キャッシュレス社会への遠い道のり—3泊4日の息抜き旅行で学んだ限界

社主さまとの3泊4日の銀行中間決算分析山籠もり前の「息抜き旅行」は昨日をもって終了。

今回の小旅行で、私はおそらく「社会人になって初めてのミス」をした。現金、キャッシュカード、クレジットーカード(3点セット)の入っていない(運転免許証のみ入った)プライベート用の財布を持って出掛けてしまったのである。

旅行初日、小田原を過ぎた辺りで気が付いたのだが、正直、かなり慌てた。現金のみを忘れて出勤した事は2~3回あったように思うが、クレジットカードは念のため財布やパスケース、名刺入れ等に分散して持ち歩いていたので、3点セットすべてを欠いたケースは、まったく記憶になかった。

社主さまにその旨伝えると「私が現金もクレジットカードも持っているんで、何の問題もないでしょ…」と平然としている。確かにそりゃそうだが、3泊4日「ヒモ男(kept man)」の気分を味わうのは辛いそこで「大丈夫。Galaxy Note 9で、EdyもSuicaも使えるから。世の中、キャッスレス社会なんで、Edyとか使えるところは、全部、僕が払うから。」と、啖呵を切ったのであった。

メインで使うスマホを iPhone XからGalaxy Note 9に変更して約1年。日常の出費は、ビジネスは Suica、プライベートは Edyと使い分けて「おサイフケータイ」機能で、2大Felica系カードをフル活用してきた。これは、Edyが使用できない iPhoneと比較した大きなアドバンテージであった。

Galaxy Note 9のおサイフケータイアプリに、この程度のサービスを登録しておけば十分だと感じていたのだが… 特にEdyはオートチャージなので本当に便利なのだ。モバイルSuicaは法人Viewカードを作っていないのでオートチャージできないのが不便。

航空券、新幹線、ホテル代やその他ネット系決済は、メインでDinersのプライベートとビジネス用2枚のカードをとことん使い倒して、マイルを効率的に貯める。サブをその他交通系(JALやView)数枚で補完し、JALやJRの「ラウンジ利用権」をしっかりとキープするという、それなりに秩序だった「キャッスレス決済の枠組」を構築。

最近流行の「QRコード決済系」は乱立状態が嫌いなのと、使う時に面倒そうという理由で、経済合理性は捨てて、当面は一切使用しないと決めていた。

そして、さらなる補完(スマホのバッテリー切れ)用に、ビジネスの際のプライベート決済に「wena wrist leather(Edy)」、プライベート時のビジネス決済に「QUICKPay」カードという「美しき布陣」を敷いたのである。

ビジネスの際に、気軽にプライベートの支払を可能にしてくれるのが、実はwena wrist leatherである。赤丸で示した部分にFelicaのICチップが内蔵されており、バッテリー切れの心配は無し。オートチャージは出来ないが、Galaxy Note 9で簡単にチャージ可能なのだ。スーツ着用時の自販機やコンビニの支払は、ほとんどこいつ(Edy)で済ませている。

ここまで拘わり厳選した「トリグラフ流キャッシュレス対応システム」が瓦解したのが、今回の小旅行であった。結論から言うと「こんなにFelica系が使えない場所がまだ多いのか?」という衝撃に打ちのめされたのである。

実際、今回の3泊4日で、私がGalaxy Note 9で支払いできたのは「コンビニ」だけと言っても過言でなかった。八ヶ岳への通勤途中で頻繁に立ち寄るPAやSAはFelica系はOKなので、「道の駅」も当然大丈夫と思っていた。だが、今回立ち寄った先は、クレジットカードや私の嫌いなQRコード系のみという所ばかり。

そして、予想はしていたが食事に立ち寄った先も、ほぼ同じ状況。神社のお賽銭に至っては「現金のみ」ではないか。諏訪界隈の神社は、ほとんどEdy対応でおしゃれだぞ!(ってなわけはないが…)

結局「魔都 東京」では、最近当たり前になりつつある「Felica系」を主体としたキャッスレスライフは、地方都市ではまだまだ難しい事を学んだのである。

その他の教訓は以下
①キャッスレス決済の主役は、まだまだクレジットカードである。そして、今回改めてチェックしたのだが、CAT端末の種類(世代)が本当にバラバラで驚いた。
②社主さまが某QRコード決済系を使用していたが、色々な種類がありすぎて、店員さんが勘違いしたり、お店によってはQRコードを読み込ませたり、反対に読み込んだりと一貫性がなく、脇から見ていて本当に面倒そうだった(私の当面は近寄らないという判断は正解)。
③決済に紐付けされるポイントの付与方法が複雑(面倒)でスマートじゃない。私はローソンでEdy決済する際に、異なる音が2回して、決済もポイント付与も自動で同時に出来るあの仕組みが好きだ。
④QUICKPayはカードではなくモバイルタイプにすべきだった。そうすれば、かなりのお店でGalaxy Note 9で支払いできたのだ。スマホ完全バッテリー切れの場合のリリーフ役とするのは勿体ない。
⑤我が国は、現金、クレジットーカード、キャッシュカードを忘れ、さらにQRコード決済を拒む私のような人間が、まだ安心してキャッシュレス・ライフを楽しめるような社会ではない(当たり前かな?)。
⑥元SONYフリークだからかもしれないが、やっぱり私は「Felica系」の決済が一番好きだ!Felica \(^o^)/
⑦でも、やっぱり最後は「現金」という世界はしっかりと残っている。9月の台風15号の翌々日に千葉の実家を訪れた際に、ガソリンスタンドでカード等の決済が不能な状況なので「現金で車1台で20ℓまで給油します」と言われたことを思い出した。

銀行アナリストの日常生活は、こんな具合に旅行先であっても、常に我が国金融業の在り方を考えているのだ。