例年、この時期になると、ついつい広葉樹や、針葉樹のくせに紅(黄)葉して落葉する「唐松」を愛でてしまう。
まあ、これは私だけではなく、日本人全般が「紅葉好き」であるのは間違いなさそうだ。
かつて、八ヶ岳の敷地内には樹高20mを超すような「赤松」の大木が30本以上は生えていた。
赤松は落葉もせず、葉は緑のままなので、この時期でも広葉樹や唐松の紅葉に抵抗する「緑の一大勢力」だった。
だが、今年の1月に諸々の理由から、敷地内に残っていた赤松を思い切ってすべて伐採した(https://triglav-research.com/?p=29934)。
もうすぐ23年目に突入する我が「八ヶ岳ライフ」は、思えば、赤松を中心とする針葉樹を伐採し、代わりに、元々は八ヶ岳に自生する広葉樹を植える歴史であった。
例外は「シュガーメイプル(カナダの国旗)」と「クリムゾンキング(ノルウェーカエデ)」の2本のみ。
これは、オフィスと本宅が所在する別荘地区の名前にちなんでの「例外措置」であった。
敷地内の赤松が一掃された結果、今年の我が家の敷地内では「黄色」が一段と目立つようになった。
自生していた30cm程の楓を保護して、オフィスのウッドデッキで育てた「楓三姉妹」は、今年地植えしたばかりである。
彼女たちの赤い葉が目を引くようになるには、まだ数年を要するであろう。
伐採業者さんや建設業者さん達のアドバイスで、伐採を免れた2本のコナラの大木は、まるで覇を競うかのように敷地の東西で存在感を誇示している。
伐採しないで本当に良かった…
赤松の一掃により、すっかり影の薄くなった「針葉樹の緑」ではあるが「孤高のメインシンボルツリー」が、2本のコナラに負けない位の威風堂々たる雰囲気を醸し出している。
本宅脇に聳える「ウラジロモミ」だ。
1999年に本宅を購入した際の幹の直径は、最も太い部分でも15cm程。樹高は本宅の屋根を1~2m上回る程度であった。
おそらく「クリスマスツリー」として植樹されたものだと思う。
本宅購入後のリフォームを引き受けてくれた業者さんから「この木は御柱の木で、樹高は大きいものだと40m位になりますよ。」と教えられた。
そんな樹高になっては本宅に悪影響があるので、5~6年前に別荘管理事務所にお願いして「芯止め」をしてもらった。
それによって樹高の伸びは止まったが、幹はまだ太くなっており、もう直径は30cm以上になっていると思う。
毎年、下の方の太い枝を1~2本切って、社主さまのリース作りの貴重な材料となっている。
我が家の敷地内の木々のどれにも思い入れがあるのだが、このウラジロモミほど、我が八ヶ岳ライフに「寄り添ってくれた」という感覚を抱かせる木は他には無い。
ゆえに「メインシンボルツリー」として、大切に大切に扱っているのだ。
周囲の木々が、色付き、葉を散らす中で、ウラジロモミだけは、春夏と変わらぬ佇まいを見せている。
思わず「孤高の矜持」という言葉が頭に浮かんだ。
阿附迎合する事なく、私も斯くありたいと思う。
うん、やっぱり「木」って本当にイイな…