我が八ヶ岳ライフに静かに忍び寄る危機

「嘘臭い」ってのが全般的に嫌いじゃない。

食べ物や飲み物は元より、モノ、動物、人等々、嘘臭いのを観察するのはとっても楽しい。

絶対儲かりますなんて投資話や劇的なダイエット効果をアピールする健康器具やサプリなど、こんなのを信じる奴がいるのかと、思わず笑っちゃうようなのは最高だな。

そして実際に信じて被害にあった人がいるという話を聞くと、世の中って面白いなと、また楽しめる。まあ、グリコのキャラメルのようなものだ。

動物だと、レッサーパンダなんて最高である。あんな愛らしい姿をしながら腹は真っ黒。

あのアンバランス感が嘘臭くて、思わず頬ずりしたくなる。
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そんな私でも、どうしても苦手な嘘臭い物がある。

それは「エアコンの風」だ。

温風(ヒーター)の方はまだ許せるのだが、何故か「冷風(クーラー)」が本当に苦手なのだ。

どの位苦手なのかというと、大嫌いな「ベタベタ感」や「ジトジト感」と同じ位ダメ (>_<)

もうお気付きかと思うが、1999年に我が八ヶ岳の拠点を、広大な八ヶ岳エリアの中から「富士見高原 標高1,300mの地」に選んだ理由のひとつが、「サラッと感」と「エアコン無しでも真夏も快適に過ごせる」という点にあったのだ。

勿論それ以前に、新百合ヶ丘の自宅から車で2時間程度、八ヶ岳拠点の最寄りのICからも10分前後という「絶対に外せない条件」がまずは優先した。

今年で24年目を迎えた我が八ヶ岳ライフ。

これまでの所、湿度の低さによる「サラッと感」と「真夏もエアコン無しで過ごせる」という条件については、ほぼ満点。

と言うか、事前の期待値をかなり上回る程だった。

これに関しては、本宅とオフィスが共に調温調湿効果にすぐれたログハウスである事と、我が家の敷地に沿ってJカーブを描く二層の財産区林の効果も大きい事が暮らすうちにわかってきた。

空気が滞留せずに財産区林の間を流れて「そよ風の通り道」のようなものを形成しているのだ。

我が家の敷地の2分の1ほどを取り巻く財産区林は、間に急勾配な谷(涸れ沢で年に2~3回小川が流れる程度)を挟んで2層構造になっている。
2層構造の財産区林の間に風の通り道が出来て、そこから枝分かれした風が支流のような風の通り道を作る。それに夏場の暑さを感じさせない効果がある事を感じたのは八ヶ岳ライフ4~5年目だったと思う。

勿論、標高の高さ効果も大きく、夏場に外気温が30℃を超える事は極めて稀だった。
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だが、「地球温暖化」の影響が、じわじわと我が八ヶ岳ライフに忍び寄りつつある。

私は、八ヶ岳や自宅に数台の温湿度モニターを設置して、そのデータを1日24時間1年365日しっかりと記録している。

これは、気象データは自分が暮らす場所で「ピンポイント測定」しなければ意味がないと考えているからだ。

富士見の街中と鉢巻道路沿いの別荘地区の気候ですら全然違うのに、原村の標高1,000m辺りのアメダスデータなんて何の参考にもならないよね!

この1年に関して言えば、オフィスのウッドデッキに設置した外気温湿度観測用モニターのデータでは30℃を超えた日が2回もあった。

しかも、その内の1日の最高気温は31.3℃を記録。

昨年の夏は30℃を超えた日が2日あった。しかも最高気温が31.3℃。八ヶ岳ライフを始めた頃は28℃程度でも暑いなと感じたのだが…

ちょうど次男夫婦が遊びに来ていた日で、私もその日は「さすがに暑いな..」と感じた事を覚えている。

さらに温暖化が進むようであれば、本当に嫌だな…

そう思っていた矢先、21日(金曜日)の午後1時過ぎに、外気温が25℃を超えたというアラートが届いた。

しかも、その日の最高気温は26.9℃に達したのである。

この1週間と4月21日朝から24時間の外気温推移。4月下旬の最高気温26.9℃も驚愕であったが、21日の最高気温と最低気温の26.3℃の差にもビックリだな!

オイオイ嘘だろう(°0°)  まだ4月の下旬だぞ! ちょっと記憶にないな。

少なくとも、現在のモニタリングシステムを導入した過去2年半程の期間では、初めての「異常記録」であった。

こんな調子だと、今年の夏はどうなっちゃうんだ?
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実はもうひとつ、気になっている事がある。

どうも寒暖差の変化が不安定、かつ、激しくなっているように感じるのだ。

気象用語で、一定の場所で1年間に観測された最高気温と最低気温の差を年較差(ねんこうさ)と呼ぶ。

今朝までの1年間であれば、最高気温が31.3℃、最低気温がマイナス14.6℃で、年較差は45.9℃と計算される。

これに関しては、実のところ、あまり異常とは感じない。

最高気温だけでなく、最低気温も上昇傾向にあるからだと思う。

それよりも、もっと短期的な気温変化があまりにも目まぐるしいように感じるのだ。

例えばこの1週間。最高 26.9℃、最低 マイナス1.1℃で、実に「週較差」は 28.0℃

21日の午前8時から丸1日で見ると、最高が 26.9℃、最低は0.6℃で、24時間の寒暖差は 26.3℃だ。

こうなると、目まぐるしいというよりも「節操がない」というべきだよな。

具体的なデータがないので、曖昧な事しか言えないが、私が八ヶ岳ライフをスタートさせた2000年の頃は「寒さ・暑さ」にも、もっと一貫性のようなモノがあった気がする。

八ヶ岳の気候に「品格」があったのだ。

こういう感覚って、不思議なのだが自宅滞在中の方が鋭敏になる。おそらく、八ヶ岳の事を客観的に見る事が出来るからだと思う。

それに、年々、八ヶ岳滞在日数は増える傾向にあるのだが、私の大好きな「青と白の時」に出会う回数は、逆に減って来ている。

嫌な感じだな…

今年の冬は、八ヶ岳滞在中に敷地内の広葉樹が雪で満開になる事はなかったな。八ヶ岳ライフをスタートした頃は珍しい事ではなかったのだが…
結局、この冬は、私の大好きな「青と白の時」らしきものを体験できたのはたったの1回だけだった。この2021年の写真と比べると、全然イケてなかったが…

個人的には、ちょっと大袈裟かもしれないけれど「八ヶ岳ライフの危機」のように感じているのだ。

そう、八ヶ岳の夏にエアコンは似合わない…