「With コロナの時代」になってから、金融サービスを中心に「利便性の優勝劣敗」が一段と鮮明になってきた。
自分にも厳しいが、他人にはその何倍も厳しい私は、何かを切っ掛けにして「優」と「劣」の差をはっきりと認識した場合、当然であるが「劣」をバッサリ切って、「優」を大切にする(乗り換える)。
今日も、そんな事例がひとつ。
皆さん経験があるかもしれないが、クレジットカード会社は不正利用から会員を守るために独自の「不正利用検知システム」を導入している。
AI等を利用して、不正利用の疑いがあった場合には、そのカードの利用をロックするシステムだ。
不正利用があった場合は「ありがたいシステム」なのだが、実際に本人が利用していた場合には「大きなお世話」となる「諸刃の剣」である。
ロック中はカード決済が出来なくなるので、ネットショッピングとかで利用した場合は、本人がすぐに気が付く。
面倒なのは、公共料金や保険料等をカード決済していた場合であり、ロック期間中に決済日が重なると、いきなり「納付書」が届いたり、カード決済の再申込が必要になるケースもある。
ゆえに、カード会社は、その不正利用が検知された取引に関して、迅速に「本人確認」をせねばならない。
この「本人確認」のシステムで、2ヵ月程前にあるカード会社の洗練されたシステムに感心した。
そのカード会社の場合は、ロックと同時にメールとSMSで通知が届いた。
不正利用検知された取引も、社用車D4のパーツ購入で海外ネット通販に絡んだモノだったので納得できる内容であった(因みに私本人の利用)。
あとは、指示に従ってWeb上で本人確認手続を済ませてロックを解除。この間、一切、人手は介していない。
カード会員を不正利用から守ると同時に、利便性の確保にもしっかりと配慮したスマートな対応である。
ところが対照的だったのが、今日の「駄目駄目カード会社」。
そもそも「不正利用として検知」されたのは、電子マネー(Edy)のオートチャージだ。
何十回も繰り返されてきたこの取引が、どうして不正利用のフィルターに引っ掛かったのか、わけがわからない。
どんなポンコツAIなんだ?(おそらく、一定数の取引の中からランダムに抽出して不正取引ロックを掛けるようになっているのではないかと思う)。
しかも、川崎の自宅に電話を何回か掛けて連絡がとれなかったので、勤務先(我が社)に電話してきたという。
この間、既に約2日間が経過。私のこの駄目駄目カード会社のクレカは、48時間以上も私が知らない間にロックされた状態にあったのだ。
この2日間は利用していなかったので、特に問題ないと思ったのだが、運悪く川崎市水道料金の決済期間と重なったらしい。
ちぇっ、面倒な事になったな。場合によっては、再登録かよ…
だが、このカード会社にも、メールアドレスと携帯電話番号をしっかりと登録してあった事を思いだした。
そこで「メールやSMSでご案内いただいてますか? であれば、失念していた私の方にも問題がありますので、お教え下さい。」と丁寧に尋ねた。
すると「まずはメインのご登録電話番号(自宅)、勤務先とご連絡し、その後に携帯電話。それでもご連絡がつかない場合は、メールをお送りするようになっております。」と「当たり前でしょ風」のムカッとした答えが返ってきた。
この瞬間、穏やかではあるが他人に厳しい私は「ぷつ~ん」。
「顧客利便性」をまったく無視したシステムであると同時に、今のご時世、こんな事に人手を掛けるなんて馬鹿じゃないのか??
「とりあえず、ロックは可及的速やかに解除して下さい。その後、こちらもすぐに、御社のカードの解約(退会)手続をしますので。」と穏やか、かつ、冷ややかに伝えて電話を切った。
駄目駄目カード会社の対応に怒りが爆発しそうになった私は、庭に出て深呼吸する事にした。
2日続いた雨は上がったのだが、夕方になって八ヶ岳オフィス周辺は霧が濃くなってきた。
まあ、今の世の中は、この霧の中のような状況かもしれないな…
だが、止まない雨がないように、霧もいつかは必ず晴れる。
最近は「K字型社会」とか「K字型景気回復」という言葉がよく使われるようになったが、実に様々な領域で「社会構造変化に対する適応力の差」が顕著になってきている。
霧が晴れた後の社会は、かなり「残酷な時代」となるんだろうな…
ふと、そんな事を思った。