Amazonが日本で Kindleサービスを開始したのは2012年の10月下旬、確か25日だったはずなので、もうすぐ10年になる。
アメリカ本国では2007年11月からだったかな?
我が社の設立が同じ年の11月1日で、翌年1月1日の開業に向けて準備に忙殺されていた時期なので、よく覚えている。
以降、プライベートでも会社でも、購入する書籍は「Kindle版最優先」として、極力「紙版」の購入は避けてきた。
サービススタート当時は、ビジネスで使う金融の専門書は、ほとんどKindle化されていなかったので、会社開業後も蔵書は増え続けたが、最近は専門書も結構 Kindle化されるようになってきた。
八ヶ岳オフィスの書棚は、ほぼ満杯状態をやり繰りしているので、本当にありがたいなと思う。
2013年末にセルフビルドしたオフィスが完工した際に、蔵書の「大移動」を行って、プライベート系の「紙版蔵書」は思い切って処分した。
元々、その数年前から「文庫本」の類の購入はストップして、蔵書の「選別作業」を行っていたのである。
現在は、特別に「思い入れのある本」以外は手元に残っていない。
八ヶ岳ライフのを始めた2000年前後に購入した「八ヶ岳」「田舎暮らし」或いは「デュアル・ライフ」系の本は、八ヶ岳本宅のホビールーム書棚にかなりの数が並んでいる。
数年前に処分を検討したのだが、ほとんどがKindle化されておらず、かつ「絶版」モノが多かったので処分を免れた。
自宅のビルトイン車庫のD4部屋の後部には、それ以外のプライベート系の紙の蔵書や敢えてハードコピー版も残した仕事関係の資料(大昔の取材ノート等)が眠っている。
「死蔵」されていると言うべきかな…
昨日、久し振り(1年ぶり位かな?)に、仕事関係の資料を取り出しに行った。
「整理整頓」は私の趣味のようなものなので、目的の資料はすぐに見つかった。
ついでだから、プライベート系の本も懐かしいのでチラ見した。
4人のエッセイストの本が並んだコーナーがあった。
「C・W・ニコル」氏、「野田知佑」氏、「田渕義雄」氏、それに「高田宏」氏である。
2000年に八ヶ岳ライフをスタートしてから数年で、森林を中心とした自然環境の大切さや自然環境保護に興味を抱くようになった。
「森林インストラクター試験」の勉強を始めた頃なので、2004~2005年の事だったと思う。
「自然系」「アウトドア系」のエッセイストとしては超一流の4人で、投資銀行でアナリストレポートばかり書いていた私には、エッセイの書き方を学ぶ上で「最高の講師陣」であった。
ニコルさんが、一昨年の4月に79歳の若さでお亡くなりになった時は衝撃を受けた。
NHKが2020年8月に放送した「アファンの森よ永遠に ~C.W.ニコルからのメッセージ~」はオフィスのテレビで録画して、誤って消去しないようにプロテクトをかけてある。
野田さんも、今年の3月に84歳でお亡くなりになった。
BE-PALは、今年の9月号で野田さんの「追悼特集」を組んだ。
2022年9月号も自宅に持ち帰って、この書棚に保存する事に決めた。
ふと思った。田渕さんと高田さんはご存命だよな?
すぐにネットで検索を掛けた。
すると、田渕さんは2020年1月に、髙田さんは2015年11月にお亡くなりになっていた事を知った。
それぞれ、享年75歳、83歳であった。
ああっ、まったく、知らなかった…
時々、私自身の「淡泊(ドライ)な性格」を実感する事がある。
どんなに感心を持った領域でも、ある程度の知見を得る事が出来たら、その後は清々しい程にあっと言う間に興味が引いてしまうのだ。
4人の自然派エッセイストに嵌まった時期も1~2年程度であった。
森林インストラクター試験に合格した時点で、すぐに熱が冷めてしまった事を記憶している。
それにしても、「地球」は、これからの時代に「本当に必要な人達」をここ数年で次々と召していったんだなと思う。
改めて4人の素晴らしき先達のご冥福をお祈りした。
あのお洒落なエッセイが新たに読めなくなったのは、本当に残念な事だ。
幸い、4氏の著書はすべてではないものの、主要な作品は Kindle化されていた。
久し振りに読み返す事にしようかな…
昨日は、私にしては珍しくちょっと感傷的になった1日だった…
by『八ヶ岳稿房主』