『トリグラフ流ダイエット日記』④—挑戦の切っ掛け(後編):あのブタさんは誰?

トリグラフ流ダイエット挑戦への切っ掛け「後編」に移る事としよう。

④ あのブタさんは誰?: NHKニュースに映った醜い姿

今年7月、愛媛出張時に台風の直撃を受け、移動手段を閉ざされて松山駅で途方にくれている私の姿が、ほんの数秒であるがインタビューに答える形で、NHK全国ニュースで3回放映された。これについては、既に、稿房通信で報告済みである。NHKパワーは強力で、10月の全国講演でも至る所で、これが話題になった。たったあれだけの時間なのに、よく私だとわかったなと不思議に思う。私が、あのニュースを最初に見たのは、会食を終えたホテルの部屋だった。「えっ、あのブタさんが私か?」— 絶句した。自分の頭の中には、若い頃のスマートな姿が残像として焼き付いてたようで、ホテルのテレビの映像機能が故障しているのでないかと疑ってしまった。

出張から川崎自宅に戻ると、大きなお世話だったのだが、家内がニュースの内の1本を録画していた。最初は、偶然にNHKを見ていて、そこに映った私の姿に驚いたそうだ。もしやと思い、次の全国ニュースを録画予約していたら案の定という事だったらしい。見たくもない録画映像を強制的に鑑賞させられた上に、最後に「超デブだね…」と一言。ホテルのテレビに異常がなかった事を知ったのはこの時だ。

⑤ あのブタさんは誰?: 鏡に映った醜いダブルの略例服姿

7月の下旬に家内の親戚に不幸があり、葬儀に出席する事になった。当然ながら略礼服を着る事になる。クローゼットの中から、ゆったり目に作ったダブルのスーツを選んだ。着用するのは何年ぶりだろうか? ズボンを穿こうと思ったらウエストがキツい。アジャスターをウエスト最大に拡大したら、かろうじて穿く事が出来た。

葬儀場に着いたら、入り口の近くに大きな鏡(姿見)があった。そこには、胃と下腹部が大きく膨らんだ醜い中年のオッサンの姿が映っていた。あれは誰? ここは何処? 私はブタさん? 呆然と立ち尽くした。脇にいた家内がまた一言。「やっぱり超デブだね…」 ルビコン川を渡った私が、alea iacta est (賽は投げられた!)と心の中で叫んだ瞬間だった。

二度の「あのブタさんは誰?」ショックで、私は「ブタ積みと政策投資株式で醜く水膨れした我が国銀行のバランスシート」と自身の姿を完全に重ね合わせてしまった。「異次元金融緩和の出口なんて見い出しようもないだろう。でも、私は変わる事が出来る! そう2人のS先生のように.」— そう信じて、前に進む事を決めたのだ。

⑥ 糖質制限ダイエットは「縄文人の生活」への回帰

1人目のS先生(都市型地方銀行の元会長さん)から炭水化物ダイエットのお話しを聞いて興味を抱いた私は、翌日、関連電子書籍を2冊購入して、その内容をもう少し詳しく学んだ。最終的にはダイエットに関連して10数冊の本を読んで、トリグラフ流ダイエットに至るのだが、これは別の号で触れようと思う。実は、購入した書籍の幾つかに、『糖質(炭水化物)制限ダイエットは、稲作普及以前の狩猟・採集生活をベースとした縄文人の食生活に回帰する事を意味する』といった類の、心の琴線に触れる表記があったのだ。

こんな土偶さん達を崇め暮らしていた「縄文人」を本当に尊敬するし、羨ましく思う。写真は「5大国宝土偶」のミニチュア。全国各地の考古系博物館に置いてある「300円ガチャガチャ」で地道に(実は結構派手に)集めたもの。右奥の「かっくうちゃん」だけ、なかなか出てこなかった。
こんな土偶さん達を崇め暮らしていた「縄文人」を本当に尊敬するし、羨ましく思う。写真は「5大国宝土偶」のミニチュア。「300円ガチャガチャ」で地道に(実は結構派手に)集めたもの。右奥の「かっくうちゃん」だけ、なかなか出てこなかった。

私の『縄文土偶サン』好きは、旧『銀行業界鳥瞰図』や稿房通信の読者諸氏はご存じであろう。もっとも、Webのトップ・ページは、縄文土偶の写真がズラッと並んでいるのだから誰が見てもそう思うだろうが… 土偶さん達と同時代を生きた「縄文人の生活」への回帰。こりゃもう、挑戦するしかない。背中をド~ンと押されたのだ。

前後編2回に分けたが、以上が、私が人生初の本格的ダイエットに取り組んだ切っ掛けである。我ながら、粋でテキトーな内容だと思うが、人生なんて、まっ、そんなもんだろう。

トリグラフ・リサーチ 稿房主

『トリグラフ流ダイエット日記』 Vol.4