前回配信した土偶「あきちゃん」のビュー数が予想以上に多くてちょっと驚いた。配信当日に限定すれば、【縄文土偶探訪記】を地味に配信していた頃の4倍以上の水準である。
「にほんブログ村」登録の効果かなと思ったのだが、ブログ村経由のアクセスよりも、はるかに多いビュー数なので、やはりジワッと「縄文ブーム」や「土偶さんブーム」が盛り上がりつつあるのだろう。
八ヶ岳西南麓は北海道・東北と双璧の「縄文王国」なので、縄文ブームの到来は、八ヶ岳界隈の「地方創生」にも資することになるはずだ。そんなわけで、当『稿房通信』も、縄文遺跡や土偶さん関連の情報発信の比重をもう少し高めようと思う。
今日も、かつて「夢に出てきた土偶さん」を紹介しよう。今年の1月30日に夢に現れて、空中浮遊しながら八ヶ岳の方向を指差した「ラヴィさん」である。
山梨県南アルプス市の「鋳物師屋遺跡(いもじやいせき)」出土で、縄文時代中期(4,000~5,000年前)の土偶と推定されている。収蔵は「南アルプス市 ふるさと文化伝承館」である。文化伝承館の解説プレートには『円錐型土偶』と紹介されており、他の出土品と一緒に「国指定重要文化財」となっている。
大英博物館等、海外の博物館に何度も貸し出されており、土偶さんの写真集等にも必ずと言ってよい程に登場するメジャーな土偶さんだ。高さは25cm程度なので、私がこれまでご対面した土偶さんの中では、かなり大きな部類である。
胸と膨らんだお腹を見れば「妊婦」さんであろう事は誰でも想像つくだろう。パット見、左手(指は3本に見える)で膨らんだお腹をさすり、右手は腰の方に回って支えているような印象を受ける。出産直前じゃないかと心配になるようなポーズである。
4面ガラスのケースに単独展示されているので、様々な角度から鑑賞できるのだが、実際に「左手で腹部をさすって、右手で腰部を支えている」作りである事が確認できる。気になるのは、両脇に空いた「穴」だ。
初めて見た時は、この穴に花でも挿したのかなと思ったのだが、解説プレートには「空洞の胴部に石や土製の玉を入れ、音が出るように作られており、音を聞く土偶」だったと書かれていた。
勝手に「ああ、赤ちゃんをあやすための道具だったんだな…」なんて、その場では想像。だが、赤ちゃんをあやす道具にしては、大き過ぎるし、持ちやすいとは言えない形状である。加えて3本指だし、お顔は何となく「宇宙人」ぽくて、お世辞にも愛らしいとは言い難い。
南アルプス市の文化財を紹介するHPには「この時代(縄文時代中期)の平均寿命は30歳代だといわれています。家族やムラが繁栄するためにも、元気な赤ちゃんと、お母さんの健康と無事を祈ったのでしょう。」と書かれている。確かに「子宝や母子の健康を祈った土偶さん」であると見るのが一般的なのだろうが、私には、どうも別の用途(例えばシャーマンが祈祷に用いる祭具)があったような気がしてならない。
もっとも、色々推理しても正解は無いのだが…
ちなみに、この土偶さんの正式な愛称は「子宝の女神 ラヴィ」。2015年年8月22日、南アルプス市民の皆さんからの応募によって決まった名前だ。「ラヴィ」はフランス語で「命」を意味するとの事。
その年の秋に開催された「2015全国どぐキャラ総選挙(http://dogupota.net/dogusen2015/)」では917票を獲得して、見事優勝している。どぐキャラ総選挙は、現時点では、この2015年が「Final」となっているので、ラヴィさんは「最後のチャンピオン」なのである。
知ってる人は皆知っているが、知らない人は誰も知らない、まあ、深いのか浅いのかよくわからないネタなのだ!
【八ヶ岳縄文道】⑦
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