今日は川崎自宅への帰宅日である。朝6時少し前に目覚めて、今回の八ヶ岳滞在期間中で最後となる、マシンウォーキングと珈琲を楽しむ。朝のルーティンを終えて庭に出たのは6時45分。天気予報の情報で想定はしていたが、夜の内に雪が降ったようだ。昨晩、鹿の湯から戻った際に、八ヶ岳本宅とオフィスの間の枕木テラス上に移動しておいたD4のボンネットは雪で覆われていた。積雪は3~4cmであろうか?
昨晩の内に本宅の水抜きやオフィスの掃除はすべて終えてあったが、大切な仕事をひとつ忘れていた事に気が付いた。野鳥さんやリス君など「我が八ヶ岳の友達」への贈り物(給餌)である。早速、3店経営しているレストラン(給餌台)にヒマワリの種や林檎をたっぷりと置く。とは言っても、この程度の量であれば明日のお昼前にはおそらく3店とも「休業」状態になるであろう。それでも、これは私が厳冬期に八ヶ岳オフィスを離れる際の仕来りなのだ。
この時期、野鳥さん達は、私が給餌台にヒマワリの種を補給するのを、ちょっと離れた木の上でじっと待ち構えている。給餌を終えてオフィスに戻った4~5分後、デスクに面した窓から、不要になったBSアンテナを加工して作った「3号店」を見おろすと、もう大繁盛だった。野鳥さん達の大挙来店後は、わが心の友「リスのミッターマイヤー(https://triglav-research.com/?p=20596)」の貸し切りタイムとなるはずだ。
オフィスを発つのは午前9時頃と決めていたので、それまでの時間、録画はしたが未視聴であった放送大学「“縄文”を思索する考古学×哲学×アート」の前後編を通しで見る事にした。途中何度か3号店を窓から覗いてみるが、何故か今朝はミッターマイヤーは現れない。今回の滞在中は、毎日挨拶していたんだが…
口下手でシャイな性格であるため人間の友達がほとんどいない私にとって、ミッターマイヤーは本当に大切な存在だ。彼の身に異変がないことを祈って、オフィスを離れる事とした。あっ、そう言えば最近、新しい友達ができたんだ。この友達については稿を改めて紹介しよう。
D4にデジガジェ類のギッシリつまったトートバッグを運び入れて撤収準備はすべて終了。D4の運転席に座ってエンジンボタンを押す。V8 5,000ccの大排気量エンジンが力強く目を覚ます。次は運転環境のセッティングだ。「鉢巻道路が凍結しているかもしれないな…」と思い、車高をオフロード、テレインレスポンスシステムは「雪原モード」に設定し、枕木スロープを軽やかに進む。
同じ別荘街区の敷地を出て、鉢巻道路を1分程走行。路面凍結は大したことないな。車高もテレインレスポンスもノーマルに戻そう。さあ、これから自宅まで2時間弱の旅である。BGMは何にしようか?
ディスプレイパネルのプレイリストモードにタッチしたら、広瀬香美の「Alpen Best」が真っ先に目に飛び込んできた。「やっぱり雪道は走る時はこれだよな。」— 冬や雪という雰囲気だけで、咄嗟に一連のアルペンCM(=広瀬香美)を思い浮かべてしまう自分が悲しい。おそらく、我が国のバブル経済時代を20歳代前半で経験した世代に共通の習性であろう。
「ミッターマイヤー、どうか元気でいてね…」と再び祈りながら、私は「雪の八ヶ岳」を後にした。