PAPUA×JOMON展 面白かった! でも「似て非なるもの」

一昨日の出社途中に、山梨県立考古博物館にふらっと立ち寄って、開催中の特別展「PAPUA×JOMON縄文文化の謎を考える」を見学してきた。

私の場合、この博物館に「ふらっと」というのは、それなりに意義がある。

何しろ「三十三番土偶札所巡り」を始める切っ掛けとなったのが、そんな無計画な行動であったからだ(https://triglav-research.com/?page_id=28440)。

山梨県立考古博物館は、八ヶ岳オフィス出社の際にふらっと立ち寄れることにも大きな付加価値がある。中央道甲府南ICを下りてすぐの場所にあるのだ!

今回もそんな特別展を開催中であることをつゆ知らず、おとちゃん任せで中央道を走行中に、何となく甲府南ICで下りてしまった。

エントランスにいきなり派手なカラーリングの案内板が置いてあったので、ちょっと(°0°)

博物館のエントランス付近にかなり派手な看板が立てられているのを見た時は、ちょっと引いたね…
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この企画展、とっても面白い内容で、日本から5,000km近くも離れた「パプアニューギニア」の土器等の民俗資料と八ヶ岳を中心とした縄文時代の出土品を並列展示。

その造形状の類似性から、おそらくは縄文文化とパプアニューギニア文化の(精神性も含めた)共通性に、見学者が様々な想像を巡らすことが出来るような展示スタイルだった。

決して、押し付けがましくなく「あなたはこの共通性をどう解釈します?」って感じのサラッと感で、私好みだったな…
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確かに「ソックリさん」的な展示物が多くて、興味深かった。

縄文時代の代表的な人面付土器(右)とパプアの土器(左)。似ているような似てないような…
縄文土器の水紋や火焔の躍動感は正にアートである。その頂点に位置するのが、我が聖地「井戸尻」式土器だと私は考えている。この土器も素敵だけどね…
これを縄文土器と比較するのは、さすがにちょっと無理があるよね!
このパプアの船の舳先の飾りは、確かに縄文の水紋土器に似ているかな?

とっても嬉しかったのは、かつて【縄文土偶探訪記】で、日本全国の考古博物館を訪れた時にお目にかかった土偶さん達が、本物とレプリカが混在していたけれど、かなりの数、展示されていたことだった。

やあ、ガンバレルーヤ土偶さん、久し振りだね!
こっちがパプアの土人形さん達。ユーモラスであるようでいて、ちょっと無気味さも感じる。それに縄文土偶さん達は、ほとんどが「女性」で、全国の考古博物館を巡った私でも、男性土偶は数体しか見たことがない。

「あら~、お久し振りね~」って感じで、土偶さん達が出迎えてくれたような気がしたな。
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企画展の見学を終えた後は「常設展」へ移動。

最近妙に惹かれる「蛇紋・蛇体装飾系」の土器をじっくりと鑑賞した。

これなんて私には「蛇」ではなくて「龍」に見えるな…
これは、水の波動(波)にも龍にも見える紋様だよね。
こういった躍動感を感じさせる造形も縄文土器の大きな魅力だ。
この紋様は何を意味するのか、思わず2分程、考え込んでしまった。

やっぱり「龍」と「蛇」と「水」は深い繋がりがあるんだろうな。

当然ながら、「龍神」とも「水神」とも呼ばれている「瀬織津姫」さまとの係わり合いがあるのも間違いなさそうだ。

そんな風に考えていたら、私が「ダム」に魅了されるのも「水」との係わり合いだなと思えてきた。

ダムの威風堂々とした「堤体」も好きだけど、一番惹かれるのは、ダム湖の水面の静けさと洪水吐きからの放流の荒々しさという「水の力の非対称性」なんだよね!

どうやら、私が興味を抱いているものの「根っこは同じ」ような気がする。
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そんなわけで、ふらっと立ち寄った山梨県立考古博物館から得たもの、学んだものは今回も大きかった。

でもね、縄文文化とパプアの文化は「似て非なるもの」という事を直感的に理解できたね!

パプア系の展示物もどれも素晴らしかったけれど、私が縄文時代の土偶さんや土器から感じる「平和的で、ホッと癒やされるような波動」をまったく感じなかった。

私はこの土器の紋様が堪らなく好きだな…縄文文化の精神性を象徴しているように思えるのだ。

パプアの展示物からは、争いや呪いとか、縄文とはちょっと違った波動を感じたな(これも魅力的ではあるんだけどね…)。

代表的なのが、下の2枚の展示物だね ↡

こんな無気味で禍々しい造形物には、【縄文土偶探訪記】では出会わなかった。
こういうった「呪い」的な波動も縄文土偶さんから感じた事はないよな…

やっぱり私は「縄文時代」が堪らなく好きなのだ!

— One Life, Live It !

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