昨日のSARS-Cov-2の新規感染者数は、15道県で過去最高を更新か…
GW後の変異種の全国拡散は予想はしていたものの(https://triglav-research.com/?p=32281)、そのペースは思ったよりも早い。
インドでは、変異種のさらに変異型の感染拡大が始まりつつあるとの事なので、個人的にはもう変異種とは呼ばずに、先日のNHK特集で女性ウィルス学者が用いた『進化種』という言葉を使おうと決めた。
最近、都道府県別の新規感染者数のニュースを見て感じる事がいくつか有る。
第1は、東京都の数字は、どうも嘘臭い(少ない)なと思える事だ。
第2が、神奈川県、埼玉県、千葉県の3県は、よく持ちこたえていると評価すべきか、東京都と同じく嘘臭いと見るべきか、ちょっと迷う点だ。
そして第3が(これが一番重要なのだが)「山梨県は、頑張っているな。立派だぞ!」と誉めたくなる事だ。
長野県(厳密には諏訪地域)贔屓の私は、『八ヶ岳稿房』で「長野の好きな点」を書く事が多い。
だが、八ヶ岳オフィスと本宅は、小淵沢ICから車で10分程、長野県と山梨県の県境からは5分程の場所にある。
八ヶ岳滞在中の買い物や外食、温泉等での日常生活の移動エリアは、諏訪地域が約7割、北杜市界隈が約3割なので、山梨県は八ヶ岳ライフにおける「第2の活動拠点」と言える存在なのだ。
4月頃から、毎日の都道府県別新規感染者数の数字を眺めていると、山梨県の数字の「低位安定」が日に日に目立つようになってきた。
今ではすっかり有名になった『山梨モデル』。
確かに、八ヶ岳界隈での外食を自粛する前に訪れた飲食店では「やまなしグリーン・ゾーン認証制度」の浸透ぶりを実感した事が多い。
一晩印象深かったのは「わに塚の桜」の夜景を見に行った際に立ち寄った某ラーメン店だった。
カウンター席は1人ずつかなり高さのアクリル板で仕切られ、手指の消毒、体温の測定は当たり前だが、完全な食券自動販売形式で、お店の方と手が触れあう事すらなかった。
社主さまと「凄い徹底ぶりだね!」と感心した事を覚えている。
まあ、それ以外に訪れた飲食店も似たり寄ったりの高レベルのSARS-CoV-2対策なので、新規感染者数が低水準である事は十分に納得できる。
TV番組というのは本当に不思議なもので、マスコミ露出度だけを意識しているような無能な為政者(都道府県の首長)の発言ばかりを報道する。
もう「敗軍の将(成果も出さず運もない人達)」の顔を見るのはウンザリなので、山梨県など対COVID-19で実績をしっかりと残している首長の顔を見て、話を聞きたいと心底思う。
と、ここで、かつて『八ヶ岳稿房』で紹介した都道府県別の「1平方キロメートル当たり人口密度」と「人口10万人当たりのSARS-CoV-2累積感染者数」の相関分析図を久し振りに作成してみようと思った。
前回は1月7日基準(https://triglav-research.com/?p=29674)だったので、約4ヵ月ぶりのアップデートである。
2期間の比較が面白そうなので、上の2枚が1月7日時点、下の2枚(グリーンの背景)が5月8日時点とした。
決定係数はやや低下したものの、それでも0.8以上。相変わらず美しい正の相関だな。
個別銀行でこういう分析をやっても、ここまで美しい資料はなかなか作れないのだ。
あれっ? マズいな。山梨県の事を滅茶苦茶誉めたのに、ポジションは回帰線のかなり上じゃないか(このモデルだと、人口密度対比では累計感染者数がむしろ相対的に多いという事)。
そうか、気にしていなかったが、1月7日時点では、回帰線の上方乖離がとても大きかったんだな。まあ、この4ヶ月間でポジションが大幅に改善した点を高く評価する事としよう。
ああっ、長野県がわずかだが回帰線の上になっちゃったな。残念…
チェッ、静岡県と新潟県は相変わらず「優等生」か。同じ糸魚川-静岡構造線上に位置する県の中で、長野県が負けているのがちょっと悔しいな。
それにしても、近畿圏の感染状況の悪化が見事に浮かび上がるな。全府県が回帰線から大幅に上方乖離しているじゃないか(°0°)
それよりも何よりも、東京都と神奈川県の「優等生ぶり」に対する拭いようのない「違和感」は何だ?
人出の多さとか、コロナ慣れ(疲れ)してしまったような全体的な雰囲気。それに飲食店の対策も、どう見ても山梨や長野の方が厳格だと思える。
やっぱり「嘘臭い」感が拭えないんだよな~
と、感じる事は実に様々。「データはかく語りき」なのである!