【縄文土偶探訪記 Revival season Vol.14】ワンダフル・ジャーニー ~星降る八ヶ岳山麓の縄文世界~ 3館制覇

探訪博物館&探訪日: 北杜市考古資料館(2019年11月3日)⇒ 八ヶ岳美術館(2019年11月15日)⇒ 井戸尻考古館(2019年11月15日)⇒北杜市考古資料館(2019年11月15日)⇒八ヶ岳美術館(2019年11月16日)
探訪目的:ワンダフル・ジャーニー ~星降る八ヶ岳山麓の縄文世界~ 3館制覇(特製缶バッジ・ゲット)

11月3日の「北杜市考古資料館」訪問の意義は大きかった。2013年11月15日の国宝土偶「かっくうちゃん」との偶然の出会いから始まった長い長~い縄文土偶の旅も遂に「境地」というか「悟り」に達して、現在はとても晴れやかな気分だ。

何故、もっと早く気が付かなかったのか、今となっては不思議とか言いようがないのだが、私が魅了されたのは、土偶さんでも、縄文時代でもなく、ただ単に「縄文時代の顔(豊かな表情)」だったのである。まあでも「悟り」の類は、こんな具合に色々回り道をした上に、漸く辿り着くものなのだろう。

もうひとつ私が魅了されたのは「縄文遺跡のロケーションとその周囲の風景」である。【縄文土偶探訪記】の中で、何回か「神々のおわします地」という表現を用いたが、それ程に素晴らしい場所が多かった。

こんなシンプルな「悟り」に到達するまでに、北は北海道、南は鹿児島まで全国各地の考古博物館を訪れた。もっとも、その多くは会社本業の講演で地域銀行を訪問した際の隙間時間や社主さまとの旅行のついでだったので「空き時間の有効活用」と思えば、何事にも「無駄が大嫌い」な私でも納得できる。

「土偶さんとは何なのか?」という知的好奇心を満たすために読み漁った関連書籍は60冊を超えていると思う。ストックした知見は相当なもので、八ヶ岳界隈の縄文遺跡であれば、もう楽勝で「エコツーリーズムガイド」が出来ると思う。90分程度であれば、自分の手持ちの資料だけで内容の異なった3セッション位の講演は余裕でこなせる自信がある。

そんなわけで「私的文化系趣味の最低到達ライン」には十分に達したと判断。そして【縄文土偶探訪記】も今回で通算99回目の配信である。

次回100号の配信を区切りとして、現行の【縄文土偶探訪記】は手仕舞いモード(フェードアウト・プロセス)に入ろう! 他にやるべき事や、やりたい事が沢山あるからな…
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通算第99号は、八ヶ岳西南麓に所在する3つの考古資料館の共同企画「ワンダフル・ジャーニー ~星降る八ヶ岳山麓の縄文世界~」 の探訪に決めた。こんな共同企画の存在を知ることが出来たのもまた、11月3日の北杜市考古資料館探訪の大きな成果であった。

3館すべてを訪問し、各館の記念スタンプを共同企画専用チラシに押して集めると「特製缶バッジ」が貰える。子供じゃないので、缶バッジをゲットしても嬉しくないが、手仕舞いモードに移るための記念品としてはちょうど良いだろう。そんなわけで、11月15日に出来た3時間の空き時間を有効活用。八ヶ岳美術館⇒井戸尻考古館と訪問してスタンプを揃え、井戸尻考古館で記念缶バッジをゲットし「結願」という予定を組んだ。

11月15日、最初の訪問先は原村の「八ヶ岳美術館」である。この美術館は鉢巻道路沿いにあり、オフィスからは車で7~8分。実は、尖石や井戸尻よりも近い場所にある。だが、この20年間ずっと「美術館」で「縄文土偶さん」とは無縁と信じ切っていた。検索してもそれらしい情報が無かったからだ。ワンダフル・ジャーニーの共同企画で初めて、美術館の一部分のスペースが考古展示室となっている事を知った。正に「灯台下暗し」である。

美術館の広い駐車場にD4を駐め、林の中を2分程歩くと、建築家 村野藤吾氏の設計によるドームハウスを組み合わせたようなお洒落な美術館の全景が見えてきた。

周辺の考古資料館とはまったく雰囲気の異なる「八ヶ岳美術館」の建物。まさか八ヶ岳オフィスに一番近いこの美術館に充実した「縄文コレクション」が存在するとは… 「灯台下暗し」である。

館内に入るとすぐ右手が受付で、入館料510円を支払って受付窓口脇に置いてあったスタンプを押す。これで残すは「井戸尻」のみだ。

エントランス正面が縄文関連の展示スペース。思ったよりも広く、展示物も充実していて驚いた。まさか一番近い美術館にこんなお宝があったなんて「晴天の霹靂」だな。特に「長野県宝」である「顔面付釣手土器」のお顔の表情が素晴らしい!

写真撮影の可否について確認していなかったので、慌てて受付に戻って確認した。美術館系は「写真撮影は不可」の所が多いので予想はしていたが、やはり「基本は不可。但し、原村の教育委員会への届出用名簿に住所・氏名・連絡先等を記入すれば写真撮影は可。HPへの掲載等は不可」との事だった。ちぇっ、HPでの紹介は無理か。あ~あ、勿体ないな。だから八ヶ岳美術館は、縄文関係の展示では知名度が低いんだ(と言うか、私はまったく知らなかったのだから…)。

東北縄文王国の考古資料館の多くは「写真撮影は自由。東北縄文ワールドの魅力を伝えるためにHP等でどんどん紹介して下さい!」という柔軟なスタンスだ。そこまで求めるのは難しいのかもしれないが、3館共同企画なのだから、せめて「写真撮影やHP掲載等の基準についても3館で統一して欲しいな」と心底思った。

清水多嘉示先生の彫刻コレクションも素晴らしく、結局、30分程、美術館を見学。受付で職員さんにお礼を言って、何気なく「ワンダフル・ジャーニーは、残り井戸尻だけです。」と伝えると、「すべて集まったら、当館にまたお越し下さい。特製のバッジを差し上げますので。」という想定外の言葉が返ってきた。

ここで自分の勘違いを知った。「3館のスタンプを集めたら3館目で共同企画の特製缶バッジを1個貰える」ものだと信じ切っていたのだが、「残りの2館も再訪すればそれぞれの特製缶バッジが貰える」という企画であるらしい。はあ~、面倒だな。でもちょっと嬉しいぞ!

慌ててスケジュールを組み直して、まずは「井戸尻考古館」を訪問し、3つのめのスタンプを押し、1個目の缶バッジをゲット。残念ながら土偶さんのバッジはなかったので、数種類ある中から私は「モビルスーツ型縄文土器」と勝手に呼んでいる意匠の物を選んだ。

勝手知ったる「井戸尻考古館」。尖石とここは八ヶ岳オフィスからふらっと立ち寄る事が出来るので、私的親近感は半端ではない。
井戸尻の訪問は何回目になるかな? 「最寄りの考古資料館」って感じなので、もう数えたこともない。はて? こんなちょっと脇を見た「恥ずかしがり屋さん風」の顔面付土偶のお顔は展示されていたかな?

慌ただしくD4で「北杜市考古資料館」に直行し、受付でスタンプを3個押した共同企画のチラシを提示。すぐに館員さんが、数種類の缶バッジを示してくれた。ここは「看板 中空土偶さん」しかないなと即座に決定。

11月3日に訪れたばかりの、こちらも勝手知ったる「北杜市考古資料館」。缶バッジ貰うだけの訪問なんて還暦近いオッサンのやることだろうか?と、自問自答。

午後4時までには必ずオフィスに戻ると決めていたので、その後は「金生遺跡」にフラッと立ち寄って、八ヶ岳美術館での缶バッジのゲットは翌日に持ち越すこととした。

11月16日は朝から決算分析作業に突入。当分の間は「仕事最優先」。八ヶ岳での息抜きは「平日は1日2時間、土日は1日3時間(共に内1時間は温泉通い)」を上限と決めたので、午後2時過ぎに休憩時間を使って八ヶ岳美術館を訪問。受付で、缶バッジは3種類程あるデザインの中から「ワンダフル・ジャーニー」という文字の入った物を選んだ。

八ヶ岳美術館は、他の2館とは異なり、缶バッジだは安全ピン式だけでなく、マグネット付きもあり、さらにはストラップ付きまで用意されていたので、ちょっとビックリ。私が選んだのはマグネット式である。そうだ、他の2館のもマグネット式に改造してしまおう。オフィスに戻ればネオジウム磁石でちょっと厚めなタイプのストックがあったはずだ…

オフィスに戻って、ゲットした3館の特製バッジと3つのスタンプを押したチラシを並べて写真撮影。思わずニンマリ。

ワンダフル・ジャーニー共同企画3館のスタンプと缶バッジ。缶バッジもスタンプも各館3種類程用意してあるので、その気になれば全種類を集めることも出来る。缶バッジは井戸尻のサイズが一回り大きい。

すぐに、安全ピンを切断して外し、ネオジウム磁石をピタ。書棚脇に設けてある「土偶さんマグネット展示スペース」のセンターに並べた。今度は、うふっ…

井戸尻と北杜市の缶バッジはオフィスで安全ピンを切断してネオジウム磁石で「マグネット型」に改造。マグネット缶バッジの展示プレートもお手製。「小細工の魔術師」は、こんな些細な拘りに喜びを感じるのだ!

この「達成感」が堪らない!それに還暦近いオッサンでも缶バッジ3つも貰えると、やっぱり嬉しかった。

さあ次が【(現行)縄文土偶探訪記】の記念すべき、そして最後となる第100号だ。締め括りはどこの考古資料館にしようかな?