仕事をしないと決めた日は、ビジネス用のメールは一切チェックしないし、仕事用のガラホも電源を切ってしまう。どうしても急用がある場合には、相手先が知恵を絞って代替手段で連絡を取りに来るだろう。そして、そんな緊急事態なんて弊社の業務では、まず起こらない。
零細企業経営者の特権で、急遽「平日休養日」とした昨日も、午前9時以降は仕事の事はすべて忘れた。午前中に敷地内の草刈り作業を2セットをこなした後、正午過ぎから午後の予定を組んだ。
『稿房通信』の中で、最近、コンテンツの更新がまったく出来ていないのは「ツリーハウス」系である。NHK大河ドラマ「西郷どん」の樹上の縁台ネタで誤魔化しているが、本当のツリーハウスネタは2月の「清春芸術村(https://triglav-research.com/?p=20692)」以来、ご無沙汰だ。
そんなわけで、近くに未探訪のツリーハウスはないか探す事にした。試しに「北杜 ツリーハウス」でググったら、清春芸術村のすぐ下に、いきなり「天守閣やツリーハウスが目印!南アルプス・八ヶ岳を一望する森のお蕎麦屋さん」と表示(https://tenkuhaku.com/shinsoba2016/shop/1188/)された。
地図で確認すると、オフィスからは30分程の場所である。どうやら「お蕎麦屋さん」のようだが「年中無休(但し、午後3時迄の営業)」とあるので、あまり深く考えずに遅いランチを兼ねてここに向かう事にした。
オフィスをD4で発ったのは12時50分。ナビで住所をインプットしたら距離は25km。ルートの4分の3程までは「尾白の湯」に向かうのと同じで、途中で武川方面に分岐し、4~5kmさらに走るイメージだ。「30分ではちょっと無理かな?」なんて思いながらエンジンスタート。その後はフォッサマグナ西端を横切るドライブをエンジョイ。道に迷う事無く目的地「ドームハウス さとう」さんに着いたのは1時22分。32分の短い旅だった。
お店の前の駐車場にD4を置いて、建物の全景を眺める。確かにドームハウスである。
お店のエントランスに向かうとドアには「準備中」の札が… だが、視線を右下に移すと「営業中」の札もかかっていた。よくわからないので恐る恐るドアを開くと、中にはオーナーさんらしき女性がお一人。「食事できますか?」と私が尋ねると「お蕎麦だけになりますが宜しいですか?」との返事が戻ってきた。「勿論、そのつもりで来ました。」と答えると陽当たりの良いテーブルに案内された。
朝食を済ませてから何も食べていなかったので、かなりの空腹状態であった私は、迷う事なくメニューから「フルコース(1,400円)」を注文。お蕎麦が出来上がるのを待つ間に室内外を見渡す。
すると、駐車場からは気が付かなかったが、ドームハウスの脇にあるツリーハウスを発見。ちょうどオーナー(ご主人)も店内に出てきたタイミングだったので、ツリーハウス見学の許可(快諾)をいただき、再びお店の外に出た。
これまで私が見てきたツリーハウスは有名な建築家やツリーハウスビルダーによるものばかり。ある意味「芸術品」で、そのほとんどが中に入る事は許されない「ちょっと遠い存在」だった。
それに比べると、このツリーハウスは「手作り感満載」でとても身近に感じる。支柱は広葉樹が3本(クヌギ系)で高さはかなりある。様々な角度から写真撮影して楽しむ。
ステップはクローズされていなかったので、中に入ろうかと思ったのだが、これは食事後に許可を頂いてからとしよう。10分程ツリーハウスや敷地内を見学した後、店内に戻った。
オーナーご夫妻とお話しする機会があったので色々と質問。20年程前に東京(用賀辺り)からご夫婦で移住。ドームハウスもツリーハウスもご夫妻のセルフビルドとの事。それもキットを組み立てたのではなく、部材調達から何から何まですべてご夫妻自身の手によるものだそうだ(本当のセルフビルド!)。「凄いなぁ~」と素直に感動した。
5分程すると手打ちの「お蕎麦」が出来上がってきた。野菜の天ぷらもたっぷり。早速、食す。美味しい! お蕎麦はクセがなくあっさりした風味だ(私の好み)。野菜の天ぷらは、どれも素材の自然の甘味が滲み出ていてお蕎麦にピッタリ。
食後は、シフォンケーキにホット珈琲(すぐに無料でお代わりしてくれた)、さらにはアイスクリームが… 「食レポ」の才能はまったく無いので詳しい事は書か(け)ないが、これで1,400円って、凄~く「お得」だったと思う。
ふと気が付くと滞在時間は1時間近くになっていた(何でもせっかちな私には珍しい)。最後に、ツリーハウス内部の見学をお願いすると、これも「快諾」いただいた。会計を済ませた後、再びお店の外に出てツリーハウスへ向かった。
ステップを昇ってツリーハウス内部へ。室内の構造を見学した後でデッキに出て驚く。思ったよりもかなり高さがある(私の目線からだと5m位になるのかな…)。
周囲の木々を眺めていたら、奥さんも上がってきて、セルフビルドの苦労話とかを語ってくれた。敷地内の石積みまでご夫妻でなさったらしい。
ツリーハウスのデッキの手摺りにはブランケットが2枚干してあった。「ああっ、こういう手作り感や生活感のあるツリーハウスって本当に素敵だなあ…」。これまで見てきた「芸術品」とはまったくの別物。オーナーご夫妻の思いやお人柄が伝わってくる「棲み家」である。
奥さんに「本当に美味しかったです。また必ず来ます。次は家内と一緒に来ますね!」と伝え、「ドームハウス さとう」さんを後にした。
時刻はまだ2時半。さあ、次はどこに行こうか。「尾白の湯」にでも寄っていこうかな…