新たな趣味の予感 ① APS — 年齢なんて関係ないさ!

最近、「仕事と趣味の境界線」が加速度的に曖昧になってきている。

一方で「単なる興味と趣味の境界線」については、明確な定義を定めているため、なかなか「新たな趣味」と言える「芸」が身に付かない。

その定義とは「自分の手持ちの材料でパワポ30〜40枚程度のプレゼン資料を作成し、1時間程、講演スタイルで熱く語れるようになる事」だ。

個人的には、結構、高いバーだなと考えている。

この基準で自信を持って「趣味」と言えるのは「文房具」「デジガジェ」「野鳥」「DIY」それに「縄文(土偶)」くらいだろうか。

勿論、「八ヶ岳ライフ」や「デュアル・ライフ」というテーマでも簡単に講演位は出来ると思うが、これらは「ライフスタイル」そのものなので、趣味には含めていない。

「縄文(土偶)」が趣味と言えるレベルに達したのは、2015年の秋頃だったので、それから随分と「無粋」な時期が続いた事になる。

その間、「スポーツ」と「団体(つるむ・群れる)」という「2大忌避行為」を除いては、好奇心の赴くままに、結構、色々な事に手を出してみたのだが、どれも「嗜み」程度で終わっていた。

だが、今回の単独滞在期間中に、明らかに嵌まってしまった事が2つあった。

久し振りに「興味」から「趣味」に昇華する手応えを感じているのである。

ひとつめが「精密射撃競技(APS: Air Precison Shooting)だ。

切っ掛けは、決算分析山籠もり期間のご褒美として、競技用専用エアガン「マルゼン APS-3」を購入した事。

元々、エアガン遊びは「八ヶ岳ライフ」だけの楽しみだった。

しかしながら、スナイパーライフルは、距離20~25m、ハンドガンは10~15mほどの距離から、ただひたすらターゲットを狙って撃つだけ。

それだけの繰り返しなので、深みに嵌まりようがなかったのである。

これに対して「APS」はまったく別モノ。

まずは、エアガンの近距離での命中精度が驚く程に高かった。

「機能美」を極めたと言い得るような美しいシルエット。装弾数は6発。

連射機能はなく1弾ずつエアコッキングが必要なので、何となく高校時代に嗜んだ「弓道(2段)」に相通じるものがある。

APS-3の無駄を削いだ「機能美」がたまらなく好きだ…
APS競技を楽しむためには、エアガン以外にも色々と装備が必要なのだ。

APS-3には、実に様々なカスタマイズパーツがあり、その方面の楽しみもあった。

代表的な競技大会である「APSカップ」は「ブルズアイ」「プレート」「シルエット」という3つの競技で構成される。

それぞれ5~10mの距離から、競技ごとに異なったタイプのターゲットを撃って、命中精度の得点を競う。

この「明確なルール」「得点を競う(競技性)」という点においても、ただのエアガン遊びとまったく異なった。

さらに有名エアガンショップが独自に開催する「亜種競技」らしきものも存在し、その中には「オンライン参加可能」な大会もあった。

「団体競技不適合症」の私にとって、こんなに楽しめそうな「競技」は他にない!

単独滞在期間中は、夕方になると毎日のように「ブルズアイ」競技の練習をした。

これが本当に楽しい!

これがブルズアイ競技用のターゲット。ターゲットに命中したBB弾は、ほとんどがこのケースの中に跳ね返って跳弾はない。
ブルズアイターゲット競技の練習を終えたあとは、ターゲットに命中した点数の集計が楽しい!

本宅のメインウッドデッキは「APS練習フィールド」という新たな役割を担う事になった。

周辺を財産区林に囲まれた本宅メインウッドデッキはAPS練習フィールドとしては最適である。

さらに、他の2つの競技のために「練習用ターゲット」の自作も始めた。

ターゲットそのものは市販の物を購入したが、それを効率的に使うための「仕組み」を手元にあった部材を有効活用して作り上げていく。

他の2競技のために、現在、様々な練習用ターゲットの仕組み作りをしている。これがまた楽しい!
これは使わなくなったアウトドア収納グッズを加工して作成したターゲット。
電動ハンドガン用に使用していたターゲットもちょっと加工してみた。
現在、一番小さい人型ターゲットに小細工を行っている。

「小細工の魔術師」の本領発揮である。

う~ん、知恵を使って小細工するのって面白いな…

こんな具合に「八ヶ岳ライフの新たな趣味」が着実に育ちつつある。

そうか、距離5mから1つの固定ターゲットを狙う「ブルズアイ」だったら、新百合ヶ丘自宅の庭でも余裕で楽しめるな。

新しい事にチャレンジするのに年齢なんてまったく関係ない!

私はもうすぐ61歳の誕生日を迎えるが、できれば70歳になるまでに、胸を張って「趣味」と呼べる領域を「10分野」は持てるようにしたいな…

 

by『八ヶ岳稿房主』