1984年4月に国内の証券会社に新入社員として入社して以来、38年間ずっと金融業界で働いてきた。
その後、外資系投資銀行4社に、中央銀行等々、働いた会社は様々だが、1989年(平成元年)からの34年間は金融のメインストリームのひとつである銀行業界の調査・分析・助言業務を一貫して続けている。
ゆえに、自分のことを「金融のプロ」だと思っている。
これまでビジネスで係わってきた人達も、そう評価してくれているものと勝手に信じ込んでいるのだ。
その「(自称)金融のプロ」から見て、ネット上に氾濫している広い意味での「金融(お金)」に係わる情報の多さは異常としか思えない。
同時に、配信されている情報の「質の低さ」や「正確性の欠如」に呆れたり、ちょっと恐さを覚える。
まあ、読んだ後に思わず「ぷッ」と吹き出してしまうような低俗な内容が少なくないのが「救い」かな。
そんなのにケチを付けだしたらキリがないので『八ヶ岳稿房』では、これまで「お金ネタ」を一切「封印」してきた。
そして、今後もその方向性が変わることはないと思う。
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だが、縮み続ける事が避けられない「日本」の国民である限り、「お金をどう活かすか」という人生戦略の重要性が、ますます高まることは間違いない。
「国(行政)に頼らずに自分のことは自分で守る!」というのは、防災だけでなく、金融面においても、ライフ・プランニング上の「根本原則」だと考える。
加えて、金融に関しては税制や社会保障制度等を中心に「最新の知識」をしっかりと身に付ける必要がある。
そんなわけで、「還暦の手習い」ではないが、今年の1月から「FP(フィナンシャルプランナー)資格」の勉強を始めた。
元々、我が社の業務とは無関係な資格だったので、予備知識はまったくなかった。
いきなり最高峰の「CFP」か「1級」合格を目指すつもりだったのだが、そんなに甘くはなかった。
リテール(個人)金融に携わった経験が5年弱しかない私は、2級 → AFP → CFP → 1級 と4段階の合格ステップを踏まねばならない事を知ったのは、2級試験申込締め切り日直前であった。
それでも、3月までに2級とAFP資格は取得出来たので、今年中にはCFP合格を目指そうと目論んだのだが、また新たな壁が出現。
CFPの11月の試験日が、2022年~2024年の3カ年計画「趣味の資格試験チャレンジ」で目指している別の「士業資格」の試験日と重なる事を知ったのだ。
ちぇっ、まどろっこしいな! 試験日を分散しろよ…
結局、CFPと1級合格は、来年以降の目標に先送りせざるを得なくなったのだが、毎日しっかりと勉強は続けている。
そして、それが新鮮で、結構楽しいし、実際に役に立つのだ!
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昨日も、正にそんな1日だった。
新百合ヶ丘自宅から車で10分も要しない場所に、社主さま(家内)が相続した土地がある。
広さは八ヶ岳の敷地に比べれば8分の1程だが、現在の新百合ヶ丘の自宅よりは広い。
最寄り駅は新百合ヶ丘の隣の駅になってしまうが、駅からの距離は500m程度。
スーパー、コンビニ、病院にスポーツジム等々の利便性は、現在の自宅以上だ。
そんなわけで、この土地に「ログハウス」を終の棲家として建築するのが、私達夫婦の今後数年内の計画となっている。
だが、敷地の一部に古家が残っており、直ちに建築に着手できる状況ではない。
今後2~3年、固定資産税だけを払い続けるのは阿呆らしいので、「不動産の有効活用」の提案を複数の業者に依頼したのが6月中旬であった。
結局、某社が提案してくれた「コインパーキング」としての活用案を採用することになった。
昨日、その会社の担当者2名が、横浜からわざわざ八ヶ岳オフィスを訪れてくれて、無事に契約締結。
当初は、固定資産税支払額と同程度のリターンを想定していた。
実際にはその2.2倍程度の固定収入が得られることになったのである。
う~ん、狭い土地でも捨てたもんじゃないな…
資産活用には色々な手段がある事を学べて、とても有益だった。
業者への提案依頼の段階から、FP資格試験勉強で学んだ知識が税制を中心に大いに役立った。
もうひとつ活かせたのが、既に保有していた「宅地建物取引士」資格の知識である。
改めて「FPと宅建」ってのは、これからの時代には意外と相性の良い「資格の組み合わせ」だなと感じた。
「人生100年時代」と「デュアル・ライフ」を充実させる上で「強い味方」になってくれるような気がする。
それと、固有業務を持つ「士業資格」は、つくづく美味しいなと思う。
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「無知は悪、お人好しは醜悪」というのは、新入社員だった頃に、当時、ノルマ証券 とか ヘトヘト証券と称された会社の先輩に教わった言葉だ。
言い得て妙だったので、不思議とよく覚えている。
我が社の業務と接点はないので、今更、「資格」で収入を得ようなんて気はまったく無い。
だが「無知が故に騙されるようなお人好し」には、お洒落じゃないので、私は絶対になりたくないな…
by『八ヶ岳稿房主』