土偶さん(縄文)ブームが凄い事になってきた — 私の縄文関連お奨め本

八ヶ岳を離れて今日で9日目。『八ヶ岳稿房』のメインコンテンツである「八ヶ岳ネタ」は、この間、まったく書いていない。にほんブログ村も卒業して2週間以上が経過しているので、ビュー(アクセス)数は激減しているかなと思ったのだが、予想に反してまったく減っていなかった。いやむしろ、週間単位で見ると先週は2割弱増えていた。一体何が起こっているんだ??

記事別カウント数の上位を確認して、理由はすぐに判明。【縄文土偶探訪記】関連がトップ20にズラッと並んでいるのだ。「土偶さん(縄文)ブーム、一気に次のステージに移行したな」と確信した瞬間だった。理由におおよその見当は付く。上野の東京国立博物館(トーハク)で7月3日から開催中の特別展「縄文―1万年の美の鼓動http://jomon-kodo.jp/の影響に違いない。

国宝土偶さん5体に加え、新潟県十日町市笹山遺跡出土の国宝「火焰型土器」も出展され、「縄文の美」の頂点が一堂に会するのだ。私は、勿論、「土偶さんペンライト」「土偶さんパペットタオル」付きの特別鑑賞券(数量限定)を社主さま分と2枚購入済みである。でも、まだトーハクを訪れていない。多忙という事もあるが、尖石縄文考古館が誇る2大国宝土偶「縄文のビーナス」さまと「仮面の女神」さまの展示が7月31日からである事を事前にリサーチ済みだからだ。

5月26日のトーハクでの「縄文にハマる人々」試写会(http://triglav-research.com/?p=22188)の際に、事前リサーチを怠って、しゃこちゃんが「お休み中」である事を知らずに参加。社主さまからの信用を失墜してしまった。同じ失敗を繰り返す人間は無能である。そうならないために、今回は「目玉展示物」の出展期間をしっかりと確認済み。やっぱり、どうせ鑑賞するなら「国宝土偶さん5体の本物勢揃い」でなくては意味が無い!

私が、縄文土偶さんの魅力とパワーにすっかり嵌まってしまったのは、2013年11月15日、弊社の役員慰安北海道旅行で、偶然、国宝土偶「かっくうちゃん」(たった一体)にご対面したのが切っ掛けだった。トーハクには、現時点でも「かっくうちゃん」「縄文の女神」「合掌(祈り)の土偶」に加え、重要文化財級の土偶さん達が大集合している。博物館を訪れた人達の多くが、何かしらの「土偶さんパワー」を感じ取ったに違いないと、私は推測している。

加えてTVでも、最近、良質な土偶さん特集がいくつかあった。7月16日のNHK BS「土偶ミステリー~日本最古のフィギュア その謎に迫る~」や今日の午後8時からのNHK Eテレ『日曜美術館「縄文“美”の発見」』なんて(放送が終わったばかりだが)、土偶ファンからすれば堪らない内容であった。今週の週刊文春の巻末では「今ドキ 土偶をつくる人たち」と題して写真4ページで「現代の土偶作家」4名とその作品を紹介。これも斬新でお洒落な特集である。

こうして、様々なイベントやTV番組、出版物等を通して「土偶さんファン」の裾野が拡大して行く事は、とっても嬉しい。だが、一方で、「土偶さんの愛らしさ(キュートさ)のみに惹かれた一過性のファン層も多いのかな?」という気がする。土偶さんに興味を持った方には、是非、「縄文文化」の素晴らしさについても知って欲しいというのが私の願いだ。

私は、かっくうちゃんに出会って以降、新泉社のシリーズ「遺跡を学ぶ」も含めれば、既に60冊以上の縄文関連の書籍や写真集を読破してきた。これらも「田舎暮らし推奨本」と同じく「玉石混淆」であり、私的に「本物(繰り返し読む価値がある)」と評価できる本はそう多くはない。そこで、『八ヶ岳稿房』を訪れてくれた土偶さんファンのために、私の「お奨め本」を紹介したいと思う。

まず、新泉社の「遺跡を学ぶ」シリーズは、ほとんどが合格点の「良書」揃いで自信を持って推奨できる。興味を持った土偶さんやその出土遺跡に関連したものを読むと、縄文時代に対する視野が一気に拡大すると思う。やはり専門の研究者が熱い思いとこだわりを持って執筆しているので内容の「濃さ」が違う。

新泉社シリーズ「遺跡を学ぶ」の内の1冊「仮面の女神さまの復元」をテーマにした第120巻。著者の守矢氏は尖石縄文考古館の館長さんである。「遺跡を学ぶ」シリーズを読み始めてから、やはり「遺跡(土偶)」関連本は、専門の研究者が書いたものを読むべきであるなと痛感した。記述内容の正確性や遺跡・土偶に対する思い、こだわりなど、お手軽な入門書とは迫力がまったく違う!

土偶さん本入門書で最高なのは、今年1月に再刊された江坂輝彌先生著「日本の土偶 (講談社学術文庫)」であり、この本はKindle版もある。Amazonの書評は今ひとつのようだが、これは掲載されている写真が白黒で土偶さんの魅力を伝えるには、ちょっと迫力不足であるためかなと思える。文章の内容は「妙な思い込み」のようなものがなく、客観的記述で読み応えがある。

江坂先生の「日本の土偶」も名著である。Amazonでの評価はあまり高くないが、私は「読みやすい本」と「良著」は別だと思う。土偶さんに興味を持った方は、是非、この本としっかりとした写真集をペアにして読み進めて欲しい。

ゆえに「日本の土偶」と「質の高い」土偶さん写真集を組み合わせて読めば「土偶ワールド」の全体像をしっかりとイメージする事が出来るだろう。写真集には2~3冊有力候補があるが、やっぱり一番のお奨めは土偶・コスモス(羽鳥書店)」だと思う。私は、川崎自宅用と八ヶ岳オフィス用に2冊購入して、縄文土偶探訪を続ける際に、何回も読み直して、付箋をぺたぺた貼って使い回した。八ヶ岳ライフにおける「風景を作る人柳生博(タツミムック)」的役割を果たしてくれた「導き本」である。

但し、この本は、MIHO MUSEUMの「土偶・コスモス展」公式カタログなので、掲載されている土偶さんにちょっと偏りがある。それを補完してくれたのが、「縄文美術館(平凡社)」であった。今日、この記事を書いている際に、7月3日に「新版 縄文美術館」が出版された事を知った。【縄文土偶探訪記】を終えて以降は、「遺跡を学ぶ」シリーズの新刊だけを気にしていた私の手落ちであった。勿論、Amazonですぐにポチッ。旧版は2013年3月の発行だったので、5年以上の時を経て、新版がどれだけ進化しているか楽しみである。

また、美術的な観点から一番好きな写真集は、縄文の夜神楽(エクセレントライフ株式会社)」である。これはモノクロームの写真集で、掲載されている土偶さんや土器の数は限定されているので、「知識を広める」という用途には向いていないが。有名土偶さんの「神秘性」が伝わってくると意味では、個人的にとっても好きだ!

土偶さん関連の写真集には良著が2~3冊ある。敢えて1冊選ぶとすれば、この「土偶・コスモス」であろう。アートという観点から土偶さんを見るには最高の本である。もう1冊推奨するとすれば「縄文美術館」かな? 「図鑑」的な本も色々な物が出ているが、私にはどれも物足りなかった。監修者や著者の「思い込み」のようなものが押し付けがましい本も少なからずあった。「土偶さん」が何であるかは謎のままで構わないし、見る人個人がイメージすればよいのだ。私は「想像を膨らませてくれる」ような本が好きだ。

今回のトーハク「特別展」が、我が国で1万年以上もの長きに亘って続いた「縄文文化」の素晴らしさを再評価するカタリストになって欲しいと心の底から願っている。そして、我が『八ヶ岳稿房』の【縄文土偶探訪記】がその一助となれば幸いである!