一昨日(日曜日)の午後10時過ぎに八ヶ岳オフィスを発つ予定だったのだが、談合坂SA付近で追突事故があったとかで渋滞が発生していた。
食事のための順番待ち以上に渋滞なんて許せない性格なので、渋滞解消待ちをしていたら、結局、八ヶ岳オフィスを発つ時間が昨日の零時を回ってしまった。
当然ではあるが、新百合ヶ丘の自宅着は昨日の午前2時過ぎ。
さすがにちょっと疲れて、目覚めたのは午前8時過ぎだった。
そのまま決算分析突入のための準備作業を進めて、午後2時前に六本木へ向かった。
午後3時から7時過ぎまで「地域銀行の地方創生」に係る重要イベントがあり、それに参加するためだ。
要は「仕事」である。
いつもであれば講演で話すのが私の仕事なのだが、今回は純粋に「聞く(勉強する)側」。
地域銀行トップや企業経営者、政治家等々、10名のスピーカーのプレゼンテーションは、どれも面白く、とても勉強になった。
私の大嫌いな「インバウンド」なんて言葉が1回も出てこなかったのが特に良かったな…
一方で「モノ作り日本の復活」「人への投資」「スタートアップ支援」「資産所得倍増」等々、どちらかと言うと私が支持したい政策が「地方創生」の流れの中に美しくビルトインされつつある事を感じた。
「日本も日本人もまだまだ捨てたもんじゃないな!」— そう感じさせてくれる極めて有意義なイベントだったのである。
「金融」を軸としたプレゼンテーションがほとんどを占める中、唯一『食』を核に地方創生を推進する某有名企業のCEOのスピーチが印象的だった。
地方の衰退・閉塞は「退屈」「卑屈」「窮屈」の「3つの屈」に起因しており、それを覆すことが出来るのが「食」なのだそうだ。
この企業は「淡路島」と「出雲」で地方創生事業を推進中。
わざわざ八ヶ岳(地方)に会社を構える私の心の琴線に触れるものがあった。
CEO、COOとの名刺交換の際に、思わず「廃れる一方の小淵沢アウトレットを元気にする方法はないでしょうか?」と口走ってしまった。
オイオイ、私は今日はそういう立場での出席ではないだろう… と反省。
そんなところに私の「八ヶ岳愛」が滲み出るのだ。
充足感に満たされて午後7時過ぎに会場を後にしたのだが、その後が良くなかった。
長~いエスカレーターで移動する際、ビルの窓越しに六本木のビル街が見えた。
八ヶ岳滞在中は「夜は暗いモノ」という自然の在り方にドップリ浸かっていたため、目がチカチカする感じで、ちょっと目眩がした。
ビル酔いかな?
東京での仕事を終えて新百合ヶ丘の自宅に戻る際、午後5時半以降は通勤の混雑を回避するため「東京メトロホームウェイ(ロマンスカー)」を予約して乗車するのが私の仕来りである。
だが、昨日は時間的にピッタリのホームウェイがなかった。
仕方ないので代々木上原から、小田急線の「快速急行」に乗車。
これが「(懐かしい)満員電車」状態。
しかも、下北沢の次の停車駅は新百合ヶ丘だと思っていたら、登戸で途中停車。
そうか、2018年の「ダイヤ改悪」で「登戸」も停車駅になったんだよな… 忘れていたぞ。
よくよく考えれば、帰りの通勤時間帯にロマンスカー以外の電車に乗るのは久し振りだった。
代々木上原から新百合ヶ丘まで20分弱の時間は私にとっては「苦行」、否、「地獄」状態。
なんでこんなに人間が多いんだよ!
正に「人酔い」である。
漸く辿り着いた新百合ヶ丘駅のホームも人が溢れんばかり。
ペデストリアンデッキからバス乗降場を見下ろすと、今度はバスがいっぱいだった。
なんか「ダンゴムシ」みたいで気持ち悪いぞ。
八ヶ岳滞在中に見ていた「鹿の群れ」とは全然違うな…
まるで「多留姫の滝」を落ちながら流されるような感覚を覚えて、一気に疲れが出てきた。
色々な意味で「八ヶ岳ライフ」との「落差」を実感。
人間というのは不思議なもので、こういう時は「変わらないモノ」を無意識に求めるようだ。
どこかにホッとできるような光景はないかな?
ふと、空を見上げると、八ヶ岳とほとんど変わらない凛とした美しさの月が見えた。
ああっ、なんか落ち着くな…
自宅に帰って月齢を調べてみたら、昨晩は「12.7」だった。
その前の晩、八ヶ岳で見た月を「11齢か12齢」と読んだ私の感覚は、ほぼ正しかったようだ。
職業柄、自分の読みが当たると気分が良くなる。
昨日は「月に救われた日」であった。
by『八ヶ岳稿房主』