8月終わりの頃から、オフィスで仕事をしていると外壁をコツコツ叩くような音が時々、聞こえるようになった。
最初は、山栗の実が落ちて壁にぶつかる音かと思ったがどうも違う。
最近よく遊びに来るカラスのペアやリスのミッターマイヤーの仕業でもなさそうだ。
一昨日、犯人の正体を突き止めようと思い、コツコツという音が聞こえた直後にオフィスの外に出て、壁の様子を観察したのだが何も発見できなかった。
不思議だな…
今朝の8時過ぎにまた、あの音が聞こえてきた。
断続的ではあったが、いつもより長く続いたので、そっとドアを開けて音のする辺りを見た瞬間、鳥がパッと飛び立った。
これでも「日本野鳥の会」会員である。
犯人の正体は「キツツキ(啄木鳥)」、それも「アオゲラ」だった。
そうか、遂にキツツキ一族が、オフィスにも侵略を開始したか。
新たな脅威の出現であった。
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「森の中の家」にとって、キツツキによる建物被害は大きな問題である。
実は、八ヶ岳本宅も2019年4月にロサンゼルス旅行や出張で1ヵ月程不在にしている間に「破風板」に大きな穴を開けられた。
加入していた火災保険の補償対象事故と認められて、破風板をすべて鋼板でカバーするという結構、大掛かりな工事をした。
支払われた保険金の範囲内でちゃんと補修工事が出来たので、しっかりとした(充実した保障内容の)火災保険に加入しておくことの重要性を実感した。
ほんの短い期間だったが、銀行業界の調査の片手間に、損害保険業界の投資調査を担当した時期があって、その時の経験が意外と役立っているのだ。
この補修工事が奏功し、その後、キツツキの被害はまったく無くなったのである。
メインテナンスの際には、鋼板は簡単に取り外すことが出来るように業者さんが工夫してくれたので、先々の対応も問題ない。
さらに、鋼板のホワイトカラー(社主さまが選んだ色)が八ヶ岳ブルーの空に映えて、本宅が醸し出す雰囲気がより爽やかになったような気がする。
色々な意味で、損害保険会社に感謝した(やっぱり損害保険はリーディングカンパニーである「T京海上火災」だ!)。
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オフィスに関しては、セルフビルド工事中に、やはりアオゲラが飛来して、ログとログの間に挟む断熱材を啄んでいて慌てたことがあった。
だが、その後はキツツキの姿をオフィスの壁や屋根では見かけたことはなく、完工後もうすぐ8年になるが、これまでの被害は皆無であった。
片屋根構造の直線の破風板が、キツツキのお気に入りではないのだろうと、私が勝手に思い込んでいた。
改めて、アオゲラが留まっていた壁の辺りを丁寧に調べた。
すると軒板と構造材の接合部分にわずかであるが、キツツキが突いたと思われる傷を発見。
慌てて、同じような構造の場所を確認すると、やはり突き傷があった。幸いな事に、両方まだ数センチ程度の傷である。
ここで私は、瞬時に「大家さんモード」にトランスフォーム。
仕事を中断して、キツツキ被害防止用の対策を講じることにした。
オフィスの地下室からスチールプレート、ラッカースプレー、ブチルテープを運び出してきて、軒下のカラーに一番近いグリーンに塗装。
塗料が乾いたところで脚立を運んできて、被害カ所を3枚のスチールプレートで完全にカバー。
それ以外にも、キツツキが好みそうな3つの場所に予防的に、それぞれ1枚のスチールプレートを貼って防御した。
速乾スプレーの塗料を使ったので、この間の所要時間は塗料の乾燥時間を含めても1時間ちょっと。
我ながら「手慣れた大家さん稼業」であった。
一連の作業を終えた後、7月下旬にアオゲラが本宅のガラスに激突する事故があったことを思いだした。
彼らの元々のテリトリーであった森の中に、勝手にログハウスを建てた私に対する「報復攻撃」かもしれないな…
まあでも、キツツキ、お前らの事は許さないぞ!
キツツキの天敵は「フクロウ」だという。
我が家には、現在、ブルーベリーの番人をしている「ぶっき~ちゃん」がいる。
ブルーベリーの収穫も今月中には終わるだろう。
その後は、ぶっき~ちゃんをオフィスのウッドデッキに移動して、キツツキを追い払ってもらえば良い。
八ヶ岳ライフは、こんな具合に「様々な生物」との知恵比べや闘いの場でもある。
だから、楽しいのだ!