の夜にはもうひとつ重要な予定が組んであった。

それは、ソフィア王妃芸術センターでピカソの「ゲルニカ」を鑑賞する事だ。

私は、特に「絵画鑑賞」に興味はないのだが、さすがにあの有名な「ゲルニカ」だけは、今回の旅で実際に見て、そして記録に残しておきたかった。

当初は、翌6日に有料で「朝イチ入場予約」する予定だったのだが、前日の「プラド美術館無料入館」の成功体験をダメもとで、もう一度チャレンジしてみることにしたのだ。

この日は土曜日だったので、午後7時~9時が無料入館時間。

午後4時にトレドから戻って、ちょっとホテルで休んだ後に午後6時前からマドリードの街歩きを再開。

そして、7時20分頃にソフィア王妃芸術センターの入館受付に向かった。

ソフォア王妃美術館はエントランスがいくつかあるらしい。写真とは別のエントランスに誘導されて、待ち行列無しに無料入館できた🍀

すると、すぐに別の入館口に案内された。

結果はね… 見事に「二匹目のドジョウ」がいたのである。

行列待ちなどほとんど無く、約1時間半、ソフィア王妃芸術センターの様々な美術品コレクションを鑑賞する事が出来たのである。
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プラド美術館との大きな違いは「写真撮影が可能」である事。

ピカソの「ゲルニカ」については、かつて30年間程は写真撮影が禁止だったそうなのだが、2023年9月からは、写真撮影を解禁。

すぐ目の前で、あの大迫力な絵画(壁画)をじっくりと鑑賞し、様々なアングルから写真撮影することが出来た。

今回の旅で、私が唯一、どうしても鑑賞したかった絵画(壁画)がピカソの代表作、スペイン内戦をテーマとした「ゲルニカ」であった。こんな間近で写真撮影できるなんて☺だね!
ピカソのゲルニカって、349.3cm×776.6cmの巨大なサイズ。どの角度から見ても凄い迫力だった。
ソフィア王妃芸術センターは中庭もとってもお洒落だった。

これが無料で体験できるなんて「ソフィア王妃芸術センター」って太っ腹だなと感動してしまった。
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こうして、今回の旅行の6日目は、朝から晩まで「感動に終始した1日」となった。

午後9時過ぎにホテルに戻って、この日の歩数を確認すると、なんと26,214歩 (°0°)

社主さまは3万歩を超えていた。

「街歩きの旅」は楽しいので、無意識の内にかなり歩くものなんだね!

— One Life, Live It !