昨日の冷たい雨がまるで嘘であったかのように、今日のオフィス周辺は八ヶ岳ブルーの空が広がる爽快な朝だった。
マシンウォーキングを終えて、7時半前に本宅に移動するためにオフィスのドアを開くと、本宅の屋根の上に薪ストーブの煙がたなびいているのが見えた。
今回の滞在から「薪ストーブ」は既にフル稼働。
本宅メインの暖房である大型石油ファンヒーター「サンポット 兄」のタイマーを午前6時にセットして、まずは本宅のリビングを暖めておく。
その後の暖房は、薪ストーブにバトンタッチしているらしい。
「らしい」と書いたのは、薪ストーブの管理は社主さまに任せており、私はほとんどノータッチだからである。
私が管理(主にメインテナンス)しているのは、オフィスと本宅に設置した2台のサンポット兄弟と枕木テラスの「焚き火台・BBQ台」ペア。
緊急・補助用の2台のダルマ型石油ストーブは、私と社主さまの共同管理となっているのだ。
リビングのドアを開いて中に入ると、室内は優しい暖かさが満ちていた。
これは薪ストーブ特有の赤外線による輻射熱の効果によるもので、ログや人の体を芯からほんわかと暖めてくれるのだ。
この暖かさこそが「薪ストーブ最大の魅力(魔力)」と言っても過言ではないだろう!
本宅のリビング・ダイニングの広さは約30畳。
サンポット兄は、設置してあるダイニングサイドから部屋を素早く暖めてくれるという観点からは優れている。
一方、リビングサイドに設置してある薪ストーブは、リビングの吹き抜けに面している2階も含めて、本宅全体を包み込むようにして暖めてくれる。
本宅のログハウスに関しては、この2種類の異なった暖房機器のコンビネーションが上手く機能しているなと思う。
薪ストーブのガラス越しには、燃焼中の薪が見える。
これはまだ「キャタリティック燃焼」前の炎だな。
薪ストーブに付いているいくつかのレバーを操作してキャタリティック燃焼に切り替えると、薪の炎は熾火のような状態に変わって、燃焼時間が長くなるのだ。
2通りの炎を眺める事が出来るのも、薪ストーブの楽しみのひとつなのである。
この「見た目の楽しみ」という点では、間違いなく薪ストーブはサンポット兄弟に圧勝している。
加えて、薪や灰を入れる容器に、各種の手入れ道具等々、薪ストーブ関連の道具はどれもお洒落で、ログハウスの雰囲気に見事に馴染んでいるのだ。
でも、その分、コストがしっかりと掛かっているんだが…
軽い朝食を済ませて、枕木テラスに出た。
本宅の壁際には3種類のログホルダーが置いてある。
主に今年使用する予定の薪が並べてあるのだが、丸ログの本宅のエクステリアの構成要素にもなっている。
実は、メインウッドデッキの下側スペースが、最大の薪置き場であり、ここに薪割り機等も置いてある。
上部(ウッドデッキの下部)は、ポリカの波板で雨を防ぎ、下には枕木が敷き詰めてある「豪華仕様」の薪置き場だ。
薪ストーブライフを楽しむには、薪の確保が最も大切だが、それを保管するスペースも負けない位に重要なのである。
要は「贅沢な暖房」なのだ…
それに比べると、サンポット兄弟は本宅とオフィス用の灯油タンクに給油するだけ。
電話1本で済む作業である。
手軽さ(利便性)では、サンポット兄弟が薪ストーブを凌駕している。
コスト面に関しては、23年前に八ヶ岳ライフをスタートした時点では、サンポット兄の圧勝だった。
だが、近年の灯油値上げに加え、ここ数年の薪は敷地内で伐採した広葉樹の枝や幹を使用していたため、キャッシュフローという観点からは明らかに薪ストーブが勝っている。
まあでも、実際に薪(我が家は広葉樹しか使わない)を購入するとなると、まだサンポット兄弟の方が優位だろうな…
こんな風に「暖かさの種類・暖房効果即効性」「見た目の味わい」「燃料の保管スペース・メインテナンス等の手間暇」「維持コスト」等の観点から「四番勝負」風に比較してみた。
すると、薪ストーブとサンポット兄弟、それぞれの長所・短所が浮かび上がってくる。
う~ん、総合評価となると「甲乙付けがたい」な…
結論から言えば、この23年間貫いてきた「サンポット兄弟メイン、薪ストーブ(贅沢な)サブ」という楽しみ方が、やはり合理的であるように思う。
薪ストーブにサンポット兄弟、それに枕木テラス(屋外)での「焚き火」に、緊急・補助用の2台のダルマ型灯油ストーブを加えれば「八ヶ岳ライフ 最強の冬の寒さ対策」となるのだ。
ふと気が付いた。なぜか、薪ストーブだけは「愛称」がないのである。
「マッキー」なんてのは安易かな?
社主さまに、早速、相談しなければ…
by『八ヶ岳稿房主』