八ヶ岳西麓 富士見高原は今日も晴れ。
梅雨の合間の3日連続の晴れって、滞っていたアウトドアでの作業が一気に捗るんでありがたいな…
9時半~11時迄のWeBexでの講演を終えた後、今日は午前と午後に1セットずつの作業をして、今年1回目の草刈りを終えてしまう予定だ。
明日の午前中には社主さまが出社するので、それまでに綺麗さっぱり草刈りを終えて「どんなもんだい」って威張りたいんだよね!
昨日は、庭の芝生のフラットスペースの草刈りで新兵器「レッドシャーク」が大活躍。
だが、今日は草刈りの対象となるエリアの環境がまったく異なるのだ。
ひとつは、我が家と西側の隣地の境界線に沿って伸びる傾斜地である。
隣地は我が家の敷地よりも1.5m程低い場所にあり、その高低差を埋める形で敷地西側が傾斜となっている。
この高低差のおかげで、大雨が降っても我が家の敷地の水捌けは極めて良好なので、実は大切なスペースなのである。
もうひとつが敷地で一番低い位置に広がる「三角地」。
財産区林に突き出すような形の土地であり、我が家の敷地内で「一番不憫な木」であるニセアカシアは、この土地のシンボルツリー的な存在でもある。
元々は「ツリーハウス」を建てるために追加購入した約100坪の土地なのだ。
この2つのエリアは、雑草の類のパラダイス。
地面がフラットではないだけでなく、石や木の切り株、折れて落ちた枝等々がころがり、さらに地面からは次々と正体不明の木が生えてくる。
さらに私が大嫌いな「笹」がちょっと油断すれば領土拡大に動き始める。
でも「レッドシャーク」は、あまりにも優秀だったので、ちょっとだけ燃料を入れて、この「混沌の地」でも使えるか試してみた。
あちゃ~、まったく駄目だ。
あの平面を滑るような刈り込みがまったく出来ない。
雑木とかを力技でねじ伏せて切ってしまう感じもないんだよね。
やっぱり「平地の草を相手にしたスペシャリスト」なんだな。
さあ、今度は「ブラックシャーク」を使ってみよう!
ああっ、やっぱりこのフラットじゃない雑草スペースは、こっちの刃が向いているな。
生えかけた雑木とかもスパッと切ってしまう。
何となく「雑食系豪腕」ってイメージの刃だと思った。
試しに、芝生のフラットスペースでブラックシャークを使ってみた。
なんかいまいちだな。
レッドの滑るような感覚がなくて、ちょっと油断すると地面まで刈ってしまうじゃないか。
こんな感じに、レッドとブラック「2枚の鮫」を使って、改めて用途別草刈刃の凄さを実感できた。
人間と同じで「適材適所」ってやっぱり大切なんだな…
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そんな事を思った瞬間、今から30年程前のある人との会話が、突然、鮮やかに蘇ったんだよね。
時期は1993年の9月だったかな?
私が日本の証券会社からアメリカの金融機関に初めて転職した1ヵ月後くらいだったと思う。
HR(人事)のマネージャーの女性とランチをした時の事だ。
当時は、我が国のバブルが弾けて数年経っており、日本の金融機関は青息吐息の状態だった。
そんなわけで、そのアメリカの金融機関には、日本の証券会社や銀行から転職希望のレジュメが大量に届くようになっていたようだ。
彼女は言った。
「ほとんどのレジュメには3~4年間隔で社内で移動して、どの部署でも立派な業績を上げてきた。だから、自分は『何でも出来る』みたいな事を誇らしげに書いているのよね..」
「本当にその仕事に向いて優秀だったら、そんな短期間で別の部署に異動させたら、会社の損失じゃない。」
「そもそも3~4年じゃ、大したスキルは身に付かないでしょ。」
「私達(人事のプロ)からすれば、何でも出来るなんてのは、何も出来ないと同じなのよね!」
この時の「何でも出来るは何も出来ないと同じ」っていう言葉が妙に印象に残っていて、それから何回か、ふとした事をを切っ掛けに思い出すのだ。
別に、ジョブローテーションを重視し、ゼネラリスト養成を大切にする当時の日本の金融機関が間違っていたなんて言う気は、毛頭ないんだよね。
ただ単に、アメリカと日本の金融機関の「真逆」とも言い得る考え方の違いが、新鮮で面白かったのだ。
昨日まで使っていた「汎用型の草刈刃」が「日本型」だとしたら、レッドシャークやブラックシャークは正に「アメリカ型」だな(当時のね…)。
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すべての草刈り作業を無事に終えたのは午後5時前だった。
この「達成感」がやはり好きだな!
オフィスに戻って夕方のニュースを見ていたら「本当に何でも出来る人」の大活躍を報じていた。
そう、エンゼルスの「大谷選手」である。
少なくとも「野球」に関しては、アメリカ人も彼が何でも出来る選手である事を認めざるを得ないだろう。
もしかして、昔の日本の銀行員や証券マンは、皆、大谷選手みたいだったのかな?
ぷっ、そんなわけね~し…