前勤務先の投資銀行で最後の仕事を終えたのは2012年の8月下旬だった。
正確な日付はすぐには頭に浮かばないのだが、地域銀行証券子会社の経営トップ向け講演会で、場所は六本木ヒルズのセミナールームであった事だけは覚えている。
その翌日からは3ヵ月超の有給休暇消化期間(Gardening Leave)に入ったのだが、丸1日だけ休んで、すぐに我が社の会社設立準備に取り掛かった。
と言う事は「基本週5日の東京への通勤」という「苦行」から開放されて、もう10年以上が経過した事になる。
「普通の会社員生活」から卒業して10年以上と言い換えるべきかな?
現在の八ヶ岳オフィスへの通勤は月1~2回程度(平均すると約1.5回)である。
今年から、自宅と八ヶ岳の滞在期間は「半々」にすると決めて、それぞれの滞在期間を連続で3週間前後としている。
自宅からオフィスまでのD4での通勤時間は、ノンストップで平均1時間50分(110分)なので往復で220分。
月1.5回とすると330分で、1ヵ月に要する通勤時間はわずか5時間30分程度だ。
1ヵ月の時間(30日で43,200分)の0.8%弱なので、私の日常生活においては「些細な時間」である。
しかも移動は、デイーラーのセールス諸氏が悉く口にした「乗っていて本当に疲れない車」の D4だ。
Harman Kardonの車載音響システムが奏でる私好みの音楽に包まれての通勤は、むしろ「快楽」に近い。
もう「普通の会社員生活」には戻れないな…
そんな私が、唯一、会社員生活を懐かしく思う時がある。
時々、無性に喫茶店やファミレスで「モーニング」を食べたくなるのである。
会社員時代は、朝の中途半端な時間にわざと「取材アポ」を入れて、意図的に30分程の隙間時間を作る事がよくあった。
その時間を使って、お気に入りの喫茶店等でモーニングを味わうのだ。
個人的には、これが「些細な喜び」であった。
モーニングのシンプルで素っ気ない構成が、食にこだわりのない私に合っていた。
無駄な時間をチンタラと要さないのも好きだった。
ここ数年、八ヶ岳でも自宅でも、朝食は「珈琲にヨーグルト、マヌカハニーにフルーツちょこっと、そして自家製黒ニンニク1片」と決めている。
だが、何故かいきなり「モーニング」が恋しくなる事がある。
今朝も正にそんな感じだった。
午前6時過ぎに、社主さまに「今日はどこかでモーニングしようか。 7時から開いているお店ある?」と尋ねた。
すると「1番近くのデニーズなら大丈夫よ。」との答えが返ってきた。
自宅から歩いて5~6分の場所にあるデニーズだった。
我が家がこの地に引っ越してきた時には、既にあったので、もう27年以上は営業している「老舗デニーズ」である。
今朝の朝食は「デニーズ・モーニング」に決まった。
小雨がパラついていたので「ギアちゃん」でデニーズに向かった。
すぐに「The 定番」とも言えそうなモーニングメニューを選んで、そして食べた。
味がどうだの、ボリュームがどうのこうの語る余地のない清々しさが私は好きだ。
最近は「ブランチメニュー」ってあるんだな。知らなかったぞ…
今朝は社主さまが一緒だったので、さすがに滞在時間30分という事はなかったが、それでも50分程で朝食を終えた。
ズラッと並んだキャッシュレス決済方法を見て何を使おうか考えていたら、隣で社主さまが「私が Go To Eat かながわで払うわ。」と言って支払いを済ませた。
そうなんだよな。Go To Eat 以外にも「川崎じもと応援券」や「かながわ Pay」が飲食店で使えるので、安易に Edy や PayPayで支払うと勿体ないのだ。
こんな感じに、様々な局面で「With コロナ時代」になって日常生活が変わった事を実感する。
8時前に自宅に戻って庭に出た。
6月下旬に咲き始めたブッドレアは、満開とは言えないまでも、まだ沢山の花を咲かせていた。
本当に息の長い開花期だな。
八ヶ岳でも新百合ヶ丘でも、ブッドレアは「夏の庭の女王」である。
八ヶ岳で「お外モーニング」の場となるオフィスウッドデッキのライブカメラ映像をチェック。
今日の八ヶ岳は薄曇りのようだ。
今朝はファミレスモーニングで、ちょこっとだけ「普通の会社員生活」を懐かしんでしまったな…
さあ、これからオンラインでのミーティングや講演の予定がギッシリだ!
by『八ヶ岳稿房主』