八ヶ岳滞在は今日で早12日目。
ビジネスの方はとっくに「巡航」状態にあるが、プライベートは、ちょっとマッタリモードが続いている。
コロナ禍の影響で先送りになっていた長男の結婚式を来週に控えていることもあるのだが、どうも何となくふわふわ感があり「趣味の資格試験勉強」もやや滞り気味だ。
こりゃいかん!ちょっと気を引き締めよう。
そう考えて、昨日、まずは「縄文検定中級」用の参考図書を書棚から選び出す作業に着手した。
試験そのものは、昨年と同様の開催時期となるのであれば今年の10月下旬の予定である。
初級受験前は、いきなり「上級」から受験しても合格できるだろう位の自信があったのだが、初級合格証を受け取る際に「油断大敵」だなと感じた。
尖石の学芸員さんから「中級からは一気に試験のレベルが上がって、かなり難しくなりますよ!」と宣告されたのである。
その上で、中級用の「参考図書リスト」を手渡された。
幸い、すべて既に保有済みの本だった。
「なんちゃって初歩系」の本もあったが、新泉社の「シリーズ遺跡を学ぶ」なんてガチ系の本もしっかりと含まれていた。
「三十三番土偶札所巡り」を結願してから既に2年半が経過。
この間、縄文系の本には一切目を通していなかったので、忘れていることも多いだろう。
やっぱりこの際だから、もう一度、しっかりと勉強しようと決めた。
中級用参考図書だけ抜き出した後、改めてオフィスロフト下の書棚の一画にある「縄文系書籍」のコーナーも整理することにした。
写真集も含めると関連書籍は50冊を超えていた。
ビジネス系の蔵書に数の足元にも及ばないが、それなりのコレクションである。
ふと、1冊の本の背表紙に目が留まった。
タイトルは「甦る高原の縄文王国~井戸尻文化の世界性」。
富士見町が誇る「井戸尻考古館」編で2004年に言叢社から出版された本だった(全315ページ)。
ああっ、これ本当に素敵な本だったな…
私の縄文蔵書コレクションの中では、間違いなく「Best 3」にランクインする良書であった。
最後に読んだのはもう5~6年前かな?
この本の中には、宮崎駿先生の「富士見高原はおもしろい」という講演録が収録されていて、それがまた斬新で面白い内容なのだ。
「中級試験」の参考図書ではなかったが、思わずこの講演録を読み返してしまった。
宮崎先生の「稗之底村」のかつての姿・役割に関する推論は何度読んでもユニークだ。
そして「富士見町に対する愛情」のようなものが講演内容全体から滲み出ていた。
さすが、先生の監督作品『もののけ姫』に、「乙事(おっこと)」「甲六(こうろく)」「烏帽子(えぼし)」といった富士見町ゆかりの地名を用いただけのことはあるな!
そう言えば『風立ちぬ』や『千と千尋の神隠し』でも富士見に関係したシーンが登場するよな…
宮崎先生の講演録だけ読むつもりだったのだが、勢いでその次に収録されている中沢新一先生の「先史諏訪の世界性」まで読んでしまった。
思えば、この講演録が私が「ミシャグジ神」に興味を持つ切っ掛けとなったのだ。
こんな素敵な本を富士見町と井戸尻考古館が共同して発行するなんて、やっぱり、富士見の文化レベルって本当に高いんだな!
富士見町図書館が貸出した人口1人当たりの図書冊数が、全国の同規模自治体の中で、かつて18年連続で全国首位であった事もなんとなくうなずける気がした。
実は、宮崎先生や中沢先生の講演の中で、繰り返し面白いと紹介されていたが、既に「絶版」で入手できなかった本が2冊あった。
1冊が「富士見町史(上巻)」、もう1冊が藤森栄一先生の「かもしかみち」であった。
まあ、ダメもとで改めて Amazonで検索してみるか…
えっ、「かもしかみち」は昨年の6月に「復刻発行」されているぞ (°0°)
でも「富士見町史」の方は、さすがにAmazonでも古本を含めて取扱は無かった。
最後の望みを託して「日本の古本屋」で検索。
すると、あっ「1冊だけあるぞ! それも上巻だけだ。」
以前に探した時は、古本でも見つからなかったのである。
価格は5,000円と新刊時と同じであったが、このチャンスを逃したら入手できないと判断した。
結局、2冊合わせて7,640円の「紙の本」を即、購入。
電子書籍以外の本をネットで購入するのは久し振りだ。
それに、この書籍代はさすがに「会社経費」では落とせないな。
まっ、イイか。
「知的好奇心」を満たす欲求に対しては、ケチっちゃダメだもの…
by『八ヶ岳稿房主』