2000年に新百合ヶ丘の自宅と八ヶ岳西麓富士見高原でのデュアル・ライフをスタートさせた頃に「ああっ、野菜って美味しいんだな…」と再認識したことを記憶している。
周辺は「高原野菜」の産地として名高い地域ばかりだったので、まあ、ごく当たり前の反応(気付き)だったと言えるだろう。
美味しいだけでなく、種類が豊富で値段も安いことを教えてくれたのは社主さま(家内)であった。
へ~、そうなんだ…
私は、料理はまったくしないし、自宅では彼女の生鮮食料品の買い物に付き合う事も稀なので、その辺りの感覚がまったく鈍かったのだ。
興味をちょっと抱いたので、八ヶ岳滞在中は、JA、たてしな自由農園、西友、つるや等の買い物には極力同行するようにして「種類豊富で安くて美味しい(=新鮮な)野菜」を観察するようになった。
私が名前を知らないような野菜を見つけて、それを購入して、さらに味わうのは、ちょっとした「八ヶ岳ライフの楽しみのひとつ」になった。
ここ数年で、すっかりお気に入りになった野菜が2つある。
ひとつは「アイスプラント」である。
あのぷちぷちした独特の食感と塩味は、見事な位に私の好みであり、社主さまには「スーパーで売ってたら、必ず買ってきてね!」と頼んである。
最近は、自宅近くのスーパーの野菜売り場にも並ぶようになったので、かつてのような希少性は薄れてきた。
嬉しいことに「身近な野菜」になってきたのである。
もうひとつが、現在、一番のお気に入りの野菜である「ロマネスコ」である。
「世界一美しい野菜」とも称されるようだが、私は初めて見た時に、何故か「キャプテンウルトラ」で小林稔侍さんが演じた「キケロのジョー」を思い浮かべてしまった。
正直、「美しい」というよりもちょっと「奇妙な野菜」という印象が強かったのである。
だが、茹でて、大好きな「ブロッコリー」と比較しながら初めて味わった時の衝撃は忘れられない。
ブロッコリーよりも強い歯ごたえ感と上品な甘味にすっかり嵌まってしまった。
ツルヤでお店の方に尋ねたら、蓼科、原村、佐久等に栽培している農園があるとの事だった。
以来、「アイスプラント」と「ロマネスコ」が、私にしては珍しく社主さまに「食べたいと催促する野菜」になっている。
前回の社主さま八ヶ岳滞在中は、毎日のように「ロマネスコ」が食卓に並んで、とっても幸せだったな…
もしかすると収穫の最盛期なのかもしれない。
社主さまは、八ヶ岳撤収日に富士見のJAで「ロマネスコ」を買ってきたので、昨日まではサラダで、あの食感と味を堪能した。
まだまだ食べ飽きなかったので「こっちのスーパーでもあったら買ってきてね!」と頼んだ。
だが、残念なことに、自宅周辺のスーパーでは売っていなかったらしい。
不思議なもので、食べることが出来ないとわかると、ますます思いが募るのである。
「ロマネスコ」が恋しくてか…
なんかちょっとお洒落だな。
by『八ヶ岳稿房主』