一昨日の午前9時半過ぎに八ヶ岳オフィスを発って、新百合ヶ丘自宅への帰路についた。今回の八ヶ岳滞在期間は正味9日間。庭仕事等を中心に、八ヶ岳オフィスでの春の定番作業をしっかりと終えて、月曜日からの決算分析作業の本格化への備えは万全である。だが、ひとつだけ気掛かりな事が出来てしまった。私が愛でる「ホスタ」さん達の「鹿軍団対策」に手違いがあったのだ。
私の庭木の鹿軍団対策は、20年間に及ぶ八ヶ岳ライフの試行錯誤の結果「5層」の防防御体制を構築するに至った。導入時期の早い順番で紹介すると ①冬の100均銀シート巻(ソメイヨシノ、ナナカマド等)②鹿除けネット(シュガーメイプル、クリムゾンキング他)③結界石《改》(主にホスタさん達)④鹿が忌避する庭木(ブッドレア、アセビ)⑤ウッドデッキでの保護(楓類、ブルーベリー)である。このすべての体制が整ったのは2017年であり、その後の2年は、庭木の「鹿被害」はほぼ皆無となっている。
前回の八ヶ岳滞在中は、銀シートを社主さまが剥がして、私は鹿除けネットを補修。さらに、ブッドレアを剪定し、アセビや楓等に追肥を行った。そして、春の「対鹿軍団防衛戦」の最重要戦線である結界石《改》 の敷設作業を残すのみとなった。と、ここで材料となる熔岩石が在庫切れである事に気が付いたのである。鹿が忌避する環境配慮型クレオソート(の臭い)は、熔岩石の吸収性・保湿性という効果があってこそ威力を発揮する。この「熔岩石+クレオソート」の組み合わせこそが「結界石《改》」なのである。
さっそく、楽天でいつも熔岩石を注文するお店にアクセス。が、この2年使ってきた「小粒」の結界石の在庫がなく、それ以前使っていた「中粒」とまだ未使用の「大粒」しかなかった。1kg当たりの価格は「大粒」がセール対象となっており、とてもお得だったので、あまり深く考えず「大粒」を注文。どのサイズが見映えや鹿除け効果が良いかを実験したいという気持ちもあったのだ。
熔岩石が届いたのが5月8日午後。その日は色々と所用があったので、箱を開けたのは9日の午後3時過ぎであった。10日の朝には八ヶ岳オフィスを発つ予定だったので「熔岩石のクレオソート液1晩漬け込み作業」をするには、9日の夕方がデッドラインであった。箱を開けた瞬間に慌てた。そこにはイメージしていた熔岩石とはかな異なる2袋(計30kg)入っていたのだ。
これまでの防衛戦に使った中粒と小粒は色こそ違ったが、表面はゴツゴツして気孔だらけ。これがクレオソート液をたっぷりと吸い込んで蓄えてくれたのである。しかし、今回届いた大粒は、表面が白くて、やや丸みを帯び、これまでの小粒や中粒よりもツルッとした感じだ。
大きめの気孔はあるが数は少なく、どちらかというと砂利石に近いイメージである。これでクレオソートを吸ってくれるかな??
商品の発送ミスかと思い、楽天の商品解説ペーシを見ると、確かに届いた商品と同じ写真が掲載されていた。熔岩石は皆、同じ鉱質・形状と思い込んで(よく考えれば無謀だ)、価格のみを見て注文した私の完全なミスであった。
さあ、困ったぞ (>_<) 近場のJマートに熔岩石の在庫がなかったのは確認済みである。茅野の他のホームセンターまで行くのは面倒だし… 取り敢えず、この大粒で対応するしかないな。そう判断し、結界石《改》専用のバケツにクレオソート液をいつもと同じ程度の量注いだ。
吸水性は予想していたよりもはるかに良く、灰白色の大粒熔岩石は、すぐに真っ黒に染まった。「意外とイケるかも。取り敢えず1晩浸してみるか。」と呟いて作業を終えた。
10日の朝8時過ぎ、八ヶ岳撤収の段取りをすべて終えた私は、最後の作業となる結界石《改》敷設に取り掛かった。大粒熔岩石の吸収性はやはり思ったより良好で、吸収できずにバケツの底に残ったクレオソートの量は、小粒や中粒と大差はなかった。そして、鹿が忌避するクレオソート臭も、人間には気にならない程度だが、しっかりと漂っていたのである。だが、やはり「保湿性」には不安が残った。表面積が狭いので、すぐに乾いてしまうんじゃないかな?
早速、ホスタの周囲に6~7粒程度を目安に置いてみた。「うーん、見映えも悪いな。何か小動物のフンみたいだな…」が、贅沢は言ってられない。最大の目的は、一斉に芽を出し始めたホスタさん達を鹿から守る事である。ホスタの新芽は鹿の大好物であり、ちょっとした油断が「大悲劇」につながる事は2016年の春に経験済みである(https://triglav-research.com/?p=15533)。
約20分掛けて、大粒結界石《改》をホスタや林檎の木など約30箇所に置いた。「次回の八ヶ岳出社日は未定だが、それまではしっかりとホスタを守ってくれよ。」と、願いつつも、一抹の不安を抱きながら、私は八ヶ岳を後にしたのである。
その後、結界石《改》への不安は忘れていたのだが、今朝の午前7時前、書斎のデスクトップPCの「カメラ一発」の画面を何気なく見た私は驚愕した。画面のひとつが、その片隅に2頭の鹿が動いているのを映し出したのだ。場所は本宅灯油タンクの後方、そこには2本の林檎の苗木が植えてあり、これも結界石《改》の防御対象である。
ホスタさん達と同じく、林檎の新芽も鹿軍団の大好物のようであり、これまで何度も食害に遭ってきたのだが、ここ数年の春先は結界石《改》に守られたようで被害は皆無だった(鹿は、結界石《改》の近くには、そもそも近寄らないと推測していた)。が、どう見ても2頭の鹿は林檎の木のすぐ近くにいた。スクショを残そうと思った矢先に2頭とも画面から消えた。
大粒結界石《改》は、しっかりとホスタさん達を思ってくれるだろうか? 気掛かりで決算分析作業に集中できそうにない…