八ヶ岳「私的開拓史」・・・桜見守る人の独り言

今朝、目覚めて枕木テラスに出ると、我が家の異形のソメイヨシノの蕾がいくつも開花していた。

今朝起きて異形のソメイヨシノを見たら開花が始まっていて(°0°) まだ2~3日先と予想していたのだが。昨晩から長男のお嫁さんAちゃんが滞在中。Aちゃんが来ると鹿が挨拶に来る。花も咲かせちゃうのかな?
異形のソメイヨシノの上の方の枝を見上げると一斉に開花が始まっていた。こりゃ「開花宣言」するしかないな…

これは「開花宣言」するしかないな…

2023年は「4月14日」だな

今年24年目を迎えた我が八ヶ岳ライフにおいて、ダントツで早い開花宣言日となった。

名ばかりで活動実績皆無の「森林インストラクター」である私が、唯一、矜持を持って発するのが、異形のソメイヨシノの「開花宣言」と「満開宣言」なのである。

人の好みや価値観は千差万別。「桜の愛で方」もそれぞれだろう。

何十本、何百本という数の桜が一斉に咲き誇り、辺り一帯を桜色に染める風情を好む人もいれば、孤高の桜に惹かれる人もいるに違いない。

私はどちらかと言うと後者のタイプなので、八ヶ岳界隈で言えば「わに塚の桜」や「神田の大糸桜」にグッとくる。

だが、一番の愛で方は、長さ30cm程の苗木を購入し敷地内に植え、見守り慈しんできた「異形のソメイヨシノ」の開花から散り際までに寄り添う事だ。

異形のソメイヨシノを敷地内に植えたのは2001年の6月10日である。

八ヶ岳開拓記念として植樹したのは2001年6月10日。樹高は30cm程だった。もう1本植えた同じソメイヨシノの苗木は鹿の食害で翌年の春を迎える事は出来なかった。

八ヶ岳ライフも2年目を迎え、敷地内の整備やDIYに本格的に取り組み始めた時期だ。

私的には敷地の整備や枕木を使ったデッキ、テラス、アプローチ作り等々を『開拓』と称している。

この桜の木は正に「開拓記念樹」なので、特別の思い入れがあるのだ。

実は、枕木テラスの扉の如く、2本の苗木を植えたのだが、もう一本は植えた年の冬に、鹿の食害により枯死。春を迎える事は出来なかった。

ゆえに我が家の異形のソメイヨシノは、23年目を迎えた「孤高の桜」だ。

2005年には鹿の食害で、順調に育っていた主幹が枯れてしまった。

もうこの桜も駄目だなと諦めていたのだが、翌2006年の春には、主幹の脇から育った3本の幹が花を咲かせた。

2005年に鹿の食害で主幹が枯死。その翌年に主幹の脇から育った幹が見事に開花した。あの時は感動したな…

以降、3本の幹がそれぞれの姿で成長を続け「異形」となった。

2006年からは、この桜を鹿の食害から守るために、実に様々な対応策を講じてきた。

幸い、現在の銀シート巻の方法をネット上で知って以来、鹿の食害は皆無である。

樹高は既に最頂部では10m近いと思う。

2001年6月に植え付けてから今年で23年目。樹高は10m近くにまで育っている。

毎年、普通のソメイヨシノよりもやや白い花を咲かせ、私と社主さまを楽しませてくれる。

ほんの数年前までは、開花期は4月下旬(最終週)、満開はGWというのが、異形のソメイヨシノの私達に対する「おもてなし方」であった。

2020年は、GWの5月4日が満開。3年前まではGW満開が当たり前だったのだ。
2019年の満開宣言日も5月4日。異形のソメイヨシノは規則正しい性格なんだな。

私はGW明けからは、銀行の本決算発表のシーズンとなり、山籠もりしての集中決算分析期間になる。

講演活動は4月の第3週頃までに終えるというのがかつてのパターン。

異形のソメイヨシノの開花期は、私にとっても「ベストシーズン」であったのだ。

だが、昨年、一昨年と開花期は、4月20日前後に早まってきた。

その結果、4月中に満開期を迎えるようになったのである。

一昨年(2021年)の満開宣言日は4月27日だった。

開花期が早まったばかりでなく、満開となるまでの日数も明らかに短くなってきている。

昨年などは、開花から4日で満開となってしまった。

昨年は、4月25日に満開宣言。開花宣言は4月22日だったので、満開までわずか4日。異形のソメイヨシノは何を思って咲き急ぐのだろうか?

異形のソメイヨシノさん、どうして、そんなにも咲き急いで、そして散り急ぐんだい…

私には、我が家の異形のソメイヨシノだけではなく、日本の「国花」である桜が、我が国の将来を憂いて、散り急いでいるようにしか思えない。

周辺国に好き放題にミサイル発射実験を繰り返されても何も出来ない国なんて、国家の体をなしていないじゃないか!

喧嘩売られたら、なるべく陰湿な方法で3~4倍返しするのが常識だろうに。

そして遂に、開花日は4月14日までに早まってしまった。

「国家の命脈」の衰えを感じる私であった…