生まれ故郷で「八ヶ岳贔屓」を実感した日

通常、数回に分けて実施する「決算分析山籠もり作業」は、研ぎ澄まされた感覚」で仕事に集中する事が必要となる。そんなわけで、山籠もり前に雑事を処理し、雑念を取り払うよう意識している。まあ「禊ぎ」である。

今日の東京での2件の講演と明日の所用を終えれば、山籠もり突入だ。昨日は、千葉の実家に戻って、病院で父の定期検査の付き添いを済ませた。

台風15号の直撃から早2ヵ月が経過。その後、台風21号等の影響による水害もあり、この間、房総半島の南部の被災状況がTVで放映されない日はほとんど無かった。さすがに11月に入ってからは報道も下火になってきたので、復興も順調に進んでいるものと予想して早朝に南房総入り。

だが、まだ屋根をブルーシートに覆われている家屋の多い事に驚く。「このまま冬を迎えて雪が降ったらどうするんだろう?」と心配になったが、ここは温暖の地「房総半島の最南端」である事を思い出した。

1年中花が咲き、雪が積もった記憶なんて、高校3年生まで過ごした18年間で2~3回有るか無いかだ。ナツメヤシを筆頭に、様々なヤシ科の植物を普通に庭木として植えて、それが簡単に育ってしまう土地なのである。対照的に、我がオフィスのある長野県富士見町の今週金曜日の最低気温の予想はマイナス4℃。

新百合ヶ丘の自宅からは車で、八ヶ岳のオフィスが2時間弱、実家が2時間30分程度と、そんなに差は無いのだが、自然環境はまったく異なる。日本が「豊かで多様な自然環境の国」であることを改めて実感した。

検査・診断等々、すべて終わったのが午後2時前。父を実家に送り届け、すぐに新百合ヶ丘の自宅にUターン。実家を訪れた際に必ず立ち寄る「道の駅 富楽里 とみやま」着が2時半だった。

千葉の実家を訪ねる際に必ず立ち寄るのが「道の駅 富楽里 とみやま」である。南房総では人気の道の駅で平日の午後であったが、お客さんはそれなりに多かった。

「富楽里」に立ち寄った時の「ド定番メニュー」で、遅くなってしまった昼食を軽く済ませる。

富楽里に寄った時、必ず注文するのが、鰯団子と鰯のつみれ汁とさんがおにぎりの3点セット。郷土料理的「ド定番メニュー」となっている。

社主さまが、食事後のお買い物を楽しむ間、私は駐車場に出て周囲を見渡す。八ヶ岳や南アルプスのような雄大さはないが、ここも山々で守られた豊かな地である。

富楽里の周辺は、どの方向を見ても「山」ばかりだ。温暖で豊かな地であることは間違いない。これは、駐車場すぐ脇にある小山。と言うか丘かな?常緑樹が中心だ。

そして、台風の襲来で被害を受けた地とは思えない程に「穏やかな気配」が満ちていた。だが、何故か「違和感」を覚えた。何が違うんだ??

北東側(富津館山道路木更津方面)の山々。同じような高さの山が連なっている。あれっ、何か変だな? 八ヶ岳と雰囲気が違うぞ…

やがて気が付いた。南房総の山々は「常緑樹」が中心で、八ヶ岳とはこの時期の風景がまったく異なるのだ。そう「紅葉」が無いのである。 

房総半島内陸側も似たような感じ。そうか! 紅葉がないんだよな。周辺が山々という意味では富士見町と同じだが、山のスケールと美しさはまったく違う… お洒落な写真が撮影できないのだ。

生まれ故郷に申し訳ないが、どんなに冬が過酷でも、私は四季の変化が体感できる「八ヶ岳」の方が断然好きだ!

生まれ故郷は18年の付き合い、八ヶ岳ライフは20年。「八ヶ岳贔屓」は、もう当たり前だよな…