【縄文土偶探訪記 Revival season Vol.12】伊吹山文化資料館(滋賀県)

探訪博物館: 伊吹山文化資料館(https://www.city.maibara.lg.jp/kanko/rekishi/shiryoukan/4673.html
探訪日: 2019年9月6日
探訪目的: 河童形土偶さん

お盆明けから9月末までは「仕事最優先」の日々を送ったが、例外的に1回だけ土偶さんを探訪した事を見事に忘れていた。とても慌ただしい中での探訪であった上に、土偶さんに関連した資料、パンフレット、グッズ等、一切無しという異例の探訪であったので、まあ仕方ないかな… 

9月5日~6日は、北陸・東海講演巡業。1日目に北陸2県の地域銀行を講演&会食で訪問し、2日目に東海地区での講演というスケジュールだった。2日目は福井からローカル特急で米原に移動し、米原から新幹線利用というルート。東海地区での講演までに、午前中、本当に久し振りに2時間程の空き時間が出来た。

出張の前々日に米原近辺で土偶さんはいらっしゃらないかとダメもとで検索したら、これまでご対面した事のない「河童型土偶」なる写真がヒットした。限られた情報を辿っていくと滋賀県米原市の「伊吹山文化資料館」なる郷土資料館に展示されているとの事。

アクセス方法を調べたら、米原駅から東海道本線で10分程の「近江長岡駅」が最寄り駅である事が判明。まったく土地勘の無い場所だが、乗換案内で調べる限りでは「探訪可能」のようだった。講演の隙間時間を使った土偶さん探訪は6月29日の「江戸東京博物館」以来である。

特急「しらさぎ」で福井駅を発ち、東海道線を乗り継いで近江長岡駅に着いたのは午前11時9分。駅に下りて驚く。予想していた以上にはるかにのどかな「田舎」だ。私の生まれ故郷の最寄り駅である内房線「千倉駅」の方がまだ賑やかな気がする。

近江長岡駅のフォームに下りてその長閑な光景に驚く。目の前に見えるのが「伊吹山」だろうか?

米原へ戻る電車の時刻表をチェックして衝撃を受ける。1時間に2本しかないぞ! 乗換案内で検索間違えたかな? 候補となるのは11時37分発と12時7分発。その次だと乗車を予定している新幹線に間に合わない。

事前の確認では、近江長岡駅から資料館まではタクシーで15分程度程度との事。往復に30分かかるとすると11時37分発は無理だ。12時7分発でも資料館滞在可能時間はマックスで25分程度。久々にタイトなスケジュールの土偶さん探訪である。

幸い、駅前には待ちのタクシーがいたのですぐに飛び乗った。運転手さんに尋ねてみると、資料館には待ちのタクシーなんて勿論いないし、呼ぶにもかなりの時間が掛かる事が判明。このタクシーにそのまま待ってもらう事を即断。

資料館着は11時28分。ある程度時間的余裕を確保するならば、滞在時間は20分程度が限度だ。運転手さんに「15分から20分位で戻りますね。」と伝えて、足早にエントランスに向かった。

入館料200円を支払って「河童型土偶さん」の展示スペースを職員さんに教えてもらう。「2階の4番展示室」との事だったので、迷う事なく直行した。途中の展示室を通り過ぎながら「ああっ、ここも元は学校だな..」と感じた。最近、地方の郷土館や資料館を訪れると「元校舎」である事が多い。

2階奥にある「展示室4」に到着。事前に「土偶さんの展示は1体のみ」である事も確認済み。お目当ての「河童型土偶さん」は展示室の中央にいらっしゃった。

展示室4はこんな雰囲気。写真中央のガラス展示スペースに河童型土偶さんはいらっしゃいました。

展示されているのは胸部から上のみ。確かにユニークなお顔の土偶さんだ。でもどこが「カッパ型」なのかな? 個人的には「八ヶ岳つり目美人系」の土偶さんがちょっと穏やかな表情で嬉しそうにマフラーかなんかを巻いているように思えた。

河童型土偶さんの全体像。残念ながら解説プレートは極めてシンプル。

詳しい解説はなく「米原市指定文化財」「縄文時代中期」「筑摩佃遺跡(出土)」との情報があるだけだ。こういう展示スタイルを見ると、井戸尻考古資料館を筆頭に八ヶ岳界隈の考古資料館の解説情報の充実度合いを改めて実感する。井戸尻なんて解説プレート読むだけで楽しめるものな…

アップで見るとこんな感じ。河童型と言うよりは八ヶ岳系の土偶さんが穏やかになって首に何か巻いているような感じである。

1体だけの土偶さんをあらゆる角度からしっかり鑑賞。勿論、写真撮影も。こりゃ、レア物土偶さんだ!

別のアングルからも写真撮影。銅から下もあったら、かなりボリューム感のある土偶さんで、国指定重要文化財が狙えるかもしれないぞ!
河童型土偶さんの頭頂部。かなり厚みがあるな。

縄文土器の展示も数点あり、展示室4で10分弱の時間を使った。残った時間で他の展示室をサラッと見学。慌ただしいがこういう時間の使い方には慣れている。

土器も数点展示されていた。私が中学生時代、自宅近くの「健田郷遺跡」で発掘(拾い集めて)していたのはこんな感じの土器の欠片だった…

見学を終え、いつもは最初にする資料館全体の写真撮影をし忘れていた事に気が付く。改めてカシャッ。やっぱり元校舎に違いない。

伊吹山文化資料館のエントランス周辺。やっぱり元校舎でしょ…

待っていたタクシーに乗車して時計を見ると11時46分、滞在・見学時間は18分。【縄文土偶探訪記】は、こんな具合に分刻みで動くのも楽しいな… まるで、Season 1や 2の頃に戻ったみたいだ!

これで、【縄文土偶探訪記】の配信は97本目である。記念すべき100本目まで、どんなプランを組んでどう動こうか…