NHK Eテレが一昨日(7月29日)に放送した『日曜美術館「縄文“美”の発見」』が、あまりにも素晴らしい内容だったので、本放送視聴後、川崎自宅デスクトップPCの録画をもう2回も見直してしまった。どこに感動したかというと、『縄文のビーナス』さまの1995年国宝認定に至る関係者の努力、苦労、そして喜びまでをしっかりと伝えてくれた点である。
ビーナスさまの構造を知るために諏訪中央病院で行ったX線やCT撮影、1,000ページ超の棚畑遺跡調査報告書作成、そして、美術的価値を海外からの評価を高める事で国内で再認識させた戦略などが紹介された。土偶さんファンである私は、そんなストーリーの概略は勿論、知っていた。だが、発掘や国宝申請に関連した「当事者」が登場し、当時の思い出や苦労を語ったのが感涙ものだった。
当事者とは、ビーナスさまの発掘に立ち会った守矢昌文先生(現尖石縄文考古館館長)、ビーナスさまの生誕地「棚畑遺跡」の発掘責任者であった鵜飼幸雄先生(国宝土偶「縄文ビーナス」の誕生―棚畑遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」著者)、そして、国宝選定担当の元文化庁職員 土肥孝先生(私が会員となっている国際縄文学協会の理事さん)の3名である。おそらくは、縄文のビーナスさまを語る上で「最強・最高のトリオ」であろう。このお顔ぶれで番組制作できるなんて、さすがNHK Eテレである!
さらに、ゲストは建築家 藤森照信先生であった。藤森先生は、『八ヶ岳稿房』コンテンツのひとつである「樹の家への途(弊社ツリーハウス建築への道)」において紹介した『空飛ぶ泥舟』と『高過庵』(https://triglav-research.com/?p=18772)、茶室『徹』(https://triglav-research.com/?p=20692)の設計者(作者)なのだ!
そんなわけで、番組の途中からは「土偶さんとツリーハウス」が頭の中をクルクル回っているかのような錯覚を覚えた。最近は、珈琲道、温泉道楽にドローン熱等々、さらに色々な事に手を伸ばしつつある自身をちょっと反省(決して止めはしないけれど…)。
「八ヶ岳縄文道」についてはこれからも着実な歩みを続けようと思うし、「夢のツリーハウス」の建設も必ず実現するぞと心に誓った。この番組は、私の人生の節目に度々登場する「サインポスト(道標)」のひとつだったのだろう。
そんな事を考えていた時に、ふと気が付いた。「八ヶ岳縄文道」で「縄文のビーナス」さまをまだ紹介していなかったような… 確認してみたら「ちゅうた君」「仮面の女神さま」「ウーラちゃん」「あきちゃん」「ラヴィさん」、そして「姥ヶ沢のビーナスさん」の6体までで中断となっていた。ああ、やっぱり…
そんなわけで、急遽、「縄文のビーナス」さまを紹介する事に決めた。「仮面の女神」さま以上に有名な「国宝土偶」さまなので、細かい解説は一切不要と思う。ちなみに、今回のトーハク特別展の展示作品リストには、以下の記載がある。
No. | 指定 | 作品名称 | 作者等 | 員数 | 時代・世紀 | 所蔵 | 展示期間 |
80 | 国宝 | 土偶 縄文のビーナス | 長野県茅野市 棚畑遺跡 | 1個 | 縄文時代(中期)・前3000~前2000年 | 長野・茅野市)茅野市尖石縄文考古館保管) | 7/31~ |
「縄文のビーナス」さまが、縄文土偶として初めて「国宝認定」の壁を突破してくれたので、その後4体の「国宝土偶」さん達が誕生したのであるから、正に「パイオニア」である。
私が数ある土偶さんの中で1番大好きなのは「仮面の女神」さまである。「縄文のビーナス」さまは、順位付けするのが憚られる程に「神々しい」。私にとっては「特別な存在である土偶さんの中でも格別な位置付け」にあるのだ。
この何とも言えない「たおやかなお姿」を縄文人達は長きに亘って崇め、そして慈しんできたに違いない!