闘いの日々、知恵比べの日々….

八ヶ岳ライフには、「有害生物」との闘いの日々という一面もある。

もっとも、この「有害」であるか否かは、人間側が勝手にそう認識するだけであって、生物側からすれば迷惑千万であるに違いない。

だからと言って、そんな生物に好き放題させたり、油断したりすると、大きなしっぺ返しを喰らう事になる。

八ヶ岳界隈であれば、猿、熊、蜂、蟻、ブヨ、鹿、毒キノコにタケニグサ 等々、ちょっと思い付くだけでも何種類もの生物の名前が頭に浮かぶ。

我が家に関して言えば、この時期は「鹿」と「蜂(特にスズメバチ)」が大敵である。

昨年までは、これら二大脅威に対する防衛戦線の司令官は私であった。

だが、対スズメバチに関しては、今年から社主さま(家内)に権限を譲らざるを得なくなった。

彼女は、細工したペットボトルとカルピス巨峰味を使ったシンプルとしか言えないお手製の「女王蜂殲滅器」で、最終的には、40匹近いスズメバチを捕獲殲滅したのである(https://triglav-research.com/?p=37555)。

スズメバチでいっぱいになってしまった最初に仕掛けた2つのペットボトルは既に撤去済み。

現在は、前回と同じカルピス巨峰味と日本酒を入れたペットボトルを1つずつ置いて、どちらがスズメバチの誘引効果が強いかを比較中。

「日本酒(そのまま)」もスズメバチの誘引効果が強いとの事で社主さまは実験してみた。だが、4~5日経っても、スズメバチ捕獲の成果はゼロである。

今日で4~5日目になるが、現在の所、巨峰味の罠の方が高い戦果を上げている。

前回の成功体験を引き継ぐスタイルで、カルピス巨峰味をトラップ液とした捕獲器には、既に10匹以上のスズメバチが捕らえられ、ご臨終。

社主さまは、ペットボトルの切り込みの入れ方や中に入れるトラップ液の調合などを色々と工夫するのを楽しんでいるようだ。

こうなると私が口出しする余地は無い。

対スズメバチ戦線に関しては、巣の発見と早期駆除まで私の出番は無さそうである。
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私は、この時期は「ホスタさん達」を鹿軍団の食害から守る事に専念する。

主力兵器は「結界チップ(鹿が忌避する臭い)」「トリグラフ護衛隊群(光と音による威嚇)」「ライブカメラによる監視と警告音」の3つ。

害獣撃退器は、4種類の機種を購入して比較したが、対雨性能、太陽電池の性能、操作のわかりやすさ等々、この「フクロウ型」がダントツである事が判明。他の機種が寿命を迎えたら、このフクロウ君に置き換えていく計画だ。

この内、「結界チップ」の在庫が尽きてしまった。そんなわけで、昨日、今年初めての結界チップ作りに取り組んだ。

かつての主力防衛装備であった「結界石」は、環境配慮型クレオソートに火山岩を浸したモノだった。

しかし、現在の「結界チップ」は、木酢液とパークチップがベース。

木酢液は20ℓまとめ買いがダントツで安い。おそらく4~5年は使えるんじゃないかな… 結界チップ作成用のバケツは、結界石作成の頃からの「専用」だ。
パークチップは本当は「自作」すれば良いのだが「結界チップ《改》」で使用する量は大したことないので購入する事にしている。

木酢液9に対して、環境配慮型クレオソートともう1種類の液体(これは企業秘密)を0.5位ずつ足して「鹿忌避液」を作成する。

当初は、木酢液とクレオソートのみだったので、正確には「結界チップ《改》」である。

これにパークチップを浸して忌避液をたっぷり染みこませるのだ。

パークチップを鹿忌避液がほぼ空になったバケツに投入。この時点ではこんな色。
木酢液を投入してよくかき混ぜる。その後、1ヵ月程、時々撹拌しながら寝かせる。そうすると、臭いの持続性が高まるのだ。

パークチップが黒く変色したら、ホスタさんの周囲に2~3個置く。木酢液なので「害虫予防効果」もあるので一石二鳥と言える。

長年の実験から、鹿がこの「臭い」があまり好きでない事は間違いなさそうだ。

なぜなら、結界石や結界チップを置いてすぐの頃は、これまで鹿軍団の食害は皆無だからである。

今年はこれまでホスタさん達の鹿の食害は皆無。次に危険なのは「開花期」だな…

但し、結界石も結界チップも臭いの持続効果は2~3ヵ月程度であるように思う。

私が油断して、結界チップの配備や補充を忘れた時に、鹿軍団による「惨劇」が決まって繰り返されたのだ。

結界チップの場合は、パークチップの色が薄くなってきたらもう効果は期待出来ない。

後は、有能な「マルチング材」として働いて、やがては朽ちて土に還る事になる。そこが結界チップの美点なのだ。

今年の結界チップの初配備は4月25日であった。

配備したチップの一つと昨年配備したチップを並べてアプローチの上に置いた。色の違いは歴然。

昨年配備した「結界石」と今年の4月25日に配備した「結界石《改》」は、色の違いですぐに判別できる。
左が、昨年の「結界チップ」でほぼ無臭。右は今年の「結界チップ《改》」で手に取ると、木酢液特有の臭いが漂う。

に取って臭いを嗅ぐと、今年配備したモノは木酢液特有の「焦げ臭くてちょっと酸っぱい」臭いを明らかに発しているが、昨年モノは、ほぼ無臭である。

昨日、忌避液に浸けて熟成中(?)の「結界チップ《改》」を補充するのは7月の半ばになるだろうか。

そうだ、今年は「鹿の角研ぎ」対策も考えねばならないな…

対鹿軍団との闘いは、食害だけでなく、この「鹿の角研ぎ」対策も考えねばならない。写真は敷地内の「ナナカマド」の幹に残された「角研ぎ跡」である、

そう、八ヶ岳ライフは「闘いの日々」であると同時に「知恵比べの日々」でもあるのだ!

 

by『八ヶ岳稿房主』