ビジネスも野鳥と共に!「野鳥ピンバッジの効能」

「日本野鳥の会」の2018年~2019年の会員証が川崎自宅に届いた。JAF会員証とかと同じで、会員番号を見れば「入会年」がわかるようになっている。私の場合は1997年。今年でもう22年目。19年目を迎えた八ヶ岳ライフよりもさらに長いお付き合いである。

私が一方的に「八ヶ岳ライフ」と「庭作り(ガーデニングという言葉よりもこちらの表現が好き)」の「心の師」と仰ぐ「柳生博」さんが第5代の会長に就任なさってからは、より(勝手な)親近感を覚えるようになった。八ヶ岳の敷地内で「野鳥さん用のレストラン3店舗」を運営しているのは何回も『稿房通信』で紹介(例https://triglav-research.com/?p=12130) しているので、旧『銀行業界鳥瞰図』時代からの読者の方はよくご存じだろう。

レストランを訪れる野鳥さん達には、モデル代無償でWebのヘッダー写真(ランダム表示ではあるが)にもご登場いただいている。3軒の保有していた「貸家(https://triglav-research.com/?p=2517)」は老朽化が進み、一昨年秋に解体した。昨年は貸家稼業は1年休業(多忙で巣箱を造る暇がなかった)。今年は新しい造形の貸家を何軒か造ろうと目論んでいる。

「日本野鳥の会」のHPには、インターネット上で気軽に申し込める「寄付」のページがある(https://www.wbsj.org/support/kifu/index.html)。その種類は、バードメイト寄付ら「高額寄付・遺贈」まで様々だ。最もお手軽なバードメイト寄付は、希望すれば寄付の口数分に応じた愛らしい、その年の「野鳥のピンバッジ」を送ってくれる。

そのひとつ上の寄付コースは「シルバーブローチ寄付」と呼ばれている。バードメイトと同じように口数分に応じたピンバッジを受け取れるのだが、こちらは「GINZA TANAKA特製で純銀製」となっている。私は新しいピンバッジが出る度に、この2つのコースの寄付を続けて来た。何年前からだったかは定かではないが、まだ、インターネット上のクレカ決済ではない、「郵貯振込」の時代からである。

こちらが「バードメイト寄付」で送られてくるピン・バッジ。数えたら15種類あったので、少なくとも15年は寄付を続けているのだと思う。造形は愛らしく、カラーリングも美しいのだが、ビジネススーツのピン・バッジには、ちょっと派手なので「純粋にコレクション」として保存している。

スーツにピンバッジ(ラペルピン)を付けるような主義ではなかったため、送られてきたピンバッジはそのまま保存袋で眠っていた。私は、所謂「社章バッジ」というのが大嫌い(社畜の証)だ。特に社会人として初めて働いた会社の社章は「ヘトヘトマーク」として金融業界では有名なもので、それを付けるのが嫌で嫌で… その後、外資系投資銀行で働くようになって最初に嬉しかったのは「社章バッジが無いこと」だった。

だが、ここ数年、社章以外のピンバッジをスーツにお洒落に付けるビジネスマンが増えてきたように感じていた。そんな折(数年前)、四国の某地方銀行の頭取にお目に掛かった際に、自転車をモチーフにした上品なピンバッジ(おそらくプラチナ製だとその時は思った)をさりげなく身に付けている事に気が付いた。「なんてお洒落なんだ…」と結構、感動した。あんな感じなら、私も、ピン・バッジ付けてもイイかな?

四国の出張から戻るとすぐに、楽天やAmazonで、スーツ用のピンバッチを検索したのだが、どうも私の趣味に合う物が無い。やたら派手な造形なのやキラキラと安っぽい感じの物、「家紋」タイプに至っては、まだ社章の方がマシなんて思えた。

そこでふと思いだしたのが、野鳥の会の「GINZA TANAKA特製シルバーピン・バッジ」である。純銀製でそれなりの重厚感があるし、何よりも個々のピンバッジの造形が派手さがなく美しい。

こちらが「シルバーブローチ」寄付で送られてくるピン・バッジ。GINZA TANAKA特製で純銀製である。ピン・バッジ型は現在6種類。左上から、「マガン」「コアジサシ」「タンチョウ」、左下から「ツバメ」「シマフクロウ」そして「フクロウ」である。右下はハットピン。

当時はまだ4種類しか揃っていなかったが、四国の次の九州出張で、勇気を出して「ツバメ」を付けてみた。すると、最初に訪れた銀行の受付の女性に「すてきなブローチですね!」と声を掛けられた。「オオッ、これはイケるかもしれない。」とちょっと思った。

帰りの便のANAのCAさんも「お洒落なピンバッジですね!」とお誉めの言葉。もっとも、ANAのCAさんは、時計、ペン、トリグラフスーツを纏ったiPad Pro等々、社主さま(家内)が隣に座っていても、やたらと褒めてくるので(おそらくマニュアルなのだろう)話半分だ。だが、スーツに付けたピンバッジが、私が思っていた以上に目立つことを知った。

その翌日、東京での仕事の際には、思い切って、ちょっと愛らしい「フクロウ」のピンバッジを付けた。すると、某プレスの女性記者さんと面談の際に、ピンバッジを指差して「それは知恵の神のお守りですか?」と、これまた超お洒落な質問を受けた。「ああ、ミネルバのフクロウか…」とこちらの知性まで問うてくるような「粋」な振り方である。

「豚もおだてりゃ木に登る」ではないが、こんな事が続いたので、あっという間に「野鳥の会のシルバー・ピンバッジ」は、私のビジネス(スーツ)のお供になってしまった。現在、ピン・バッジスタイルの物は6種類。季節や訪問先、スーツの色等、組み合わせをアレンジしながら重宝に使っている。

そして、相変わらずかなりの頻度で、この野鳥さんピン・バッジは会食の場などで、ちょっとした話題になる。野鳥さんファンは、潜在的な層も加えると、それなりに広いなと感じるのだ。ビジネストークのネタのひとつという意味で「仕事術(Lifehack)」の一環になりつつあると言えなくもない。

ちょっと面倒なのは、社名の「トリグラフ」の「トリ」を「野鳥」の事だろうと勘違いする人が少なからず存在する事だ。社名の由来については『稿房通信(https://triglav-research.com/?p=20233)』でも記しているが、野鳥さんとは無関係である。

当面は、この野鳥さんのシルバー・ピンバッジもお守り的な感覚で身に付けていこうと考えている。
「ビジネスも野鳥と共に」ってのは、野鳥の会会員としての「酔狂」である。