悲報・悔恨! ホスタ壊滅 —「空白の一夜」の謎

今日も八ヶ岳は快晴。朝の8時過ぎから、対鹿軍団の新防御対策を配備するための準備を始めた。

第1の新装備は《結界チップ》。「結界石《改》」のクレオソート臭に慣れが出てきたと考えられる鹿軍団の「嗅覚」を刺激するもので、木酢液の原液に大型のパークチップを丸1日浸して作り上げた「新装備」である。

結界石《改》と併用してホスタさん達の根元に撒いて、鹿軍団を忌避させる作戦だ。

木酢液の原液をバケツに入れて、その中に木材チップを浸すアイデアは、結界石の進化版だ!
大きめの赤松のチップを木酢液の原液に丸1日浸した。煙のような臭いはかなり強烈である。これで「結界チップ」が完成だ。

第2の新装備は「動物撃退器」だ。中国製で説明書の表記等にかなりの不安があるのだが、Amazonで確認すると「売れ筋」は、ほぼ中国の同一メーカー製のようなのでまあ仕方ない。

お洒落な商品名はないので、大好きな「かわぐちかいじ先生」の劇画「空母いぶき」から名前をいただき「鹿除け いぶき」と呼ぶ事にした。

いぶきは、昨日の夕方に配備しようと思ったのだが、使用前に100%充電が必要な事が判明し、昨晩、充電したのである。

暗闇で光を発して小動物を威嚇する「いぶき1号機」。こんなんで大丈夫なのかな?

結局、結界チップもいぶきも、昨日を配備前の準備期間に充てて、今日5月4日が満を持しての正式配備日となった。

まずは、結界チップから配備だ。バケツを持ってホスタさん達が密集するオフィスエントランスエリアに向かった。

「うっ、嘘だろう…」 そこに待ち構えていたのは、無残に新芽を毟り(囓り)取られたホスタさん達の姿だった。

見るも無惨なホスタさんの姿。
このホスタは、10以上も出ていた新芽を全部やられた。

昨日の夕方に庭を散策した際には、すべてのホスタさん達が無事に新芽を出し始めていたことを確認済み。

2つの新装備を配備する直前の「空白の一夜」をピンポイントで狙った「奇襲・凶行」である。

しかしまあ。情け容赦ない毟り方だな…

自分でも、ショックで身体から力が抜けていくのがわかった。

被害が無かったホスタさん達は2~3株。「壊滅状態」である。

すぐに、GN20Uで昨晩のオフィスエントランス周辺の動体監視カメラの画像を確認。

だが、夜の画像で記録されているのは、私と社主さまだけだった。そんな馬鹿な…

実は、オフィスエントランス周辺を録画しているカメラはもう1台ある。

こちらは、防犯上の理由から『八ヶ岳稿房』に画像をアップすることは決して無いのだが、別アングルから、今回被害に遭ったホスタさん達の半分位をカバーできるエリアを監視している。

しかもこちらは動体監視ではなく、24時間常時録画モードとなっている。

したがって、ホスタさん達の新芽を「ごちそうさま~」と貪る鹿軍団の姿が100%録画されているはずだ。

早速、昨晩の記録画像を早送りで確認。すると午前2時8分にオフィスエントランスの照明が突然点灯した。これは赤外線感知式の外灯である。

「間違いなく鹿軍団が来るぞ。」と、目を皿のようにして画像をチェックしたのだが、そこには鹿の姿は映っていなかった。 どういう事なんだ?

何者が我が愛するホスタさん達を無残な姿に変えたかわからないまま、改めてホスタさん達の被害状況を観察した。

不思議なのだが、最も大きく順調に育っているホスタさん「サマーブリーズ」に被害は皆無だった。

何故か最も大きく育っている「サマーブリーズ」は被害皆無。本当に不思議だ!

その近くに植えた2株は、今回滞在中に新芽を出したのだが、これらは無残な姿になっていた。

また、これまで鹿の食害を何度も回避出来ていた「ゴールデンティアラ」が、今回は完膚なきまでに新芽を毟り取られているではないか。

鹿軍団の好みが変わったのか?

だとしても、監視カメラに記録される事なくホスタさん達を襲うなんて不可能である。

こうなると「犯人」に対して「仮説」を設けた上で、新たな対策を練る必要がある。

第1の仮説は「ステルス鹿」の存在である。

SARS-CoV-2が変異(進化)したように、八ヶ岳に生息する鹿軍団も進化して、攻殻機動隊の草薙素子のように「光学迷彩」を使った可能性は否定できない。

この場合は、動体感知型カメラでの監視は無意味である。

第2の仮説は、鹿軍団以外の「小動物」が犯人である可能性だ。

インターネットで検索すると、ホスタの新芽は野ウサギやリスも大好物とのこと。

八ヶ岳オフィス周辺で野ウサギの姿を見たことはないが、リスは「ミッターマイヤー」を筆頭に頻繁に出没する。

もしミッターマイヤー一味の仕業だとしたら、ちょっと気分は複雑だ。

リスのミッターマイヤー一味がもし犯人だとしたら、私の心境は複雑だ…

人間の友達がほとんどいない私にとって、彼は八ヶ岳おける本当に大切な友達だからだ。

この場合は、既に野鳥の給餌シーズンは終えたが、特別にヒマワリの種でもエントランス周辺に置いて「懐柔策」をとるのが合理的であろう。

第3の仮説もある。カメラにエントランス周辺を動き回る姿が記録されていた動物が私以外に1個体あった。

それは、社主さま(家内)である。動機は十分にある。私がホスタさん達を溺愛するのを見て、嫉妬したのかもしれない。

そう言えば、今朝の朝食のサラダには、見慣れぬ木の芽が混ざっていたような気もする…

だが、この仮説については怖くて確認のしようが無いのだ。

「空白の一夜」によって、これまで地面から顔を出していた新芽は「悔恨の壊滅状態」となったわけだが、幸いまだGW中なので、まだまだ新芽は出てくるはずだ。

そんなわけで、取り敢えずは、結界チップとめぶき1号機と2号機を配備して様子を見ることにした。

勿論、ステルス鹿対策として、お庭の縁台で西部戦線を監視していた「MPSC-26(今日からホークアイと呼ぶ事にした)」をオフィスエントランスを監視できるポジションに緊急配備したのは言うまでもない。

MPSC-26改め「ホークアイ」を小動物も監視できるポジションに設置。赤外線感知撮影方式なので、ステルス鹿にも対応可能なはずだ。

私の「ホスタさん防衛戦2021」は、初戦で手痛い敗北を喫したが、本番はこれからだ!