『八ヶ岳ライフの作法』作りを始めた — まずは「珈琲の愉しみ」から

荒川じんぺいさんが自身の八ヶ岳ライフを綴った「週末は森に棲んで」「僕は森に家出します」「森の作法」の3冊の本を、私は勝手に『森の3部作』と名付けて愛読書としている。

この内、ロンドン出張の帰りの機内で偶然に読んだ「週末は森に棲んで」は、八ヶ岳に第二の拠点を設けようと決める切っ掛けになった本だ。もう20年も前の事になる(https://triglav-research.com/?p=15394)。

これに対して「僕は森に家出します」は、その後の実際の拠点探しの羅針盤(コンパス)の役割を果たしてくれた。「森の作法」は、森を愉しみ、森と共に生きる「八ヶ岳ライフ」のバイブルとも言える存在である。

先月末の近畿・中国地区の出張の際には、帰りの新幹線で久し振りに Kindle版「森の作法」を読んだ。改めて「本当に良い本(良著)だな…」と感じた。八ヶ岳ライフに対する一貫した思想(フィロソフィー)のようなものが軸にあって、ブレのない本である。だから繰り返し読んでも飽きないのだと思う。それに『作法』って言葉の響きがとても素敵だ。

翻って、19年目を迎えた「我が八ヶ岳ライフ」は、何とも慌ただしい。楽しいと言えば「超楽しい」し、充実はしているのだが、何しろ好奇心の赴くままに色々と手を出してしまう性格なので「一貫性」がない。その上、酔狂にも会社のオフィスまで八ヶ岳に構えてしまったので、プライベートと仕事の境界まで曖昧になって(自身でそうして)しまった。

「森の作法」を読み終えた後、やっぱり私なりの「八ヶ岳ライフの作法」を作り上げていく事が必要だなと実感したのである。「川崎自宅とは違った八ヶ岳だけでの愉しみ」とか、「仕事の事を一切忘れる八ヶ岳での一時」のようなものを改めてしっかりと築いていこうと決心した次第だ。

その有力候補のひとつとなったのが「珈琲の愉しみ」である。味覚音痴の私が、最近になって珈琲の味の違いがわかるようになって、Panasonicの珈琲メーカー「NC-A56」を衝動買いした事は既に『稿房通信』で記した(https://triglav-research.com/?p=23508)。

その後、八ヶ岳珈琲工房「テーブルランド」さんや珈琲の味の違いがわかる切っ掛けとなっったダイヤモンドコーヒーさんのブレンド豆(お試しセット)を購入して飲んで(味わって)みた。本当に不思議なのだが、気のせいではなく、しっかりと違いがわかった。そして兎に角、美味しい。正直、「珈琲ってこんなに美味しいものだったんだ」と56歳になって初めて知った。

本当に不思議なのだが「味覚音痴」を自覚していた私が、何故か急に「珈琲の味と香りの違い」がわかるようになってきた。とりえあず2つのショップから色々なブレンドのお試しセットを購入。味の違いがわかる。そして、本当に美味しい!

急に「味覚」らしきものが芽生えた理由については、改めてリサーチする必要があるだろう。だが、そんな事はさておいて、これから「八ヶ岳だけで味わうお気に入りの珈琲探し」を愉しもうと考えている。

色々な珈琲を味わうようになってから、今度は「器(マグカップ)」の事が気になってきた。最初は何も考えずに、元々保有していたスタバのマグカップ2つを使っていたのだが、あまりにも味気ない。もう少し、色々な器で珈琲を愉しみたいと思い、とりあえずAmazonで見た目の気に入ったのを3つ程追加購入した。その日の気分で、珈琲豆と器の組み合わせを変えると、何となく気分が豊かになった。

珈琲豆とマグカップは書棚の同じコーナーに無造作に並べていたのだが、手狭になってきた。それにマグカップの造形(造作)はよく見るとそれなりに美しい。書棚に重ねて並べるのは勿体ない事に気付いた。

そんなわけで、前回、八ヶ岳オフィスを発つ前の朝に、閃くものがあって、有り合わせの部材を使ってマグカップ用のディスプレイ棚をササッと拵えてきたのである。作業所要時間は30分にも満たない。「小細工の魔術師」の本領発揮だ。そして、気になっていたオフィスのログ壁固有の割れ目を覆い隠してくれたので正に「一石二鳥」となった。

川崎自宅に帰る準備をしている際に、ふと、オフィスログ壁の割れ目に目が止まった。Boseのサウンドシステムの上の部分で結構目立つ(2カ所)。Land Roverのポスターで隠せない右側の部分をちょっとお洒落に細工しようと閃いた。
八ヶ岳本宅ホビールームに「戦闘機のダイキャストモデル」をディスプレイする際に購入して使わなかったウォール・シェルフの部材が4枚残っていた事を思い出し、急遽、マグカップのディスプレイ棚を拵えた。所要時間は30分弱。目立たないが、シェルフの前にはアクリル版を貼り、シェルフの上部にはデスクマットをカットして滑り止めとしてある。勿論、どちらも余った部材をカット。すべて残材で対応したのでコストはゼロだ!
壁の割れ目は目立たなくなり、マグカップの造形も楽しむ事が出来る。あと2つ程、お気に入りのカップを揃える事にしよう!

お気に入りのカップをもう2つ程探そうかな… こうして、新たな「八ヶ岳ライフの作法作り」は『珈琲道』からスタートした。

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