【縄文土偶探訪記 Revival season the final episode(通算第100号)】茅野市尖石縄文考古館(長野県)— 長き旅の終わりに

探訪博物館:「茅野市尖石縄文考古館」(https://www.city.chino.lg.jp/site/togariishi/
探訪日: 2019年11月23日
探訪目的: 「縄文のビーナスさま」と「仮面の女神さま」に【縄文土偶探訪記】終了のご挨拶・ご報告

11月23日の諏訪大社4社巡りの後に、私はどうしても訪問したい先があった。そこは、私にとっては「聖地」と言える場所であり、心の底から敬愛する2体の国宝土偶さんが鎮座する地でもある。そう「茅野市尖石縄文考古館(以下、尖石)」だ。

元々、【縄文土偶探訪記】Vol.99「ワンダフル・ジャーニー 3館制覇」を配信した時点で、締め括りの第100号は「尖石」でと決めていた。だが、肝心の「縄文のビーナスさま」と「仮面の女神さま」が、長野県立歴史館「開館25周年記念特別展 土偶展」にご出張中で、尖石での展示再開予定は11月23日であった。

そこで、ワンダフル・ジャーニーを終えた11月16日から21日までは仕事に集中。社主さまが出社なさった22日に尖石に電話を掛けて、23日の展示再開を確認。24日の諏訪大社4社巡り後に尖石を探訪し、長きに亘った【縄文土偶探訪記】を終えようと計画したのである。

尖石着は15時40分。いつの頃からか、ふらっと立ち寄って、2大国宝土偶さまにご挨拶するのが半ば習慣になっていたので、訪問回数はもう「不明」である。私にとって「勝手知ったる」という言葉は、尖石や井戸尻のためにあるようなものだ。

勝手知ったる「茅野市尖石縄文考古館」のエントランス。2体の国宝土偶さん達は長期出張を終え、11月23日から久し振りに尖石で「実物展示」となった。

社主さまと2人分の入館料計1,000円を支払って、すぐにエントランス右手奥にある国宝土偶さん達のお住まい(展示室)を目指した。「長い出張ご苦労様でした。」と心に念じて展示室に足を踏み入れた。中央に「縄文のビーナスさま」、右手奥に「仮面の女神さま」がいつものように神々しく佇んでいらっしゃった。

「縄文のビーナスさま」の美しいお顔は「八ヶ岳つり目美人さん系」土偶さん達の象徴である。
「仮面の女神さま」は辰野美術館や韮崎市民俗資料館のデリバティブ土偶さん達よりもキリッとしたお顔立ちである。私はこのお顔が大好きだ。オフィスに並ぶ土偶さんレプリカの中で、数が最も多いのは「仮面の女神さま」である。

「かっくうちゃん」「合掌土偶さま」「縄文の女神さま」それに「しゃこちゃん」といった有名土偶さん達が発するパワー(オーラ)はどれも特別ではあるが、私にとって尖石の2体の国宝土偶さんは、やはり「別格」なのだ。

「縄文のビーナスさま」の後ろ姿。どんな角度から見ても「たおやか」「豊穣」という言葉を思い浮かべてしまう…

「縄文のビーナスさま」にじっと見入っていると、隣にいた社主さまが「やっぱりこの子達(子ってのは失礼だぞ!)は全然違う。すごく特別な存在だわ。」と呟いて手を合わせていた。私もその通りだと思う。

「仮面の女神さま」の後ろ姿。改めて見ると、やはり三角形の仮面を顔に押し付けた巫女という星野之宣先生の「黄泉醜女」を思い出してしまう。

土偶さんが何者であるかについては、もう考えないことにしたのだが「祈りの対象」であった事は間違いないと思う。

10分程、国宝土偶さん達の展示室でパワーを浴びた後、他の展示室を7~8分で見て回った。そして再度、国宝土偶さん達へ最後のご挨拶にうかがった。

「2013年11月15日から始まった縄文土偶さん探訪の旅は、今日2019年11月23日をもって終わりとします。長くて楽しくって、そして、とても勉強になる旅にお導きいただき本当にありがとうございました。縄文土偶探訪記は終わりますが、ビーナスさまと女神さまには、これからもお参りにうかがいますね!」と心の中で呟いて合掌。深いお辞儀をして展示室を後にした。

さあ次はミュージアムショップだ。土偶さんグッズの収集も今回を最後にしよう。さて何を購入しようかな? いつものように、迷うことなく決まった。縄文のビーナスさまのペンケースと、国宝土偶さんそれぞれのマグネットプレートである。3点合わせて1,920円の代金を支払いエントランスへと向かう。

ミュージアムショップで購入した3点。縄文土偶さんグッズの収集もこれで終わりとしよう。ペンケースは「老眼鏡ケース」にサイズがピッタリだった。

入り口で入館者をお出迎えしてくれる2体の大型レプリカと記念撮影。マフラーを巻いたお姿は愛らしい。国宝土偶さん達は本当に大切にされていることが伝わってくる素敵な光景である。

エントランスで入館者を出迎えてくれる国宝土偶さん2体の大型レプリカ。マフラーを巻いて貰って暖かそうだ。本当に愛されている土偶さん達である!

博物館を出てD4が待つ駐車場に向かおうとした際に、ちょうど尖石遺跡の方向に沈みつつある夕陽が私を照らした。穏やかで優しい光だった。

尖石の建物を出ると尖石遺跡方面に沈みつつある夕陽が私を照らしてくれた。長きに亘った縄文土偶探訪記を終えた私の心情のように、本当に穏やかな光だった…

6年に亘った縄文土偶さん探訪の旅もこれで本当に終わりだな… さあ、何かまた新しい事を始めよう!!