今日は朝からずっと八ヶ岳オフィスでデスクワーク。「穏やかな秋の1日」という表現がピッタリで、あまりにも気持ちがよいので、1時間半も仕事をすると、ついつい敷地内をふらふらと歩きたくなる。
軽い昼食後にメインウッドデッキのガーデンベッドに寝転がって改めて庭の様子を眺めた。紅葉が美しい。正確に表現すると、黄色く色付き始めた様々な木々の葉が美しい。
ふと、2日前に社主さまが呟いた「八ヶ岳の庭の弱点は赤い葉がない事ね。」という言葉を思い出した。そうなのだ。私も気になっていたのだが、いつの頃からか、我が家の敷地周辺から「赤く色付く木々」の存在感が急速に薄れ、紅葉ではなく「黄葉化」が進んだのである。
理由のひとつは、本宅購入時には、敷地内を見事に赤く彩っていた「ツタウルシ」を私が片っ端から伐採(根元を切断)した事にある。15年程前に私がツタウルシにかぶれて、何週間も苦しんだ事に対する「報復攻撃」だったので、これは仕方ない(正当防衛だ)。
現在、ツタウルシのほとんどは財産区林にまで戦線を後退させている。
もうひとつの理由は、5年前に行われた「財産区林の大規模間伐」であるように思う。間伐の対象となったのは主に「アカマツ」と「カラマツ」であったが、かなりの数の中低木広葉樹も伐採された。
伐採直後の1~2年は、林床の陽当たりが良くなったと喜んでいたのだが、そこに侵入してきたのが「タケニグサ」であった。
あのインベーダーとの戦いも、今となっては懐かしいな….(タケニグサ殲滅戦:https://triglav-research.com/?p=21861)。ちなみに、タケニグサは、現在も健在である。
振り返ってみると紅葉時に「赤く色付く葉」が目立たなくなったのは、やはりあの大規模間伐以降である。
メインウッドデッキから財産区林をじっと見下ろしていたら、背は低いものの「やたらと目立つ赤い植物」が点在している事に気が付いた。早速近付いてみる。
「なんだ、マムシグサかよ。それにしてもちょっと見渡しただけで20本位はありそうだな。以前はこんなに目立たなかったぞ…」 「マムシグサ」はその名前が示す通り、極めて毒性の強い植物だ。だから、あの貪欲な鹿軍団すら見向きもしない。
「外見的には赤いトウモロコシ」である。小学生低学年の頃、友達に「あの赤いトウモロコシは生で食べると甘いんだぜ。」と唆したら、いきなりガブッと囓った。すぐに嘔吐し、その後、失神(心臓麻痺)して大騒ぎになった。
— 勿論、冗談である。
マムシグサほどには目立たないが、赤い袋状の実をならした植物も数株発見。「ホオズキ」だ。こちらは「生薬(鎮痛剤)」として知られてはいるが、アルカロイドを含んでいるので「毒性」もある。かつては堕胎薬として用いられた時代もあった。「薬と毒は表裏一体」なのだ。
マズいな。「森林インストラクターとしての知性と教養」が自然と滲み出てしまっているぞ…
それにしても、ツタウルシ、マムシグサ、ホオズキと自生して生き残った「赤色の目立つ木々や植物」には「危ない」のが多いな。これってもしかして「自然界が発する警告サイン」なのだろうか??
やっぱり「紅葉(もみじ)」を何本か買ってくるしかないか.な。でも、Maple系は「鹿の大好物」だよな…