八ヶ岳 いつもと違う出社風景—「道草」じゃない「寄り道」さ…

小学校の2年生だったか3年生だったかは、はっきりしないのだが、学校帰りに通学路の途中にある神社の境内で缶蹴りに熱中していたら、運悪く家庭訪問期間中の先生に見つかってしまった事がある。

担任の先生ではなく、確か隣のクラスの先生だった(これは覚えている)。「道草食ってちゃ駄目でしょ。早く帰りなさい。」と優しく諭す先生に対して、「神社にお参りにも来たんだから寄り道だい。道草じゃないよ!」と幼少の頃から「こばち~」だった(ひねくれたガキとも言う)私は反論した。

今思うと、子供心にも、目的地に向かう途中で、用事や目的があって立ち寄ることを「寄り道」、無為にぶらぶらして時間をつぶすのを「道草」とちゃんと理解していたのだと思う。

そうしたら、「屁理屈を言うんじゃないの!」ってな感じで、いきなり先生に左の頬(ほっぺ)を抓られた。あまりにも痛かったので、この時の事は妙に生々しく記憶している。

昨今であれば「体罰だ~ 教育委員会にチクってやるぞ!」と泣きわめき、大暴れする所なのだが、昭和40年代の半ばは、その程度のことは日常茶飯事だった。

ちなみに、その時抓られた後遺症で、今でも、私は笑うと左頬に窪みが出来る。この窪みのことを「笑窪(えくぼ)」と呼ぶ事を知ったのは、神社の境内暴行事件から10年以上が経過した成人後のことであった。

この時の「トラウマ」で、通勤や通学時間の「道草は悪い事」という意識が刷り込まれたようだ。
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今日は八ヶ岳オフィスへの出社日。前回の退社が14日の午後4時頃だったので、8日ぶりの出社である。

今回は社主さま(家内)のご同行はなし。私は通常「単独出社」の場合は「平日の午前6時前後に新百合ヶ丘自宅を発ち、午前8時前後にオフィス着」という美しき仕来りに従う。おそらく単独出社の9割近以上はこのパターンだと思う。

理由は、①この時間帯の移動であれば「大嫌いな渋滞」に巻き込まれるリスクが小さい ②午前8時前後にオフィスに着けば、八ヶ岳滞在時のルーティンを朝からほぼこなすことができる ③早朝の中央道を八ヶ岳に向かうのは爽快である、そして④この時間帯であれば、通勤途中にある考古博物館は開館前なので「道草」したくても出来ない の4点だ。その重要度は、40:30:15:15 って感じだろうか。

今日は午前中に所用があったため、自宅を発ったのは午後1時半ちょうどとなった。極めて異例の「中途半端」な出社時間である。

幸い、府中スマートICまでの一般道もまったく渋滞はなく、午後2時以降は中央道を快走。あまりにも快適な通勤となったので、笹子トンネル手前で「釈迦堂の土偶さん達にご挨拶でもして行こうかな?」なんて「道草欲求」が芽生えてしまった。

だが、長~い笹子トンネル走行中に「そうだ。釈迦堂遺跡博物館は改修工事で今年の4月まで休館中だった。」と思い出した。「休館中じゃ仕方ないな。今日は土偶さんとのご対面は無しだな。」と、道草は諦めて、2時41分に釈迦堂PA前をそのまま通過。

10分も走らない内に、甲府南ICの出口まで500mという標識が視界に入った。甲府南、甲府南… そうだ「いっちゃん」に会いに行こう!

時速100kmでクルコン走行中のD4のハンドルを左に切り、私は甲府南IC出入り口のすぐ側にある「山梨県立考古博物館」に向かったのである。

博物館の広大な駐車場着は2時51分。午後4時にはオフィスに着きたいので、見学時間を25分と定めて探訪開始。

山梨県立考古博物館のエントランス前のスロープ。県立の施設なので立派です。高速道路ICから最も近い考古博物館であるのは間違いなし!

入館料は220円。展示室はいきなり「縄文コーナー」からスタートする。【縄文土偶探訪記】ではないので、今日は解説文は省略。ひたすら写真掲載に徹しよう。

こちらが山梨県立考古博物館の看板土偶の「いっちゃん」。D4運転中の私が、急に「いっちゃんに会いに行こう!」と閃く程の吸引力がある。
いっちゃんのお隣のこの土偶さんが並んでいた。ん?これは初対面の土偶さんだぞ。でも説明プレートには「人面装飾」と記されていたので土器の一部なのだろう。
かつては「土偶さん」ばかり紹介してきたが、インスタのテーマを「Ancient variants(古代の異形のもの)」にしてから人面装飾付土器のお顔も注意深く鑑賞するようになった。
この人面装飾も正に「縄文のお顔」だな。いいなぁ~ なんか、つい微笑んじゃうな…
有名な「深鉢形土器」。「蛙(カエル)」と思しき装飾がユニーク!
こちらは「弥生時代」の「容器型土偶3姉妹」。右の2体も貸出中ですべてレプリカとの事。因みに、私は右2体を「ガンバレルーヤ土偶さん」と呼んでいる。
左が「よしこちゃん」、右が「まひるちゃん」に見えるのは、私だけかな??

お目当ての「いっちゃん」の脇には、これまでお目にかかった事のない「人面装飾さん」がいらっしゃって大満足。

それに、弥生時代の岡遺跡の「容器型土偶」さん2体って、なんとなく「ガンバレルーヤ」に雰囲気が似ているような気がするぞ! そう感じるのは私だけかな?

山梨県立考古博物館のシンボルとも言える「ナウマン象の復元像」。「象の像」って紛らわしくて好きだな。

博物館の見学をピッタリ25分で終えた私は、D4が待つ駐車場に向かった。が、途中で縄文時代の「復元住居」がある事を思い出した。

次の大規模DIYの予定は「ツリーハウス」なのだが、最近「竪穴式住居の復元」にも興味が湧いてきた。そんなわけで、駐車場の近くにある復元住居スペースに立ち寄って内部構造等をチェック。

最近、縄文時代の復元住居に心惹かれるものがある。ツリーハウスも魅力だが、こちらも悪くないな…

気が付いたら予定の見学時間を5分程超過していた。慌ててD4に戻り、再び中央道を快走。小淵沢ICで降りて、ローソンで買い物した後、八ヶ岳オフィスに無事到着。

D4のメーターを除くと時刻は4時7分、外気温5℃、走向距離154.9kmと表示された。うーん、復元住居見学したんで予定到着時刻よりも7分遅れたな。

午後4時にオフィスに着く予定だったのが7分遅れた。復元住居見学の影響だな…

こうして「いつもと違う」出社は終わった。

「全国の縄文土偶さんファンに『いっちゃん』の愛らしいお顔とお元気な姿を紹介するという目的があったんで、これは寄り道だぞ。道草じゃないぞ!」と自分に言い聞かせる私だった。

しかしまあ、小学2~3年の頃から変わってないな…