昨日、デニーズ・モーニングを終えて自宅に戻り1時間程すると、自宅周辺がガンガン、トントンといった音でかなり騒がしくなった。
外を見ると、道を挟んでお向かいさんのお宅で7~8人の職人さんが何か作業を始めていた。
数日前に足場を組んでいたので外壁塗装かなと思っていたのだが、ガラス越しに作業を見ていると屋根の補修(或いは貼り替え)工事のようだった。
八ヶ岳オフィスのログハウス・セルフビルドの経験から、どの程度の手間の工事であるかは想像がついた。
マズいな… 自宅周辺は、かなり五月蠅くなりそうだぞ。
昨日は、午後3時半から通常のオンライン講演やミーティングよりも「重要な講演」の予定が組まれていた。
かつての勤務先であった投資銀行のひとつの依頼による、全国の金融機関向けの90分間Web講演とその収録である。
通常、このタイプの講演は「八ヶ岳オフィス」で対応するのだが、北海道役員慰安旅行の前に東京での予定が重なったため「自宅対応」としたのだ。
もっとも「オンライン業務」対応設備の充実度的には、自宅は今年実施したBPRの結果「八ヶ岳オフィス」とほぼ互角。
息子達が独立して余った3部屋のうちのひとつをマシン・ウォーキングとオンラインミーティング専用部屋としてデスクトップPCを追加で1台設置した。
私の書斎の隣のかつて長男が使っていた部屋なので利便性は抜群。
最近は、書斎とこの部屋が自宅における私の「仕事スペース」となっていた。
だが最悪な事に、このオンラインミーティング部屋が最も「工事現場」に近かった。
どの程度の騒音レベルかデスクに座って確認してみると、イラつく程に大きな音が不規則に聞こえてくる。
試しに、オンラインミーティング用に使っているWebカメラのマイクで録音してみると、ガンガンとかド~ンとかいうノイズがはっきりと記録されていた。
オイオイ、これ相当にヤバいぞ (>_<)
すぐにいくつかの対応策を考えた。
書斎の方のデスクトップPCで対応しようか? — 隣の部屋なので騒音の大きさは、ほとんど変わらないぞ…
マイクを指向性の高いものに変えるか、ネックバンドスピーカーを使おう! — 効果なしとも言えないが、有りとも言えないな… 不規則な騒音って本当にタチが悪いな。
Webカメラのマイクをノイズリダクション設定最強に変更したぞ — 確かにかなり効果はあるが、私の声が何となく、くぐもった感じになってしまう。こりゃ、駄目だな。
騒音が最も小さくなりそうな3階の天守閣部屋でノートPCで対応しよう! — しまった、スペック的にイマイチのVAIO ノートPCしか持ってきていないじゃないか。
すぐ近くの交番に近所で異臭がすると言って駆け込もうか? — 私も一時退去させられるな。
もう、麻生署に工事中の家に爆弾仕掛けたって匿名電話するしかないな! — 上に同じか…
正に「万事休す」状態に追い込まれた。
こうなったら、講演の冒頭に「お隣の家で急に工事が始まって、今日はお聞き苦しいかもしれませんがお許し下さい。」ってお詫びするしかないな。
でも、この講演は録画されて、2週間 Webアクセス可能になるんだよな。本当に参ったぞ。
仕方ないな。「ウケを狙う」しか方法がないぞ。
今日の講演は可愛らしい動物のアバターを使ってお詫びの姿勢を示そう!
パンダちゃん、それともキツネ君が良いかな? 背景はやっぱり八ヶ岳の庭かな??
そんな事を考えながら、我が家には困った時に頼りになる「社主さま(最強の嫁)」がいる事を思い出した。
早速、彼女に事情を説明した。
社主さまは「あら、それは困ったわね。」と言うと、オンラインミーティング対応の部屋にやってきて、いきなり雨戸を閉め始めた。
えっ、雨戸なんてあったっけ (°0°)
八ヶ岳の2棟のログハウスには、そんな無粋なモノは無いのだ。
「これで少しはマシになるでしょ!」と彼女は言った。
確かに騒音の大きさは3分の1程になった。凄いな…
その後、社主さまは外に出て行って、フェンスに掛けたプランターに水遣りをしていた。
やがて書斎にやって来て「安心して。若い職人さんに聞いたら、今日は3時頃に作業を終えるらしいわ。」
今度はさりげない「情報収集」だ。なんか「くノ一」みたいだな…
さらに「今日、Amazonとか何か荷物が届く予定はあるの?」と聞かれた。
「Amazonで届く物があるよ。」と答えた。
すると「ちゃんと置き配指定になっているか確認して。それから書斎と隣の部屋のドアフォンを念のためオフにするのを忘れないでね。」と指示された。
ああっ、確かにオンライン講演中にドアフォンで呼び出されたらマズいよな…
社主さまは、矢継ぎ早に的確な対応方法を私に指示すると、12時半過ぎにはテニスに出掛けて行った。
彼女が情報収集した通り、お隣の工事は3時前には終わり、Web講演の収録も無事に完了した。
私が準備した「キツネ君のお詫びアバター」は、結局、日の目を見る事はなかった。
しかしまあ、面倒事(リスク)に直面した時の人間の対応は見事に分かれるモノだと思う。
私はひたすら「小細工」に走る。これに対して我が家の社主さまは、いつも「豪腕」だ。
まあ、この対照的な組み合わせが良いのだろうな!
結局、私は役立たずなのだが…
ふと、講演のタイトルを思い出した。
『銀行経営 今後のリスクの徹底検証』か…
私の実態を知ったら、誰も真面目に聞かないだろうな (^_^;)
by『八ヶ岳稿房主』