7月3日から東京国立博物館で開催されていた特別展「縄文–1万年の美の鼓動」は本日が最終日。8月30日には入場者が30万人を突破したと、Webニュースで報じられていた。この30万人という数字がどの程度の人気なのかピンとこなかったので、過去の展覧会等の入場者ランキングを検索してみた。
すぐに2017年度の展覧会入場者数トップ30がヒット(http://www.art-annual.jp/news-exhibition/news/70388/)。最終日まで残すところ3日間で30万人突破したのだから、最終的には32万人位までは届いたんじゃないだろうか。だとしたら、2017年度ランキングに当て嵌めると15位前後かな? 会期が2ヵ月と短い事を考慮すると、かなりの人気であったのは間違いない。
私が「かっくうちゃん」に偶然出会って、土偶さんに嵌まってしまったのは2013年11月であった。当時は世の中、「土偶を全国見て回ってる… はあ、何それ?」みたいなリアクションの輩ばかりだった。土偶さんと埴輪の混同なんて当たり前。だが、今回の特別展のおかげで、少なくとも30万人程度が「土偶さんの素晴らしさ」を体感した事になる。あとは、土偶さんや縄文ブームが一過性ではなく、息の長いものとなる事を願うばかりだ。
そう言えば、この2週間程で、今回の土偶さんブームの「裾野の広さ」を実感する事があった。以前、『八ヶ岳稿房』で書いたが、私は日帰り出張用の鞄(RIMOWAアタッシュケース、TUMIのブリーフケース、PORTERのヘルメットバッグ)に「縄文のビーナス」さまのキーホルダーをお守りとして付けている。国宝土偶さんのガチャガチャを自分で加工したものだ(https://triglav-research.com/?p=21597)。
ただ立っているだけで「人嫌い感」や「妙な威圧感」を発する特異な体質である私は(要は、嫌な感じの奴)、見知らぬ人に声を掛けられる事はまったくない。道を尋ねられた事もないし、ビラやティッシュ配り、街頭募金の人達も、何故か私にはほとんど寄ってこない。そんな私が今年の4月に、新横浜駅で見知らぬ女性からビーナスさまのキーホルダーの事を尋ねられるという「希有な体験」をしたのである。
その後は、また誰にも話しかけられる事のない「静かな日常」に戻った。ところがである。8月第4週の北関東出張の新幹線帰路、第5週の近畿出張の往路で続けて「縄文のビーナス」さまのキーホルダーを切っ掛けに、見ず知らずの人に話しかけられたのだ。
新幹線では、隣の席に座った登山帰りらしき中年男性が、鞄に付けたビーナスさまのキーホルダーに気が付いて「縄文のビーナスですね。先日、上野の国立博物館で実物を見て来ました…」なんて感じで語りかけてきた。
近畿出張の時は、新横浜駅で買い物した際に、若い女性の店員さんが、やはりキーホルダーに気が付いて「あっ、ビーナスちゃんですね。かわいいな…」と来た。改めて「縄文のビーナス」さまの知名度とパワーの凄さを実感した次第である。だが、不思議と声を掛けられたのは、すべてPORTERのヘルメットバッグを持っていた時だ。なにかビーナスさまと「相性」のようなものがあるのだろうか?
加えて、この2週間ほどで、『八ヶ岳稿房』の【求む!土偶さん情報(https://triglav-research.com/?page_id=19199)】経由で3件(3名の方から)の土偶さん情報が寄せられたのである。昨年9月に【縄文土偶探訪記】を一区切りつけて終了してからは情報提供は皆無だったので、これにも正直驚いた。
ここまで「土偶さん(或いは縄文)ブーム」の大きなうねりを感じてしまうと、私自身も再び「まだ見ぬ土偶さん」を求めてアクティブに動きたくなってきた。そんなわけで、約1年間の活動休止期間を経て、【縄文土偶探訪記-外伝】を本格的にスタートする事に決めた。
「外伝」については ①ノンビリと気楽に回る(分刻みのスケジュールなど組まない) ②失敗談もしっかりと綴る ③可能であれば学芸員さん等の説明をしっかりと聞く という3点にこだわろうと考えている。