八ヶ岳文具ライフ—「自分色に染める」喜び

会社業務の「ペーパーレス化」には2015年から取り組んできて、2017年のBPRを機に「完全ペーパーレス化」に移行した。

仕事関係の書籍は可能なものはすべて「電子書籍」を購入し、紙の書籍でも可能なものは「自炊」するようになって、もう8年が経過した。

所謂「紙の書類」の類は「印刷しない・渡さない・受け取らない」の「三ない主義」を徹底している。

どうしても紙で届いたり受け取ってしまった場合は、すぐに ScanSnapで読み込んでPDF化してしまい、その後はシュレッダーに即直行である。

オフィスや自宅書斎に2台ずつ設置してある「プリンタ複合機」の利用頻度は、ほとんどゼロになった。

仕事に持ち歩くのは、現在は 12.4inchのタブレット(Glalaxy Tab S7+) のみ。

ノートテイキング等は、付属のS-Penでノートアプリにそのまま書き込むだけ。

仕事の「仕振り」は、加速度的にスマートになって行く。

そんな私でも、どうしても決別する事の出来ない「紙製品」がオフィスに残っている。

それは「カレンダー」だ。

スケジュールやタスクリストの管理は、Googleカレンダーとそれに連携したアプリを長年使っている。

最近は、ほとんどを Google嬢に声掛けする「音声入力」でインプット。

だが、何かの拍子に壁に掛かった「紙のカレンダー」を眺めてしまうという行為(癖)からは抜け出せずにいる。

紙のカレンダーは「今月」と「1年」が一覧できる事が何よりも重要で、同じ製品をずっと使い続けている

発行部数が少ない製品なので、毎年、9月下旬頃の発売日になるとすぐに注文する。

そして、11月下旬になると、今年のカレンダーの後に掛けて「待機待ち」状態にする。

今朝、2023年版を袋から取り出して、そんな「定番作業」を行った。

長年愛用する「エヌ・プランニング」のカレンダー。2023年版を袋から取り出して、今年のカレンダーの後に掛けた。用紙は「レザックオリヒメ」で、ログオフィスの雰囲気にピッタリ。私は、単月と1年が一覧できるカレンダーじゃなければ駄目なのだ!

これもまた「冬支度」のひとつだな…

「文房具マニア」である私にとって「業務の完全ペーパーレス化」は、筆記具やノート類のコレクションとの決別を意味していた。

但し、これらのコレクションは「廃棄」や「売却」せずに、川崎自宅書斎にずっと大切に収蔵してある。

いつか会社を廃業する日(=仕事をやめる日)が来たら、その時は「紙にインクペンで手書き」という贅沢な行為をじっくりと楽しむためだ。

例外は Pelikanの「自然の美観シリーズ」だ。

この美しい6本の筆記具は、私お手製のディスプレイケースの中に入れてオフィスの壁に飾ってある。

Pelikanの「自然の美観」シリーズ。筆記具と言うよりもArt だよな…

愛用カレンダーの隣のスペースなので、カレンダーを見る時に一緒に視界に入ってくる。

我がオフィスにおける「アナログ懐古スペース」なのである。

我がオフィスにおける貴重な「アナログ懐古スペース」。カレンダーとPelikanの「自然の美観シリーズ」のペンが並ぶ様は、なぜか「温もり」を感じさせる。

まあ人間、誰しも「離れられないモノ」がひとつやふたつはあるだろう…

実は、今年からもうひとつ復活した「紙製品」がある。

それは、コクヨの「野帳(フィールドノート)」である。

もっとも、つい先日までは何かを書き込むための使い方はしてこなかった。

マンスリーカレンダーを確認したり、訪れた考古博物館や道の駅等のスタンプを押したり、八ヶ岳滞在か自宅滞在かのシールを貼る「スクラップブック」的な役割を果たすに過ぎなかった。

しかし、10月29日に受験した「縄文検定」のレクチャーの際に、おそらく4~5年ぶりに紙のノートにメモ書きし「紙にペン書きするという行為」の味わい深さを知った。

そんなわけで、来年2023年は「手書き行為」も含めて「野帳」だけは「限定的アナログ回帰」する事に決めたのである。

どうやら、「野帳」は私にとって「別れても好きなモノ」だったようだ。

「野帳」のカレンダー部分は、ほとんど書き込みはしないので、1年を俯瞰できるようなタイプを自作して貼り付けようと思った。

私のニーズを満たすようなマニアックな商品はないだろうと思ったが、念のためネットで検索。

すると、正にドンピシャの「じゃばらんだ」という商品がヒットした。

ネットで「奇跡的な出会い」をした「じゃばらんだ(左)」。ついでに「オリジナル野帳」も購入して「2023野帳手帳」にする事にした。
「じゃばらんだ」は1枚の蛇腹型カレンダーに2023年1年分のカレンダーが印刷されている。スケジュール管理はGoogleカレンダーがメインなので、アナログタイプはこの程度がちょうど良いのだ!
「じゃばらんだ」は蛇腹形式1枚の紙の裏表に印刷されたカレンダーを「野帳」のタフな表紙の裏に貼り付けるだけの超シンプルな構造だ。私は正にこういうタイプのアナログカレンダー(手帳)を探していたのだ!
「じゃばらんだ」の見開き状態。上下見開きで6週間分が確認できるようになっている。

ああっ、やっぱり同じ発想をする人っているんだな…

すぐに注文して、来年用の「野帳」に貼り付けて、「2023 野帳手帳」にした。

野帳のカバーは、BE-PAL特製のものを2タイプ揃えてある。

「革製(主に野帳を2冊挟む)」と「帆布製(野帳1冊で薄く使う)」だ。

革製の方は、購入した直後に色が気に入らなかったので、染めQのモスグリーンを使って、八ヶ岳で使う薄型財布やタブレットカバーとお揃いにした。

八ヶ岳で主に使用する革製品やタブレットカバー等は、染Qのモスグリーンに染めて統一している。ジェットストリームのカラーも同系色に統一。ここまでこだわらなければ「文具マニア」と名乗る資格はないのだ!

「帆布製」はそのまま使っていたのだが、やっぱりお洒落じゃない。

今日は朝から「染色作業」から始めようか…

同じ染めQのモスグリーンに染める事にした。

まずは、革製の縁部分に染めQが付かないようにマスキング処理をした。
「染めQ」は「八ヶ岳ライフ」における「定番&お気に入りアイテム(ツール)」だ。私がよく使う3~4色は常備している。今回は「モスグリーン」の出番だ。

う~ん、我ながら完璧な染め上がりだな!

染めQによる帆布製カバーの染色が無事に完了 \^^/ ムラもなく、我ながら美しい仕事だな…

染め上げたばかりの帆布製カバーに、来年用の「野帳手帳」を挟み込んだ。

「じゃばらんだ」を挟んだ「2023野帳手帳」はカバーを付けてもこんなにスリム。野帳の単独使用だと、さらに薄くてコンパクトになる。

この「薄さ」が堪らないんだよな…

「野帳」の魅力は、このコンパクトさに加え「表紙の堅牢さ」と「紙質の良さ(完璧さ)」が加わる。

染めQの染色が終わったばかりの「帆布製カバー(左)」と購入直後に染色した「革製カバー(右)」を並べる。「野帳復活チーム」の顔ぶれが揃った。

「アナログ文具」の喜びや楽しみは、こんな感じに「自分色に染める」事にあるのだ。

今日は、なぜか朝から「文具マニア」としての血が騒ぐ日だな。

「八ヶ岳稿房」の意外に多そうな「文具マニア系読者」に捧ぐ…

 

by『八ヶ岳稿房主』