気が合いそうな彼—その名は「シメ」くん

昨年12月20日の新規開店以来、野鳥のレストラン2号店「スゴン」は、連日、満員御礼の状況が続いている。

野鳥レストラン2号店「スゴン」は、開店初日からカラ系さんを中心に満員御礼の状態が続いている。

1号店「プルミエール」や3号店「ティエル」とは違い、オフィスの窓から2.7m程の場所に設置してあるので、野鳥さん達の様子が実にリアルに観察できる。

既に給餌皿をステンレス製のやや深めの構造のモノに変更して店舗改良も行った。

スゴンの購入時のオリジナルスタイル。左の給水皿は冬の間は水はすぐに凍ってしまうので不要。右のネット状の給餌皿はちょっと浅すぎることが判明。ヒマワリの種が簡単にこぼれ落ちてしまうのだ。
さっそくスゴンを改良。同じ直径18cmのステンレス製のネット皿(ざる)に置き換えてみた。

営業歴の長いプルミエールとティエルでは、来店頻度は異なるものの、これまで20種類程度の野鳥の来店を確認済みだ。

これに対して、まだ営業開始から3週間程のスゴンでは、主力のお客様は「カラ系」であり、これに「仲良しキジバトペア」と「無法者集団イカル」が毎日のように来店してくる。

確認済みの来店客は「ヤマガラ」「シジュウカラ」「ゴジュウカラ」「コガラ」「キジバト」「イカル」のまだ6種類。

これに直接の来店は無いものの、すぐ脇のコナラの木に「アカゲラ」が様子を眺めにやってくる。

まだ野鳥の間でスゴンの知名度が高くないのだと思うが、それ以外にも「窓が近い」という点が一部の野鳥さんに警戒心を抱かせているのかもしれない。

実際、私がオフィスの中で動くと、慌ててスゴン来店中の野鳥が飛び立って逃げる事が時々ある。

野鳥側からオフィス内の様子は結構はっきりと見えるのかもしれない。

そんなスゴンに、昨日から新たなお客様が来店するようになった。

「シメ(蝋嘴鳥)」である。

シメ(蝋嘴鳥)のスゴンへのご来店を初確認したのは、昨日の昼前だった。

元々、1羽、または、小さな群れを形成して暮らす野鳥であるが、我が家のお客様は「1羽主義」のようだ。

今朝飛来したシメ君が昨日と同じ個体であるかは不明。だが、悠然と「一人飯」を楽しんでいた。

食事風景は、カラ系の「仲良く順番待ちのタッチ&ゴー」、イカルの「集団食い散らかし」、キジバトペアの「夫婦仲良くノンビリ」等とはまったく異なる。

所謂「一人飯」がお好きなようだ。

来店前は、オフィスウッドデッキの脇のコナラの枝に留まって注意深く周囲の様子を観察している。

あっ、目が合った。でも飛び立つことはなかった。見事な位に八ヶ岳の冬景色に溶け込む羽の色である。

そして、他のお客さんが来店中でない事を確認すると、サッと素早く給餌皿に飛来して、貸し切り状態のお店で優雅に食事を楽しむ。

だが、小刻みに頭を動かして周囲の様子を窺っていることがわかる。

相当慎重なタイプである事は間違いない。

まるで、公安警察にマークされているのを警戒しているかのようだ(私はマークされたことはないけれど…)。

そして「一人飯」でも決して長居はしない。

他の野鳥がいなくても、1~2分もすると飛び去って行くのである。

この食事マナーの良さが「居座り&乱闘」が当たり前のイカルとは大きな違いだ。

う~ん、スマートな食事スタイルに好感が持てるな…

「Stand Alone」という言葉がピッタリな野鳥だと思った。

雄か雌かは判別が付かなかったが、何となく「雄(彼)」のような気がした。

私は「彼」とは気が合いそうだ。

「シメ」の立ち居振る舞いは、人間の私から見ても参考になると思う。

「夫婦仲」という意味では「キジバトペア」が理想の姿だな。

野鳥から学ぶ事は実に多いのだ…

 

by『八ヶ岳稿房主』