手がかかる子程可愛い! — 「9本の楓」への私の親心

「手がかかる子ほど可愛い」という言葉(ことわざ?)があるが、これが実際に人間に当て嵌まるかどうかは、私にはよくわからない。

「子」というのは、「子供」に限定したものではなく、部下や生徒等も含めた意味と解釈すべきなのだろうが、そうなるとさらに「可愛い」という感覚がよくわからなくなる。

個人的には、「好き嫌い」で言うならば、人間は手間がかからないタイプが明らかに好きだ。
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だが、これが「植物」となると話はまったく別である。

鹿軍団の大大好物である「ホスタさん達」は、我が家で最も「手間がかかる草本」だが、可愛くて可愛くて仕方ない。

これに次ぐのが「楓(かえで)さん達」だろうか。

現在、我が家の敷地内では「9本の楓」が生長(成長)中である。

2000年に「八ヶ岳ライフ」をスタートさせた時点では、なぜか敷地内に自生する楓は1本もない状態。これは我が八ヶ岳ライフにおける「誤算」のひとつである。

2001年に、数種類の楓の苗木を購入してきて植えたのだが、まったく育たなかった。正確には、いつの間にか葉がなくなって枯れてしまったのである。

鹿軍団が楓の葉も大好物で、容赦なく食んでしまうのがその原因である事に、やがて気付いた。

一時は「楓」は諦めようと考えたのだが、その後、オフィスウッドデッキへの(鉢植え)避難や鹿除けガードの設置という鹿軍団対策が徐々に奏功。

その結果、シュガーメイプル、クリムゾンキング、ショウジョウモミジが順調に育ち始めた。

特に、シュガーメイプルとショウジョウモミジは、鹿の食害による瀕死状態からの「奇跡の復活劇」を演じてくれたのである。

その後、2018年と2020年の春の草刈り作業の際に、敷地内に自生するそれぞれ3本の楓を発見。

「自生の楓6姉妹」として鹿軍団から守って、大切に大切に育ててきた。

2018年に見つけた「長女・次女・三女(上の三姉妹)」は、昨年、敷地内に地植え。

彼女達と比べると明らかに発見時のコンディションの悪かった2020年組の「四女・五女・六女(下の三姉妹)」は、オフィスウッドデッキ上で3回目の春を迎えている。

今年の春~秋を順調に育ってくれれば、来年には地植えできるだろう。

オフィスエントランス周辺に集中的に植えてある「ホスタさん達」と異なって、「9本の楓」は敷地内に分散している。

決算分析山籠もり期間中に、息抜きに敷地内を散策する際の楽しみのひとつは、楓さん達の様子を眺める事だ。

今年は、樹木全般、生長ペースが早いようで、シュガーメイプルとクリムゾンキングは昨年秋よりも二回り程、大きくなったような気がする。

鹿の食害で、植えてすぐにほぼ「幹だけ状態」となったシュガーメイプルが、昨年、今年と一気に大きくなってきた。
地植えした当初から鹿除けガードでしっかりと守られて、鹿の食害皆無のクリムゾンキング(ノルウェーカエデ)。オフィスデスクの窓から見下ろせる位置に植えた特に思い入れの強い木だ。

昨年の春に地植えした、長女と次女もとっても元気だ。

上の3姉妹の長女。元々、優等生だったが、昨年春の地植え後も順調に成長。樹高は3.5m程になり、ヒョロヒョロだった木が枝も増えて逞しくなった。
上の3姉妹の内の次女。大きさでは長女に負けていたが、樹形の優美さではNo.1だった木だ。この木も順調に育っている!

オフィスウッドデッキの「下の三姉妹」は樹形はそれぞれ異なるものの、樹高はどれも1m程度にまで育っている。

敷地内で見つけて移植した頃の「貧弱さ」は、もう感じられない。

下の3姉妹は、オフィスウッドデッキのリハビリエリアで順調に育っている。敷地内で自生を発見した時は、どれも樹高30cm程度で、鹿の食害もあり、ボロボロの状態だった。

一方で、昨年、大きな植木鉢に移植して、オフィスウッドデッキから枕木テラスへと配置換えした「ショウジョウモミジ」は元気がない。

あの「美しい赤い葉」が漸く開き始めた所である。

鹿の食害で幹のみになった状態から、これも奇跡の復活となった「ショウジョウモミジ」。春先の美しい赤い葉が漸く出始めた。
でも、葉の量は昨年同時期木の10分の1程度であろうか… 昨年、芽出しの時期をとっくに過ぎた6月中旬に「植木鉢の移植」をしたのが彼女にダメージを与えたようだ。根詰まり対策の「親心」だったのだが…

根詰まりがゆえの植木鉢の移植であったが、芽出しを過ぎた昨年の6月中旬という時期が悪かったのだろうか?

枯れてしまったわけではないが、本当に心配だ…

最も気掛かりなのは「三女」である。

元々、「上の三姉妹」の中では最も小振りだったものを、シュガーメイプルとニセカシアの中間の窪みになったスペースに地植えしたのだ。

私的には陽当たりが最も良い場所を選んだつもりなのだが、窪地であるために、鹿が平地の部分から鹿除けガードを越えて葉を食んだような痕跡があった。

元々、上の三姉妹の内で一番小さかった「三女」。敷地西側になる2カ所の窪地に植えたのだが、鹿が首を伸ばせば葉に届くロケーションだったようだ。私の判断ミスだな…

う~ん、これは明らかに私の判断ミスだな… 今年の晩秋の休眠期には、再移植をしなければならないだろう。

それまでは、鹿を近づけない手立てを考える必要がある。

やっぱり「植物」に関しては、手がかかる子程、間違いなく可愛いな!