小淵沢駅展望スペースにて—たまに眺める山々…

八ヶ岳の拠点を本社とする自分の会社を設立したのが2012年11月1日だったので、来週の月曜日から早、設立後10年度目を迎える事になる。

会社設立後1~2年は「トリグラフ」という社名について、その由来を問われる事が多かった。

それに答えるのが面倒だったので、会社HPにわざわざ解説ページを作成した程だ。

だが、稀にだが、社名よりも「会社ロゴ」に興味を持つ人もいた。

我が社の会社ロゴは、デザイナーさんが、スロベニアの国鋒である三峰の山「トリグラフ」と「八ヶ岳」を同時にイメージできるように作成してくれたものだ。

もっとも「スロベニアの国鋒」という社名由来は表向きのものだ。

『八ヶ岳稿房』でも何回か書いた事があるが、本当は愛読書『銀河英雄伝説』で一番好きなキャラ「ダスティ・アッテンボロー」が率いていたヤン・ウェンリー艦隊分艦隊の旗艦の名前である。

これまで、私が覚えている限り、名刺交換の際にこの会社ロゴを見て「八ヶ岳」が隠れている事に気が付いた人物が4人いた(普通の人は「3つの山」にまでは気付くようだ)。

左がスロベニア共和国の国鋒「トリグラフ山」、中央が我が社の会社ロゴ、右が八ヶ岳。ロゴの中に「トリグラフ」と「八ヶ岳」が共存している事に気が付く人は「稀」である。

その内の2人は、現在、地方銀行の頭取と会長になっている(別々の銀行で、ロゴを見抜いた時点では平取締役と常務だった)。

もう1人は、日本最大のネット金融グループの創業者(CEO)である。

こちらのグループとは非常勤の役員としてお付き合いするようになってもう丸6年になろうとしている。

私の名刺を見た瞬間に、富士見の住所とロゴからすべてを察したらしく「会社のマークも八ヶ岳か。凝ってるんやね…」とサラッと語った時には本当に驚いた。

もう一人は、某経済誌の記者さんだが、当時は、まだヒラの記者さんって感じのポジションだったのが、現在では副編集長的な立場にまで昇格している。編集長になるのは間違いないだろう。

世の中には「観察力」や「分析力」に長けた人って本当にいるものだなと、つくづく感心する。これは生まれつきの「才能」なんだと思う。

社名の由来に感心を持つ人は「好奇心」が旺盛な証拠なので、私としては嫌いなタイプでない。

世の圧倒的多数の「普通の人」は、そんな事に興味を持たない。

興味を持たないのは、害がないので別に構わない。

だが、「八ヶ岳のオフィス」と知っただけで、「山(山登り)がお好きなんですね!」とか「ほう、スローライフですか。羨ましいな…」みたいな短絡的・俗物的見方をする人間が時々(結構)いる。

私は決して「八ヶ岳」という山が好きなわけではなく、気候・風土やそこに暮らす諏訪人等々、トータルパッケージとしての「八ヶ岳エリア」に魅了されているのだ。

子供の頃から、南房総の半農半漁の田舎町の「山」の中で育ったので、山に対する憧れや愛着などこれっぽっちもない。「海」なんてむしろ、潮の香りが大嫌いだ!

加えて、何もせずに「ノンビリ」なんてのは、最も自分の性に合わない。

しっかりと目標を設定した上で、ゴールに向けての綿密なプランを組んで、それに向けて動き回る事に喜びを感じる。

ゆえに「山好き&スローライフ」的な見方しか出来ない人物に対しては「大きなお世話だよ!」と、心の中で呟く。

そういう人間は、自分の価値観を他人に押し付けようとするタイプに多いように感じる。私が最も嫌いな人種なのだ。

「山は登るものではなく、遠くから眺めるもの。それも時々程度がちょうど良い(有り難みがある)。」というのが私の基本的考え方なのである。

「人の価値観」なんて「千差万別」だ。他人がどうであるかなんて事には、私は何の興味も無い。

勿論、自分の価値観を他人に押し付けるような「無粋」な事もしない。

1998年から1999年に掛けて、八ヶ岳での第2の拠点探しをしていた際にも、不動産屋さんに「山に対する考え方」を最初にはっきりと伝えた。

もっとも実際の物件は3つしか見ていないので、不動産屋さんとのお付き合いも結局2社で終わったのだが…

我が家の3人の息子の内、長男と次男は大手銀行で働く銀行員だ。

偶然なのだが、長男の初任店が「静岡支店」、次男が「甲府支店」と共に「富士山」を眺望できる地であった。

見事な位に性格が異なる2人だが、赴任して数ヵ月後に自宅に戻ってきた際に「富士山なんて、毎日見ていると飽きちゃって、もう何とも思わないや…」みたいな事を、まるで示し合わせたかのように言ったのを妙にはっきりと記憶している。

「血筋」というのは本当に面白いものだな…

まあでも「海」は明確に嫌いだが、「山」を時々眺めるのは好きだ。

何カ所か「八ヶ岳」「南アルプスの山々」そして「富士山」を写真撮影する「お気に入りスポット」があり、そういう場所では四季折々の山々の雄大な姿を堪能する。

昨日の午後1時過ぎ、我が家の社主さま(家内)が、私より1週間遅れで八ヶ岳オフィスに出社となったので「小淵沢駅」にD4で迎えに行った。

実は、小淵沢駅の3F(屋上)の「展望スペース」は、八ヶ岳、南アルプス、富士山のすべてが眺望できる、お気に入りのスポットのひとつなのである。

社主さまの電車到着までの数分を使って写真撮影。

小淵沢駅の展望スペースは、私にお気に入りの写真撮影スポット。山々がアップでなくても、このアングルで見る光景も好きだな…
八ヶ岳の優しさと雄大さを兼ね備えた姿は、縄文人の故郷というイメージが浮かぶ。
大型クレーン車が邪魔だな。大嫌いな高圧鉄塔や電線が無いのが「小淵沢駅展望スペース」の魅力なのだが、大型クレーン車で今日は台無しだ…
富士山と南アルプスの山々が共存する写真を撮影できるのも小淵沢駅展望スペースの魅力である。
うん、やっぱり小淵沢駅から見る富士山は優美で美しいな。
でも、息子達ではないが、毎日眺めていたら、私は飽きてしまうような気がするな…
富士山は、やっぱりちょっとご機嫌斜め(山体膨張)のような気がするんだが…
甲斐駒ヶ岳は八ヶ岳の優美さとは異なって、パワーの漲りを感じさせる。

うん、たまに眺める山は、やっぱりイイな! 素直に好きだな…