午前10時5分に八ヶ岳美術館を発ち、井戸尻考古館の駐車場に着いたのは10時25分。移動時間20分は事前計画通り。やはり分単位で予定を組んで、その通りに動くのは気分が爽快だ。
もっともこれは普段慣れ親しんだ八ヶ岳界隈だから可能なのである。全国の地域銀行を講演で訪問した際の「隙間時間」を利用して楽しんでいた【縄文土偶探訪記】(https://triglav-research.com/?page_id=20285)の頃は、結構、綱渡りみたいな感じだったな… 今となっては良い思い出だ。
私は、第2期山籠もり銀行決算分析期間においても「極力、人と会わない事」を生活の基本としている。三十三番土偶札所巡りでこれまでに巡礼した5つの考古博物館については、私の滞在中は「完全貸し切り(見学者は私1人)状態」だった。そのため、職員(学芸員)さんとのほんの短い遣り取りを除けば、この基本方針を見事に守る事が出来ていた。だから、気持ち良く巡礼できるのである!
D4を駐車して、すぐに考古館のエントランスに向かった。ここで受付表に記入中の方と初めて遭遇。服装はどう見ても「ご近所の方(おばさん)」としか言いようがない。おそらく久し振りの考古館開館日なのでふらっと立ち寄られたのだと思う。ソーシャルディスタンスをキープしつつ、この方の手続き完了を待った。
2分程して私の番になったので受付に向かった。ここでも検温後に、住所・氏名・電話番号を記入。300円の入館料を支払って、ご朱印帳の記入をお願いした。
「ありがとうございます。当館で記帳は初めてです。この付箋の部分に記帳すれば宜しいですか?」との質問をいただいたので、「番号も書いておきましたのでその通りにお願いします。」と返事をした。展示再開後の第1号入館者にはなれなかったが「巡礼&ご朱印 第1号」は、井戸尻でも達成できたのである\(^o^)/
これから先は「勝手知ったる井戸尻」である。当『八ヶ岳稿房』で、これまで最も頻繁に紹介してきた「我がパワースポット」なので細かい解説は省略。
札所指定を受けたのは、28番「始祖女神像」さまと29番「巳を戴く神子」さまという「国指定重要文化財(神子さまは遺跡出土物一体での指定)」の2体であり、これは正に「王道」の組み合わせである。
「神子さま」は、今日は羽根飾りを纏っていらっしゃるかな?と、 楽しみにしていたのだが、残念ながら今日は飾りは無しだった。
井戸尻考古館の凄さは、この2体の看板土偶さんに加え「井戸尻式」と称される縄文式土器のコレクションにある。日本全国の考古博物館を探訪した私が「日本一」と感じる程に圧倒的なのだ。
井戸尻については「考古館20分間・周辺の散策10分間・滞在時間計30分間」と事前に決めて、その通りに行動した。「井戸尻マスク」の購入と「睡蓮」の見学については、既に配信済みなので、これも省略(https://triglav-research.com/?p=27973)。
井戸尻を予定通りに10時55分に発ち、その後は「LAWSONの小淵沢インター店」に立ち寄って買い物。八ヶ岳オフィスに戻ったのは11時28分だった。こうして「3時間で八ヶ岳考古博物館3館巡礼」の旅は、誤差2分で無事に完了した。
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その日の午後5時20分、D4運転中に電話が掛かってきた。見慣れない番号がD4のディスプレイに表示されたが、とりあえずハンズフリーボタンをプッシュ。井戸尻考古館 小松館長さんからの予期せぬ電話であった。一瞬、私の前に入館した方がSARS-CoV-2に感染していたのかなと不安に思った。
だが、まったく別の用件。信濃毎日新聞の記者さんから、三十三番土偶札所巡りについて電話取材したいとの依頼があったので、私が対応する事は可能かとの照会だったのである。別に問題ないのでお引き受けした。
オフィスに戻った後に、記者さんから電話をいただき3~4分の受け答え。銀行業界ネタ以外でのプレス対応は「仮面の女神さま国宝指定」以来である。
翌日、信濃毎日新聞のWeb版を見たら、私の個人名と共に 「縄文人の祈りの対象だった土偶を見ると心が安らぐ。すてきな企画で、ぜひ全部集めたいと話した。」との短いコメントが掲載されていた。
「お洒落な企画」と言ったつもりなのだが「すてきな企画」に表現が変わっていた。ナルホド、確かに「素敵な企画」である…