今週は川崎自宅に滞在し、主に「東京でのお仕事Day」だ。
昨日は朝から六本木のオフィスでデスクワーク。午前11時頃、赤坂見附での会食の予定の前にちょっと空き時間が出来た。そこで、東京での仕事の際に使わせてもらっている泉ガーデン17Fの部屋から、近隣のビル解体工事の現場を珈琲を飲みながらボンヤリと眺めた。
前回(11日だったかな?)出社の際には、まだ古いビルの外壁が残っていたのだが、もうほとんど「更地」の状態である。工事の早さに感心する。
ズームアップしてみると、大型のユンボ4台が目まぐるしく作業中。「働く車」の様子を見るのは何歳になっても楽しい!
ふと、あの作業現場には元々何があったのかが気になった。古いマンションらしき建物があった気がするのだが、はっきりとは覚えていない。一度気になると、すぐにリサーチしないと治まらない。「アナリストの悲しい性」である。
幸い、ランチ場所への移動時間までには、まだ10分程の余裕があった。解体工事現場の左にあるビルは「サウジアラビア大使館」だったはずだ。曖昧な記憶を頼りに iPad Proで調べると、どうやら「六本木住宅(国家公務員宿舎)」の跡地である事がわかった。
そうなると、開発業者や、どの位の価格で購入(落札)したかが気になってしまう。これは「(ペーパー)宅地建物取引士」としての好奇心だ。こういった情報の調べ方は熟知しているので、すぐに判明。
落札したのは、かつて私が働いた「六本木ヒルズ」や「アークヒルズ」と同じ某有名デベロッパーさんである。面積は2,211㎡(670坪)、落札価格は150億1,000万円との情報も入手できた(情報の真偽については未確認だが…)。
「だとすると坪2,240万円。畳1畳の広さが1,120万円か。はぁ~、凄い水準だな。バブルの頃を思い出すな…」なんて計算をすぐにしてしまう。これは「銀行アナリストの嗜み」である。バブル経済の破綻とその後の地価急落で、自分の調査担当企業(銀行)がバタバタと経営破綻していった頃の苦い思い出が甦った。
ん? 2,211㎡… 八ヶ岳オフィスの敷地が確か2,000㎡弱だったぞ。広さはあまり違わないじゃないか。でも、八ヶ岳の土地評価額は… 空しくなるから書くのはやめよう。「地価じゃ六本木に敵わないが、八ヶ岳の楽しさや幸福感は負けないぞ~」と思わず叫びたくなった。150億円あったら、八ヶ岳の土地、どれ位、買えちゃうのかな? ちょっと想像出来ない。
でも、土地の価値って一体、何なんだろうか? 究極的には「食料をどれだけ生産できるか」が大切なような気がするが… なんて事を考えていたら、会食に向かう時間になった。
土木学会が推計したように「東南海大地震によって20年間で最大1,410兆円なんて経済損失」が発生したら、土地の評価(価値)基準が根底から覆るだろうと考えるのは、私だけではないだろう。
色々と考えさせられる「梅雨空の魔都 東京」であった。