「相棒」の右京さん(杉下警部)の口癖のひとつに「細かいところが気になるのが僕の悪い癖」ってのがある。
事件解決の糸口となる「癖」なのだから悪くはないと思うのだが、その対象となる人からすれば「イラッ」とするのは間違いないと思う。
世の中、そんな風に細かい事が気になる人の割合は何%位なのだろうか? 気になって調べてみたのだが、明確な答を得る事が出来なかった。かく言う私も、間違いなく「同じ類」の人種だと思う。
子供の頃からそうだったが、年齢が50代の半ばを超えたこの1~2年で、さらに拍車が掛かってきた。何か気になり始めると、その場ですぐに調べて、問題解決しようとする。適当に放っておく事が出来ないので、面倒で仕方ない。
GW明けから、銀行の本決算分析のためのバトルモードにトランスフォームし、仕事に没頭してきた。昨晩の夜、5月6日放送の「西郷どん」を視聴しなかった事を思い出し、自宅書斎のデスクトップPCに録画してあったのものを仕事の片手間に「ながら見」。
西郷どんについては、かつて「ツリーハウス(樹上の縁台)」らしきものについて書いた事がある(https://triglav-research.com/?p=20768)。
あんなマニアックなネタ、一体誰が読むのか不思議なのだが、1月のサイト全面リニューアル後の累計ビュー数では、上位15番目位になっている。大河ドラマファンかツリーハウス族が興味を持ってくれたのかもしれない。
その後、西郷どんは、主に江戸の話に舞台が移ったので、「樹上の縁台」の登場機会は一気に減ってしまった。だが、6日放送分は久し振りに薩摩に舞台が戻ったので、ほんの数秒、数カットではあるが、画面に映し出されたのである。
妙に懐かしくて嬉しかった。だが、何となく「違和感」を覚えた。確たる根拠はないのだが「何か違う」と感じたのだ。急ぎの資料作成があったので、昨晩は「気になった細かいところ」を敢えてスルー。
それで忘れてしまえば面倒ではないのだが、今日と明日は東京でのお仕事Day。満員電車に乗るのはもうウンザリなので、10時過ぎに新百合ヶ丘駅発の「急行」に乗車し、六本木のオフィスに向かった。
電車はこの時間だと座れはしないが混んでもいないので、ついつい余計な事を考えてしまう。昨晩の西郷どんの違和感は何だったのだろうか…
2件あったプレゼンの時間帯は、さすがに仕事に集中出来たが、仕事を離れると気になって気になって仕方ない。午後4時過ぎに川崎自宅に戻ると、結局、もう一度、録画した西郷どんを見直す事にした。
「樹上の縁台」が画面に映るのは、ほんの瞬間だった。最初に閃いたのは「樹上の縁台の支柱となる木が二股」であった事だ。
「あれっ?前回視聴した時は二股じゃなかったような気がするぞ」と思い、前回のスクリーンキャプチャを確認したら、しっかりと二股が映っていた。
やっぱり違和感は気のせいだったのかな? スッキリしないので、もう一度、早送り状態で確認。
西郷吉之助が樹上の縁台で脇差しを握る場面で目が釘付けになった。瞬間、違和感が何だったのかハッキリわかった。
答は「縁台の床面の構造」にあった。
前回の『稿房通信』では「床材には節らしきものが見当たらない。もしかすると床材は上下2段の構造で上が鉄かプラスチックのパイプで、下が竹なのかな??」と書いてしまったのだが、これは私の間違いだったようだ。
今回の画面にははっきりと「カットされた竹が縄で結ばれ固定されている様子」がほんの瞬間だったが映し出されていたのである。
ああ、よかった。これで本当にスッキリしたぞ! 前回『稿房通信』の誤りも修正できる。今日は充実した1日になったな…
「細かいところが気になる人間」というのは、こんな具合に本当に面倒なのだ。だが、よくよく考えてみれば、こんな性格だから「アナリスト稼業」を30年も続けられているような気がする。
そう「違和感」こそが、調査・分析を生業とする人種のソナーなのだ。
読者の皆さん、今日は(も?)「本当に細かいネタ」で恐縮です <(_ _)>