野菜苗の買い出しに — 田舎暮らし成功の秘訣を思い出す

朝6時過ぎに川崎自宅を発ち八ヶ岳へ向かった。今回は出勤ではなく、社主さまを伴った純粋な休暇滞在である。来週の火曜日から地方出張を含む「講演・プレゼン期間」となるので、極力仕事はせずにノンビリと八ヶ岳ライフを楽しもうと思う。

途中、小仏トンネル手前で事故渋滞に巻き込まれ、八ヶ岳本宅着は8時40分過ぎになってしまった。今回の滞在中は、八ヶ岳の新鮮な高原野菜中心の食事にしたいと社主さまがご所望なので、荷物を降ろしてすぐに、9時オープンの原村「たてしな自由農園」に向かった。

私単独ならば、事前に必要な物リストを作成し「無駄なく最短時間で」が買い物のモットーであるが、社主さまの場合は「その場で良い素材を安く」スタイルなので、当然ながら時間はタップリかかる。買い物終了は9時半過ぎ。お隣の808 Cafeでパンを買う予定だったのだが、開店時間は10時なので空き時間ができた。

社主さまのご意向をうかがうと、今日は「野菜やお花の苗」をじっくり見たいとの事。そこで少しだけ足を伸ばして、野菜や花の苗購入の「穴場」である「八ヶ岳中央農業実践大学校(http://www.yatsunou.jp/)」の直売所に向かう事とした。途中、ちょっと遠回りをして新規のパン屋さん開拓をしたため実践大学着は10時15分。

ヶ岳中央農業実践大学校の直売所に到着。生憎の梅雨空だが、お客さんはパラパラと入っていた。

駐車場から直売所に向かうと、すぐに花と野菜の苗が並んでいた。「ここのお花は安いわ!」と社主さまが目を輝かせたのでそうなのだろう。

いきなり花の直売コーナーがあった。花や野菜の苗の種類は決して多くはないが、社主さまが「ここのお花は安いわ!」とおっしゃった。彼女がそう断言するなら間違いない!

苗選びの邪魔をしないように、私は、直売所をぶらぶらと彷徨く。「卵だけでもこんなに種類あるんだ…」てな感じの時間つぶしである。

直売所の野菜売り場の方の建物には「有精卵」のコーナーがある。色々な種類が並んでいて、いつ見ても感心する。

社主さまが小さな段ボール1箱分の買い物を終えたのは10時半過ぎ。その後、808 Cafeでパンを買い終えた後に、追加のご要望をうかがうと「もっと野菜苗が見たいわ」との事。そんなわけでお買い物の締め括りは、富士見の「JAファーム」に向かう事とした。JAファーム着は11時ちょっと前。

野菜苗の宝庫「JAファーム」に到着。奧の農機具コーナーも種類豊富。Jマートと並んで、私の八ヶ岳ライフの御用達だ。

この時期、ここは「野菜苗の宝庫」である。社主さまは、ゴーヤやトマトなどお目当ての苗を熱心にチェック。お客さんを見ていると、別荘族だけではなく、地元の農家の方も来店するようで、同じ苗を箱買いして行く人が何人もいた。

見た事もない野菜苗も沢山並んでいる。写真はそのほんの一部。箱買いして行く地元の方が何人もいた。

野菜苗はとにかく種類豊富。さらに果樹苗や庭木も沢山置いてあるので、私はそちらの方を見て回った。

庭木や果樹苗も豊富。木の名前と価格札がしっかりと付けてあるので、樹木名を確認する上で、とっても参考になる。

JAファームの道1本挟んだお隣には、Aコープファーマーズ富士見店という大きなスーパーを中心としたショッピングモールが並び、すぐ脇には、ENEOS ふじみSS(JA信州諏訪がが協同経営)もある。このJAモールに来れば、大袈裟ではなく、日常生活に必要な物は何でも揃う。長野県における「JAパワー」の凄さを実感させる施設だ。

ここから車で1~2分の場所には、年中無休 営業時間午前5時から翌日午前1時の富士見町民の便利で強い味方「西友富士見店」がある。さらに、そのすぐ側には、堀辰雄の小説「風立ちぬ」の舞台となった富士見高原療養所をその前身とする「富士見高原病院」という頼もしい存在がど~んと控えている。これら生活の上での必需(重要)施設までのオフィスからの所要時間は車で約10分。

八ヶ岳に第2の拠点を設ける際に、実に様々な「田舎暮らしのマニュアル本」の類を読んだ。「柳生博」さんと「荒川じんぺいさんの一連の著書が「突出した名著」であった事は、かつて『稿房通信』で記した。

その他の本については、正直なところ、読み返すような価値はなかったが、何故か「週末の田舎暮らし成功の秘訣」については、かなり似通った事がいくつか書いてあった(情報ソースとなった本の焼き回しかもしれない…)。

「車で通うなら2時間以内」「山での暮らしには西日が長く射す事が大切」等が代表例だが、「大きな病院やスーパーなどの施設に車で15分以内(20分以内という本もあったかな?)」という条件もそのひとつだった。どれもナルホドと納得できたので、八ヶ岳本宅を選定する際に、(珍しく素直に)これら条件を満たすように心掛けた。

本宅購入から今年で19年目。快適な八ヶ岳ライフを送る事が出来ているのは、こんな「徹底的事前リサーチ」の賜である。