今日は今回の八ヶ岳滞在期間の18日目にして「撤収日」。
我ながら、本当によく仕事をしたな…
八ヶ岳オフィスの快適で効率的な仕事環境がなければ、実現出来ないようなパフォーマンスだったと思う。
いつもであれば朝の8時半過ぎに、ゴミステーションの開場時間に合わせての帰宅となるのだが、私は午前10時からオンライン講演の予定が入っていた。
社主さまは、午前中は小淵沢でテニスの約束があるとの事。
そんなわけで、八ヶ岳を発つのは正午過ぎと決めた。
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サマータイム期間中の私は、いつものように5時前に起床し、早朝のルーティンをこなした。
通常であれば6時から業務開始なのだが、今日は撤収日である。
溺愛するホスタさん達の鹿除け対策を最優先する必要があった。
まずは、防虫や殺菌のために木酢液の希釈液をスプレー容器でシュ~
この時に、約30種類あるホスタさん1株1株に優しく声掛けするのがポイントなのだ。
そして、その後は、トリグラフ護衛隊群が誇る鹿の食害対策のスーパーウェポン《結界チップ 殲・改》をホスタさん達の周辺に追加散布した。
昨年は、対鹿軍団防衛戦の唯一の汚点である「グアカモーレの悲劇(https://triglav-research.com/?p=46052)」があったが、今年はこれまでの所、食害皆無。
一昨年同様、完封勝利を目指しているのである。
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八ヶ岳ライフも25年目となると、敷地内の植物や生物の気持ちが手に取るようにわかる。
と言うか、彼らの心の声が聞こえてくる。
ホスタさん達は「ご領主様、いつも鹿達から私達を守ってくれて本当にありがとう。早く帰ってきてね!」と私に囁く。
野鳥達の中で、私の評価は抜群に高い。
「ここのご主人は、ぱっと見は冷たそうで感じ悪いけど、真冬の私達が餌がなくてツラい時期に、毎年、ヒマワリの種をドッサリとプレゼントしてくれるの。私達の中では『八ヶ岳の聖人』と呼ばれているのよ!」なんて声が聞こえてくる。
「聖人」なんてのは、人間の間では子供の頃からずっとそう呼ばれてきたので何とも思わないが、野鳥さん達にもそう思われているのを知った時は、ちょっと嬉しかったな…
意外なのは、鹿軍団の評価も悪くない事だ。
「この家のおっさんは、敷地を柵で囲うなんて無粋な事はしないんだよね。芝生のスペースなんて、毎晩、おいら達の集会場所として自由に使わせてくれるんだ。ただ、ギボウシだけには近寄って欲しくないらしく、色々とわけのわからない仕掛けをしてきて、それがまた笑えるんだよね…」
「そう言えば、八ヶ岳界隈の鹿の中ではアイドル的存在の『すずか(https://triglav-research.com/?p=35543)』は、あのオッサンのファンらしいぞ。変人が好きなのかな?」と、こんな具合だ。
一方で、社主さまの評判はイマイチだ。
これは、私の信条である「善行は目立つように、派手に、声に出して行わなければ意味が無い」という路線を否定しているからだ。
彼女のスズメバチの間での評判は最悪である。
「あんたの嫁は鬼ね! 私達を皆殺しにする気なの….」という悲鳴が聞こえてきた。
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植物や生物たちとのこんな遣り取りを一通り終えた後、メインウッドデッキ上の「ブルーベリースペース」に移動した。
毎年、夏場以降はこのスペースで収穫したブルーベリーが、私の朝珈琲の際のヨーグルトのトッピングとなるのだ。
私が近付くと、1羽の小さな野鳥がブルーベリースペースから飛び出していった。
しっかりと「防鳥ネット」を張り巡らしてあるのに不思議だな?
こんな光景を目にするのは、今回の滞在中で3回目である。
それも、決まって財産区林側の同じ面から逃げ出すのだ。
これじゃあ、防鳥ネットの意味がないぞ!
改めて観察すると、いつも野鳥が逃げ出す面は、ネットがピンと張られていてたわみが無い。
それにネットが2重になっている部分がほとんど無い事に気が付いた。
どうやら小さなサイズの野鳥は、この隙間を通り抜ける事が出来るらしい。
チッ、余計な作業が増えたな…
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オフィスの地下室に行って、もう一回り目の細かいネットを運び出してきた。
オフィスで2枚カットして、すぐに野鳥が出入りする面に覆い被せた。
これで、ブルーベリーは安泰だね!
それにしても、ブルーベリーの番人である「ぶっき~ちゃん」は何をやってるんだい。
君の目の前で、野鳥が防鳥ネットを行き来していたんだよ!
そもそも野鳥達の恩人である「聖人さま」のブルーベリーに手を出そうなんて「恩を仇で返す」ような所業である。
私は呟いた。「天罰が下るよ!」