4月中旬以降の本年第2期の吟遊詩人活動後半戦で、私は「近畿」「北陸」そして「青森」の縄文土偶さん達を集中的に訪れた。探訪した博物館数は、近畿2館、北陸5館、青森3館の計10館。これらの旅は、同時に、講演活動のスタイルや移動の在り方の見直しを兼ねたものであった。
近畿巡業の最中に創作意欲が枯渇する「電池切れ」の状態に陥り、その結果、10館の探訪記が未配信の状態にある。幸い、決算分析シーズンの到来と共に「銀行アナリストとしてのバイオリズム」はすべて上昇(改善)に転じたようだ。そんなわけで、未配信10館を一気にお蔵入り状態から解放する決心をした。
配信は、本来ならば「探訪日順」とすべきなのだろうが、杓子定規に物事を進めるのはお洒落ではないので「青森編」→「北陸編」→「近畿編」としようと思う。さあ、これから「青森編」の蔵出しだ! サブ・タイトルは「しゃこちゃんの故郷を訪ねて」である。
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探訪博物館: 青森県 つがる市木造亀ヶ岡考古資料室 & 亀ヶ岡遺跡
(http://www.aptinet.jp/Detail_display_00000538.html)
探訪日: 2017年4月28日
探訪目的: しゃこちゃんの同郷土偶さん達と巨大レプリカ
4月27日、私は福島→青森と銀行を講演で訪問。27日の夜は、銀行の方が運転する車で送迎いただき「弘前城の満開の夜桜と新鮮な魚介類盛り沢山の会食」を堪能した。弘前城の桜は事前の予想を大きく上回る美しさ(妖艶さ)だった。
今回の吟遊詩人活動期は「桜前線に寄り添う」が如きタイミングで進み、4月中旬には「奈良」、下旬には「弘前」、そしてGW中には「八ヶ岳」のそれぞれ満開の桜を楽しむ事が出来た。清い心で真面目に全国を回る私に「桜の神様」がご褒美をくれたのだろう。
さて、弘前城の夜桜を満喫した翌28日、私はレンタカーで遮光器土偶「しゃこちゃん」の故郷「つがる 亀ヶ岡」地方の縄文土偶さん達を探訪する綿密な計画を立てた。
これまで、あまりにもハードで味気ない講演活動をひたすら続けてきたので、今後は ①会食優先 ②愛車D4での移動 ③訪問先でのレンタカー利用 といった「遊び心」を塗した講演活動のウェイトを高めて行こうと考えている。縄文土偶探訪記「青森編」は、この内③の試行であった。
新青森駅近くのニッポンレンタカーで予約した車を借り受けて「縄文土偶探訪の旅」を開始したのは、午前7時55分。当初は午後3時迄借りる予定だったのだが、川崎自宅に戻る往路スケジュールを変更したため、午後1時半を戻りの目途とした。
第1の目的地である「つがる市木造亀ヶ岡考古資料室」には、ナビの計算では午前9時(開館時間)前後の到着予定。途中コンビニに立ち寄ったため実際の到着は9時5分となったが、渋滞とは無縁の「超快適」な1時間強のドライブをエンジョイした。
広々とした駐車場にレンタカーを置いて、博物館の建物に向かう。事前にWebで確認していた通りの外観であったが、手書きで「亀ヶ岡資料室 縄文館」と記した紙が貼ってあり、純朴で好ましい印象を醸し出す。
エントランスの左手に受付があり、ここで館長さんと思われる男性に入館料200円を支払う。「資料室は左手奥です。ゆっくりとご覧下さい。」との言葉に従い館内を左手に進むと、いきなり遮光器土偶の大型レプリカが鎮座。「やっぱり、しゃこちゃんの故郷だぁ~」と歓喜の叫びを上げそうになるのをグッと堪えた。
超大型レプリカの右手には「大中小」のおそらく販売用と思われるレプリカもショーケースに並んでいた。「後でじっくり見よう」と決めて、展示室に向かう。私の貸し切り状態かなと予想していたのだが、先客が2名。おそらく考古学マニアなのであろう。
展示されている土偶さん達は、国指定重要文化財である「しゃこちゃん」程の存在感はないが、しゃこちゃんのお友達だと思うと愛おしくて仕方がない。なぜなら、「しゃこちゃん」は、国宝「仮面の女神」と双璧をなす「私のお気に入り土偶」なのである。
展示されているしゃこちゃんのお友達の多くは「土偶」「個人寄託品」とだけ記したプレートが添えられていた。「おそらく地元の人が畑から出土した土偶さん達を寄託したんだろうな」などと勝手に想像しながら、展示室を20分程鑑賞。
続いて、先程の販売用レプリカと思われるショーケースの前に戻った。よく見ると「津軽亀ヶ岡焼」と記したプレートが置かれていた。値段は??と周囲を見渡したら、受付の右手にミュージアムショップのコーナーがある事を発見。ここで「実物大が1万円、中型が3,000円、小型が900円」で販売されているのを知った。
迫力を考えたら間違いなく「実物大」が欲しいのだが、既に全国各地の博物館で購入した土偶さん達のレプリカは50体近くに達しており、オフィスに設けた展示スペースは手狭になりつつある。それに、1番大きいサイズは、どう考えてもスペースに収まりそうもない。
正確な大きさを確認したいと思い、館長さんらしき男性に尋ねた。すると「この遮光器土偶はすべて私が焼いたものなんです。高さでは、大が32cm、通が20cm、小が10cmになります。」と意外な答えが即座に返ってきた。32cmは、too bigだ。こちらも即座に「中型」の購入を決定。おまけに「しゃこちゃん絵葉書」を2枚付けていただき大満足。ついでに、考古資料館とのパッケージ訪問を予定していた「亀ヶ岡遺跡」への行き方を教えていただいた。
木造亀ヶ岡考古資料館を発ったのは9時35分で、滞在時間は30分弱。私がちょっと道を間違えたため「亀ヶ岡遺跡」の有名な「しゃこちゃん像」の前に到着したのは、9時45分過ぎだった。
当初は「しゃこちゃん像との2ショット・タイマー撮影」を計画していたのだが、私が予想していたよりも「しゃこちゃん像」は、はるかに大きくて立派だった。2ショットは断念して、様々な角度から激写した(滞在時間約5分)。
次の目的地は、つがる市縄文住居展示資料館(カルコ)と木造駅の「巨大しゃこちゃん像」である。
なお、館長さんと思われた男性は、レプリカに付されていた解説状から、『津軽亀ヶ岡焼 しきろ庵(http://www.jomon.ne.jp/~sikiroan/art/index.html)の代表(庵主)の一戸広臣さんである事が判明した。
また、この時購入した「津軽亀ヶ岡焼の中型しゃこちゃん」は、八ヶ岳オフィスの机上で他のレプリカとは別格の待遇を受けている。「仮面の女神」のほぼ同サイズのレプリカと共に、トリグラフ・リサーチのオフィスにおける「守り神」なのである!
トリグラフ・リサーチ 稿房主
【縄文土偶探訪記】