急速に変わりつつある趣味趣向 ② — 焚き火編

9月の中旬に50数回目の誕生日を迎えた。1の位を四捨五入したら「還暦」、10の位ですれば「紀寿」となった。もう間違いなく「人生の終盤戦」に突入している。

最近、明らかに「趣向」が変わってきたと実感する事のひとつに「焚き火の楽しみ方」がある。

八ヶ岳本宅を20年前に購入した時点で、八ヶ岳ライフの楽しみ方候補のかなり上位にランク付けされていたのが「薪ストーブ」「焚き火」であった。薪ストーブ君は社主さまにすっかり懐いてしまっているが、現在6代目となっている「焚き火台」の管理は、私の専担分野である。

富士見高原の別荘地区は「直火の焚き火は禁止」なので、焚き火を楽しもうと思ったら、BBQ台の親戚筋に当たる専門の「焚き火台(ファイヤープレイス)」をしっかりと用意しなければならない。

我が家の場合は、枕木テラスの上に専用のスペースを決めて、さらに焚き火台の下に鋼板を敷いて、十分に安全性を確保した上で焚き火を楽しんできた。

現在の焚き火台は6代目だが、これはD4のタイヤ購入や交換でお世話になっている「タイヤガーデン ピットイン富士見」の店長さんに廃棄処分待ちだったスチールホイールを無料で分けてもらって、自分で加工したものだ。

気に入った焚き火台が見つからなかったので、6代目は廃材(無料)のスチールホイールを貰ってきて、自作する事にした。
脚になりそうな金属製の部品を探してきて取り付け、「耐熱塗料」で塗装して6代目が完成した。

歴代の焚き火台では最大であった5代目が破損し、気に入ったタイプの物を探したのだが見つからなかった。6代目は大幅にサイズダウンした「自作のピンチヒッター」的扱いだったのだが、実際に使ってみたらすっかり「お気に入り」になってしまったのである。

かつての焚き火台は、その多くが「外国製」でかなり大型だったので、ウッドデッキの廃材等を惜しみなく燃料として投じ、どちらかとう言うと「キャンプファイヤー」的な派手な楽しみ方をしていた。

焚き火台4代目の火入れ式。大型でお洒落な造形の外国製焚き火台をそれなりのコストを支払って調達するのが、かつての「焚き火の楽しみ方」の仕来りであった。
最大のサイズであった先代(5代目)の焚き火台。焚きというよりは「キャンプファイヤー」に近い楽しみ方が1代目から5代目まで続いた。

だが6代目には火を覆う蓋はないし、そもそも火を燃やすスペースが圧倒的に小さい。ウッドデッキの残材など2~3片入れたらいっぱいになってしまう。火も「燃え上がる」といったような状態にはならずに、穏やかな、さざ波のような燃焼を続ける。だが、これがイイのだ。

最近は、日中、敷地内の散策をした際に、庭に落ちた広葉樹や松、白樺等の枯れ枝を拾っておくのが日課だ。夕方になったらその枝をポキポキと折って焚き火台の中に組み上げる。ペーパータオル2~3枚と着火剤を組み上げた小枝の中に置いて火を付ける。その後、ウッドデッキの残材を2~3片追加すれば、かなりの長時間、1日の終わりの穏やかな焚き火の時間(とき)を楽しむ事が出来る。

6代目で味わう静かで穏やかな「焚き火」。敷地内を散策して、樹木の枯れ枝を拾い集めるのが楽しくなってきた!

最近は、枕木テラスを照らす(駄洒落ではない)照明を消してしまうという楽しみ方も覚えた。

枕木テラスのライトを消して楽しむ、真っ暗闇での「焚き火」。枯れ枝が静かに燃える音がまるで「さざ波」のようだ。1日の仕事が終わった後の「至福の時」となる。

真っ暗な中で、赤く静かに燃える敷地内の樹木からの「贈り物」。廃材スチールホイールと枯れ枝の焚き火か…

同じ「焚き火」でも、かつての派手な味わい方とはまったくの別物である。