「八ヶ岳レストラン事業部門」経営危機!

我が社の八ヶ岳におけるレストラン事業部門が、開業20年目にして「最大の経営危機」に直面している。

食材価格上昇が、経営を大きく圧迫しているのだ。
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もっとも、お客さんは「八ヶ岳の野鳥さん達」なので、元々、収益は上がらないビジネスモデルである。

善良な市民である私が、死後何らかの手続ミスで「地獄」に落ちるリスクはゼロとは言えない。

閻魔大王様の前で浄玻璃鏡で裁かれる際に、野鳥さん達に助けてもらうための「超せこい事業」だ。

ゆえに、レストラン運営に係る経費は「オプション料(保険料)」と考えてきた。

給餌する期間は、野鳥さん達が餌の確保に苦労する「冬の間」に限定している。

これは「日本野鳥の会会員」として当然の嗜みである。

1年中ダラダラと給餌を続ける事は「悪」なのだ!

例年、給餌の開始は12月初旬であり、昨年は12月7日、一昨年は12月9日だった。

今年もそろそろ給餌台の整備とメインの餌となる「ヒマワリの種」の調達をする時期が到来したのである。

そこで一昨日の午後、「楽天市場」のいつもヒマワリの種を購入するお店に20kgをオーダーしようと思って価格を調べてみた。

うわっ、「大粒」が8,690円、「小粒」が7,198円だって (°0°)

なんか、ガソリン価格並みに上昇している気がするぞ!

このお店でオーダーするようになったのは確か2018年からだったよな…

楽天市場の購入履歴を調べてみた。

2018年2月「小粒」5,050円 → 2018年12月「大粒」5,766円 → 2019年12月 「小粒」 5,707円 → 2020年12月 「大粒」7,792円との記録が残っていた。

どれも10kgの袋を2つ購入して、その内の半分を翌年に持ち越してきた(お洒落に「熟成」と呼んでいる)。

昨年購入した大粒の内、1袋10kg1を小粒とミックス出来るように残してある。「熟成作業」と呼んでいる。
1シーズンでこの大きなストッカーの4分の3位を野鳥さん向けレストランのメイン食材としてきたのだ。

そう、大粒と小粒のミックス計20kgが野鳥さん達のレストランの1シーズンの食材なのだ。

気のせいではなく、やっぱりヒマワリの種の価格は高騰していたのである。

「大粒」は昨年と比較して12%の上昇だ。「小粒」も2年前対比で26%の値上がりか…

もっと安いお店はないかと検索してみたのだが、1kg単価で比較するとやっぱりこの馴染みのお店が一番お得だった。

私が「価格が上がったな~」と実感したのは、デッキ材、ガソリンに次いで3品目である。

まあでも仕方ないや…  今年は「小粒」オーダーの年だよな。

「小粒20kg 7,198円」をポチッとした。

その後になって気が付いた。

まずいぞ、来年は長年こだわり続けて来た「野鳥さん関連予算」をオーバーしちゃうんじゃないかな?

その額は「年間2万円」

これは、二項モデルやモンテカルロシミュレーションで算定した「野鳥さんオプション」の公正価値なのだ。

この内、野鳥の会の年会費 5,000円と「野鳥ピンバッジ」2種類の寄付金が6,000円で固定費が計11,000円だ。

今年はこれに7,198円が加わるから、全部で18,198円で予算クリア。

でも、このペースでヒマワリの種の価格が上昇していったら、来年は「20kg」を調達できなくなるぞ!

今後の価格上昇に備えて、今年は20kgを丸々使わずに、来年の備蓄を増やそうかな?

でも野鳥さん達の「顧客満足度」は維持したいな…

良心的なレストランオーナーは「事業戦略」の見直しを余儀なくされた。

メイン店舗である「新1号店」は、昨年、大規模改装工事を終えたばかり。

2年目を迎える新1号店は「掃除のしやすさ」にこだわっている。給餌台ベースの左右はマグネット開閉式の構造。
新1号店はヒマワリの種とフルーツ置き場を備えている。

大小様々な野鳥さん達が飛来して「大繁盛」だ。

こちらのコンセプトを弄る必要はまったくない。

これに対して「3号店」は、どうもイメージが良くない。

元々、使わなくなったBSアンテナを小細工した物なのでやたらと大きい。

昨年、塗装をし直したのだが、何となく「古びた地方百貨店の屋上ビアガーデン」といった風情が漂う。

加えて、客層も良くない。

イカル達が大量に飛来し、そのまま占拠して、ヒマワリの種を給餌台から落としてしまうなんて下品な光景を頻繁に目にする。

イカルはヒマワリの種を蒔き散らかしたり、喧嘩をしたりと「最低のマナー」である。こいつらが3号店の品位を貶めているような気がする。

どういう親が育てたのかな?

野鳥同士の喧嘩(争い)なんてのも、昨年は何回か目にした。

やっぱりあの「コロシアム風」の形状が、野鳥さん達の闘争心を煽るのかもしれない。

ヒマワリの種の1回当たりの給餌量も新1号店の1.5倍はあるからな… 

でも、我が親友「リスのミッターマイヤー」は、3号店のあの開放感がお気に入りのようだから撤去は出来ないぞ。

我が友リスの「ミッターマイヤー」は3号店がお気に入りなんだよな…

よし、この際だ、3号店を「場末のビアガーデン」から「お洒落なレストラン」に改造しよう!

そう決心した私は、オフィスの地下室で部材探しをした。

勿論、「野鳥さんレストランは、コストを掛けずに残材を有効活用して作る!」というルールは厳守せねばならない。

5分程使えそうな物を探してみた。

すると、3~4年前に自宅近くのホームセンターのワゴンセールで「叩き売り」されていたプラスチック製の給餌器の箱を発見。

そうか、吊るすタイプである上に、サイズが小さ過ぎたので使ってなかったな。

1回当たりの給餌量は、現行の3号店の3分の1程度に減らせそうだ。

よ~し、これを小細工して「3号店」を改造しよう! 死蔵品の有効活用にもなるぞ。

3号店の上に部品を置いて、すぐにイメージは完成。

オフィスの地下室からワゴンセールで叩き売りされたいたプラスチック給餌器と3号店にジョイントするために使えそうな寸切りボルトを探してきた。どんな感じに使おうかな?
ジョイントは出来たが、寸切りボルトが長過ぎてお洒落じゃないし危険だな。これをカットしよう!
今回は「小細工」どころか、寸切りボルトを切っただけの作業で済んでしまった。

作業も「寸切りボルト」の切断だけで済んだので小細工にもなってないな…

あっと言う間に改装工事完了\^^/

3号店のリニューアル完了。1回当たりの給餌料は3分の1程度に減る計算だ。屋根付きで種は雪に埋もれないし、ボルトを長めに切ったので上部にフルーツ皿も置けそうだな…

ついでだから1号店にも給餌皿を設置しておこう。

お店の名前も「新1号店」と「3号店」じゃお洒落じゃないな。

そうだ、「プルミエール(premiere)」「ティエル(tiers)」に改めよう!

「なんか、楽しくなってきたぞ~」って、思わずはしゃいでしまった。

そこでふと気が付いた。

「古びた地方百貨店の屋上ビアガーデン」なんて行った事ないよな…

私はそもそもアルコールを1滴も嗜まないのである。
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親愛なる八ヶ岳の野鳥の皆様 トリグラフ八ヶ岳レストラン事業部門は、この度、ヒマワリの種価格の上昇に対応するため、事業内容の見直しを実施致します。主な施策として、3号店を大幅にリニューアルし、屋根付きのお洒落なレストランに改装致しました。今後は、雨や雪に晒されない新鮮なヒマワリの種をお召し上がりいただけます。なお3号店の改装に伴い、新1号店を「プルミエール」、3号店を「ティエル」へと改称致します。両店舗共に、12月初旬の営業開始を予定しております。皆様のご来店を心よりお待ちしております。